皮肉めいた言い回しが面白い!『ダイ・ハード』名言に学ぶ英語フレーズ

アクション

映画の名言やセリフをとおして英語を学ぶのことは効果的とはいえアクションや戦争映画は相性がいいとは言えません。というのも、アクションや戦闘シーンに気をとられてセリフや字幕に集中できないし、セリフそのものが少ないこともあります。

しかし、セリフとアクションが一体になってグイグイと映画を面白くしている作品もあります。

今回は『ダイ・ハード』をとおして、どんなにピンチな場面に追いこまれてもユーモアを忘れない主人公マクレーンのセリフから名言といえる英語フレーズを紹介します。

出典:IMDb

『ダイ・ハード』あらすじ

ダイ・ハードの概要:クリスマスのロサンゼルスで、ビル立てこもり事件が発生。妻に会うため偶然ビルにいたNY市警のジョンは、事件に巻き込まれ1人で犯人グループと戦う羽目になる。ブルース・ウィリス主演大ヒットシリーズの第1弾。(MIHOシネマより引用)

映画『ダイ・ハード』のネタバレあらすじ結末と感想
映画『ダイ・ハード』のネタバレあらすじと感想。ストーリーを結末まで起承転結で分かりやすく簡単に解説しています。映画ライターや読者による映画感想も数多く掲載。

皮肉めいた言い回しが面白い!『ダイ・ハード』名言に学ぶ英語フレーズ

Die Hard 

映画タイトル”Die Hard”は「筋金入りの」「がんこな」という意味があり、マクレーンはあらゆる危機に見舞われます。けれど、決して倒れることなく生きのびます。

『ダイ・ハード』は、その意味にあるようにマクレーンは「簡単には死なない」「決してあきらめない」筋金入りのタフな男だという姿を映画全編にわたって描いています。

He’s Got His Eye On You

Die Hard (1988)
Bonnie Bedelia in Die Hard (1988)

ナカトミ・プラザの社内パーティーに招待されたマクレーンがナカトミ社のスタッフである妻ホリーに再会します。ナカトミ社長にホリーの執務室に通されるとホリーの仕事仲間であるエリスがこっそりドラッグをやっていました。

マクレーンはチャラチャラしたエリスにも関心がないし、ホリーに対しても夫婦なのに旧姓で仕事をするところが気に入っていません。

このシーンは、どこかイライラしたムードのふたりが交わすセリフです。

ホリー:

    You’ll have to forgive Ellis. He gets very depressed this time of year.

    エリスを勘弁してあげてね。いま落ち込んでるの。

    He thought he was God’s greatest gift. You know?

    あの人うぬぼれ屋さんだから、わかるでしょ。

マクレーン:

    Yeah, I know the type. I think he’s got his eye on you.

    ああ、わかるよ。あいつ君に気があるみたいだ。

    That’s okay. I have my eye on his private bathroom.

    いいわよ。わたしは彼が悪さ(ドラッグ)しないように見張ってるの。

引用:IMDb

◎英語メモ

God’s greatest gift 神からの最高のおくりもの

エリスは自分を「神からの最高のおくりもの」だと思っている。つまり、「うぬぼれ屋さん」という意味。

“get one’s eye on~”“have one’s eye on~”「~に目をつけている」という意味の慣用句で好きなタイプの相手に使うこともあるし、相手が悪いことをしないように目をつけるという意味でもあります。

『ダイ・ハード』は、セリフからこのふたつの意味を両方とも学べます。

Now I Have A Machinegun, Ho‐Ho‐Ho  

Now I have a machinegun, Ho-Ho-Ho

マシンガンはいただいた ホー、ホー、ホー

主人公マクレーンはピンチな時でもジョークを忘れないユーモアのセンスをもった男です。

”Ho-Ho-Ho”はサンタのわらい声で子供たちが幸せになれるように願うときにでる口癖です。ここではマクレーンが敵から銃のプレゼントを奪って喜んでいるという皮肉めいたあいさつになっています。

Ordering A Pizza

Die Hard (1988)
Reginald VelJohnson in Die Hard (1988)

No f***ing s**t lady, does it sound like I’m ordering a pizza?!

