映画のセリフは英語学習に役だつだろうか?
もちろん役立ちます。ただし、映画をサラッとみてセリフから英語を覚えようとしてもなかなかうまくいきません。
英語学習に映画をつかうときはシーンを小さく区切って、その中にあるセリフをなんどもくり返し見て、聞いて、覚えてをくり返すと英語の言いまわしやリズムが身についてきて、その先にあるリスニングの上達に役だちます。
今回紹介する『トップガン』にはアメリカ軍のエリート・パイロットとして成長していく青年のものがたり。主人公がひとりの人間として仕事、恋愛、友情をとおして苦しみながらも生きていくさまが描かれています。
本記事では、『トップガン』の主人公が経験する仕事、恋愛、友情シーンから映画のセリフに学ぶ英語フレーズを紹介します。この記事を読むことで映画をつかった英語学習のやり方がわかるはずです。
『トップガン』あらすじ
引用:MIHOシネマ
『トップガン』映画のセリフや名言に学ぶ英語フレーズ
I’ll Take You All The Way In
セリフのシーンは、アメリカ軍の戦闘機がインド洋で威嚇してきたミグ28を煽りあって追いはらったときのもの。
パイロットのピート・ミッチェル(コードネーム:マーベリック)とグースは、仲間の戦闘機パイロットのクーガーがパニックを起こして操縦ができなくなる事態が察知する。
ひとつ間違えれば大惨事になりそうなときにマーヴェリックはクーガーを落ちつかせるように話しかけぶじに帰投させます。
Maverick (Pete Mitchell):
You’re okay, Cougar. Just stay on my wing, I’ll take you all the way in. Just stay with me.
マーヴェリック(ピート・ミッチェル)
クーガー 俺がついてる 誘導してやるよ ついて来い
Cited: Top Gun
◎英語メモ
take ~in 受けいれる
all the way 道中ずっと
I’ll take you all the way in. 誘導してやるよ
ニュアンスとしては、パニックを起こしているクーガーが正気を取りもどせるように「ずっと傍にいるから心配するな」という気持ちが込められている。
I Can Hold My Own
マーヴェリックとグースはエリート・パイロット養成機関(通称トップガン)に入所することになる。
パイロットとして抜群の腕をもつマーヴェリックだが自信がありすぎる面もあり、トップガン入所記念パーティで見かけた美しい女性に歌で口説き落とそうとするが軽くあしらわれてしまう。
Charlie: Listen, can I ask you a personal question?
立ち入ったことを聞いていい?
Maverick: That depends.
何だい?
Charlie: Are you a good pilot?
腕のいいパイロットなの?
Maverick: I can hold my own.
自信はある
Charlie: Great, then I won’t have to worry about you making your living as a singer.
よかった、歌手では食べていけないわよ
引用:IMDb
◎英語メモ
one’s own じぶんのチカラ
日本語字幕は、じぶんのチカラでやり遂げられるという意味から「自信はある」という訳になっています。
If The Government Trusts Me Maybe You Could
チャーリーにフラれてしまったマーヴェリックですが次の日に彼女と再会します。なんとチャーリーは、航空物理学の専門家として軍で働いていた民間人教官でした。
マーヴェリックはここでも自信たっぷりにパイロットとしての腕前をつかってチャーリーをデートに誘おうとします。またしても断られるかと思いきや…。
Maverick: I can see it’s dangerous for you, but if the government trusts me, maybe you could.
政府は危険な僕を信用してくれてる 君も
Charlie: It takes a lot more than just fancy flying.
操縦の腕がすべてじゃないわ
引用:IMDb
◎英語メモ
パイロットとしては、アメリカ政府が認めるほどさとうぬぼれた気持ちを強調していますね。たしかに if the government trusts me と国のお墨付きがあればなんだってありという気持ちになるのかもしれません。
You Two Really Are Cowboys
個人のスキルが優れていることは素晴らしいことですが、チームワークの精神がないとそのスキルも発揮できないでしょう。
ここでは、『トップガン』というエリートパイロットを養成する機関で訓練中に規則で禁止されている行動にもかかわらず、それを無視して手柄をとったような口調のマーヴェリックにマーヴェリックにアイスマンが気をつけろと注意するシーンです。
(マーヴェリックとグースが訓練で好成績をあげたということに反論して)
Iceman: You two really are cowboys.
