『英国王のスピーチ』セリフに学ぶ英会話 心の叫びを表わすジョージ6世

話し上手 ドラマ

英語学習において映画のセリフや名言から英語フレーズを学ぶことは効果的だしオススメです。

今回は、映画『英国王のスピーチ』を紹介します。

『英国王のスピーチ』を通して吃音に悩むアルバート(ジョージ6世)と言語療法士ライオネル・ローグとの友情で聞ける名言はシンプルながらもとても心のこもった言い回しです。

また、英国紳士ならではの語り口やアメリカ英語とはひと味ちがうイギリス英語がどんな響きをもっているかなども勉強になります。

心の奥底に言いたいことがあるものの、表現をさまたげる何かのために伝えることができない苦しさははかり知れないものがあります。加えて、地位の高い立場にあればなおのこと大変でしょう。

そんなときこそ本音で話し合える友がいることかどんなに心づよいか映画は教えてくれます。

では、アルバート(ジョージ6世)とライオネル・ローグのセリフを見ていきましょう。

© Momentum Pictures 出典:シネマトゥデイ

英国王のスピーチ あらすじ

映画『英国王のスピーチ』のネタバレあらすじ結末と感想
映画『英国王のスピーチ』のネタバレあらすじと感想。ストーリーを結末まで起承転結で分かりやすく簡単に解説しています。映画ライターや読者による映画感想も数多く掲載。

引用:MIHOシネマ

『英国王のスピーチ』映画のセリフや名言に学ぶ英語フレーズ

Eikokuou no spîchi (2010)
Colin Firth in Eikokuou no spîchi (2010)

Timing Isn’t My Strong Suit

大ぜいのイギリス国民がスピーチを聞こうと静かにするなか、国王の名代でスピーチするアルバートは幼いときからある吃音症のせいで国民をガッカリさせてしまう。

失望するアルバートのために妻エリザベスは吃音症の治療に明るいさまざまな医者を招きいれた。しかし、どの医者もこれといった決め手はなく症状は良くならない。

こんどこそはと訪れた先はオーストラリア出身のライオネル・ローグという少し変わった言語療法士だった。

ライオネルはアルバートの治療をする前におたがいの信用が大切だと話しかけるが、アルバートは癇癪かんしゃくを起こしてしまう。

ライオネル・ローグ:

Do you know any jokes?

なにかジョークは言えるかね。

アルバート(ジョージ6世):

Timing isn’t my strong suit.

その類は得意ではない。

引用:IMDb

◎英語メモ

Timing isn’t my strong suit.

英語字幕を読むと「その類は得意でない」とあります。

これはどういうことかというと、アルバートはジョークが言いたくとも吃音症のせいでジョークのオチに行くまでに時間がかかってしまう。

つまり、「ジョークを言うならタイミングが大事だ。時間のかかるオチではつまらないだろ。」という気持ちを表しています。

strong suit 得意、強み

英国らしいジョークのような皮肉めいた英語表現

Eikokuou no spîchi (2010)
Geoffrey Rush in Eikokuou no spîchi (2010)

アルバート(ジョージ6世)は治療にきているのに茶化されているようで緊張とイライラからタバコを吸いはじめます。

それを見たライオネル・ローグはタバコは喉に悪いと言います。権威ある医者からは勧められていると言うアルバートに呆れた感じでライオネルがいうセリフです。

このシーンは英国らしいジョークのような皮肉めいた英語表現があります。

ライオネル・ローグ:

Please don’t smoke. I believe sucking cigarette smoke into your lungs will kill you.

たばこは吸わないでください。喫煙は灰を痛めつけますよ。

アルバート(ジョージ6世):

 I need to relax. My physicians say it relaxes the throat.

リラックスしたいんだ。主治医がたばこは喉を落ち着かせると言っていた。

ライオネル・ローグ:

They’re idiots.

連中はマヌケですね。

アルバート(ジョージ6世):

They’ve all been knighted.

栄誉賞合をもらっているんだぞ。

ライオネル・ローグ:

 Makes it official then.

それはまさに公式のマヌケだってことです。

引用:IMDb

心の叫びを吐露するアルバート(ジョージ6世)ライオネル・ローグとジョージ6世との信頼関係が描かれているシーン

Eikokuou no spîchi (2010)
Colin Firth and Geoffrey Rush in Eikokuou no spîchi (2010)

王位に就くプレッシャーに打ち負かされそうになるアルバート(ジョージ6世)は、周りの意見に流されそうになりライオネル・ローグを自分から遠ざけようとしてしまう。

しかし、ライオネル・ローグのひと言が閉ざしていたアルバート(ジョージ6世)の心の扉を開きます。

ジョージ6世: 

Listen to Me! Listen to Me!

わたしの話を聞け!聞けと言ってるんだ!

ローグ:

Why would I waste my time listening to you?

なんで時間をつぶしてまでしてあなたの話を聞かなきゃいけないんだ?

ジョージ6世: 

Because I have a voice!

わたしには「ヴォイス」があるからだ!

ローグ:

Yes you do.

その通りです。

引用:IMDb

まとめ

『英国王のスピーチ』では、映画のセリフや名言に学ぶ英語フレーズを紹介しました。

心にキズを負ったまま、自分のことをうまく言いあらわせないアルバート(ジョージ6世)の心をよく理解してくれる友人がいるというのは大切な財産になるのではないでしょうか。

シンプルな英語も状況によってはとても心に響くことが描かれています。