おいふざけるなよ。オレがピザでも頼んでいるってのか?

このシーンは緊急事態の通報をしているのに相手にしてもらえずイライラしたマクレーンがオペレーターにいうセリフです。緊迫した状況だというのにピザの注文に例えているところが面白い言い回しですね。

いたずらの通報かどうか一応調べるために現場近くの警官に連絡を取ってみるのですが、あいにく近くにいた警官は菓子パンを買うのに夢中な様子・・・。

Welcome To The Party, Pal

マクレーンの通報が本当か警官が調べにきましたが大してやる気もなく持ち場に帰ろうとします。

何とかして事件が起きていることを知らせるためマクレーンは立ち去ろうとするパトカーに倒した敵を落としたうえにパトカーめがけてマシンガンを撃ちまくります。

仰天してバックしたままフェンスを飛び越えて落っこちてしまうパトカー。

これでわかっただろう!という気持ちを込めてマクレーンが言ったセリフが

Welcome to the party, Pal. パーティーだぜ。 

ここでいうパーティーとは、ナカトミ・プラザで開催されていたクリスマスパーティーとプラザのなかで起きている事件のふたつを重ねあわしてパーティーと言っていて、マクレーンの冗談めかしたセリフがここでも印象的な言い回しになっています。

”Pal”は「友だち」「仲間」といった意味で、はなし相手にフレンドリーにふるまうとき使います。

Thanks For The Advice

Die Hard (1988)
Bruce Willis in Die Hard (1988)

映画のシーンでは、敵がマクレーンを追い詰め、テーブル越しに撃つ直前に「次に敵を殺すチャンスがあるときはためらうなよ!」と言った直後、逆にマクレーンが敵を撃ち殺した後に発したセリフです。

だれかにアドバイスを受けたとき「ご忠告どうも!」と返す英語フレーズですが、ここではお礼を言うタイミングが敵を倒したあとに言っています。皮肉めいていて面白いセリフです。

いつも口うるさい相手に言い返したいときに使えるフレーズなのでシーンごと覚えておくと英会話に役立つフレーズです。

Yippie-Ki-Yay

“Yippee-ki-yay”‘(イッピーカイエー)とは、『ダイ・ハード』の大ヒットによってワールドワイドに知られるようになったフレーズと言えますね。

もともとの意味を調べると、アメリカ西部開拓時代にカウボーイがつかっていた言葉のようです。

相手を打ち負かしたときに「やってやったぜ!」と満足げにいうときの決まり文句として定着しています。英語フレーズというよりも気分がいいときに発するサウンドとして音の響きそのものをおぼえておくと良いでしょう。

Happy Trails

”Happy Trails”は悪役のボス、ハンスの皮肉にマクレーンが言い返したシーンでのセリフです。

勇敢なるカウボーイ、マクレーン君も遂にこれまでか?というシーンでハンスに揚げ足をとられたように”Yippee-ki-yay”‘(イッピーカイエー)と言われてしまいます。

『ダイ・ハード』の面白さはマクレーンがどれだけ追い込まれてもユーモアたっぷりにたくましく切り返していくところです。

ここでもハンスに揚げ足をとられながらもやり返したマクレーンのセリフがコレ

Happy Trails.

あばよハンス

セリフとシーンが一体になって観ているもののハートをギュッと掴みます。

◎英語メモ

trail 旅、道、生活

まとめ

『ダイ・ハード』に登場する主人公マクレーンがどんなに危機的な状況に置かれてもユーモアを忘れない言い回しで困難に立ち向かうマクレーンの姿は多くの観客の心をわしづかみにしました。

英語学習をするときにアクション映画や戦争映画は扱いづらいジャンルではありますが、『ダイ・ハード』においてはセリフとシーンが刺激的で面白いものがたくさんあるので使える英語フレーズを覚える映画としておススメです。