よく言うよ
Maverick: What’s your problem, Kazansky?
疑うのか
Iceman: You’re everyone’s problem. That’s because every time you go up in the air, you’re unsafe. I don’t like you because you’re dangerous.
お前にはみな迷惑してる 安全を考えず 危険をおかす
Maverick: That’s right! Ice… man. I am dangerous.
そうとも アイス…マン おれは危険だ
引用:IMDb
◎英語メモ
cowboy
アメリカ西部開拓時代のなごりなのか「カウボーイ」は「勇ましい」「男らしい」というイメージが残っています。といっても、アイスマンのように嫌味や皮肉として使うが多い。
映画『ダイ・ハード』でも cowboy を「イキがってる」というニュアンスで使っているシーンがあります。
He Would’ve Done It
おまえは勝手だと注意をうけても素直に受け入れないマーヴェリックにも試練の時がきます。家族とさえ思っていた親友グースを事故で失ってしまうのです。じぶんの身勝手さが招いたと悔いても遅かった。
じぶんのせいで事故を起こしてしまったと責めるマーヴェリックは、とても顔向けできないと思いながらも遺品を届けに妻キャロルとこどもに会います。そんなマーヴェリックにキャロルが言います。
Carole: God, he loved flying with you Maverick. But he would’ve done it anyway… without you. He’d have hated it, but he would’ve done it.
彼はあなたがいなくとも飛ぶわ くじけずに飛ぶわ
引用:IMDb
◎英語メモ
would have +過去分詞 ~するであろう
グースは事故で亡くなってしまったので、もうマーヴェリックと飛ぶことはできない。確率が低い可能性を表すときにつかわれる話法です。
Get Back In The Saddle
グールを失った悲しみと自分のせいでグースは事故死してしまったという自責の念からマーヴェリックはすっかり自信をなくしてしまいトップガンの訓練でも集中できない日が続きます。
トップガンの上官たちはマーヴェリックの将来を信じながらも彼の落ち込みぶりを心配しています。
Jester: He can’t get back in the saddle, won’t engage.
奴はガッツを失った
Viper: It’s only been a few days.
とり戻すよ
Jester: You know, he just might not make it back.
それはどうかな
Viper: Keep sending him up.
飛ばすんだ
引用:IMDb
◎英語メモ
get back in the saddle (しばらく離れていた場所に)戻ってくる
saddle 馬に乗るための鞍、自転車のサドル(椅子)
God Help Us
このシーンは、緊急事態に出撃したマーヴェリックがついに自信をとり戻して大きな仕事を成し遂げ英雄になった時のセリフです。軍上層部はこんごマーヴェリックが希望することを受けいれると上官から告げられたときにマーヴェリックは言います。
Stinger: They gave you your choice of duty, son. Anything, anywhere. Do you believe that shit? Where do you think you wanna go?
上層部は君の望む進路をとらせると言ってる
Maverick: I thought of being an instructor, sir.
できれば教官の仕事を
Stinger: Top Gun?
トップガンで?
Maverick: Yes, sir.
ええ
Stinger: God help us.
思いやられる
引用:IMDb
◎英語メモ
God help us. 「良かったな」「うれしいよ」というのがホンネなのに「やれやれ先が思いやられる」とユーモアの気持ちをこめて相手の言ったことを歓迎するとき使う慣用句。
God を使った慣用句というと他に以下のようなものがあります。
・God Only Knows 神のみぞ知る
・God Bless You おだいじに
・For God Sake~ 勘弁してよ
・God Almighty びっくりした~
まとめ
『トップガン』映画のセリフに学ぶ英語フレーズを紹介しました。
主人公マーヴェリックが仕事、恋愛、友情と生きていくうえでさけて通れない道を歩みながら成長していく姿はパイロットという職業でなくとも誰もが経験することではないでしょうか。
それにしても、映画公開から35年以上経つのにトム・クルーズがあまり変わらないのはオドロキです。若々しさを保つよう努力しているのは言うまでもないのでしょうが、なかなかマネできないことですよね。
本記事で紹介したセリフはもちろんのこと、あなたが映画をみて好きなシーンやセリフがあれば、その部分を小さく切りとり、その部分で英語を学んでみてください。映画で英語学習のメリットはシーンとセリフをいっしょに学ぶカタチになるので英語そのものが記憶に定着しやすいところです。
ぜひ映画をチェックして英語学習にも役立ててください。
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