父親としてわが子のよき相談相手になりたい!
しかし、子どもがすぐさま親に心をひらいて相談してくれるかというと、そうもいかないこともあるかもしれません。
ましてや、恋愛のことになると話しにくいのでは…。
本記事では、映画『ラブアクチュアリー』のワンシーンから悩みを抱えているわが子に父親として話しかけるセリフに学ぶ英語フレーズを紹介します。
わが子を心配してワケを確かめようとしたお父さん。しかし、わが子は実はまったく違うことに悩んでいたというオチが面白いところです。
『ラブアクチュアリー』は、ほのぼのとした親子のやりとりを見てみたい、映画を観ながら楽しく英語の勉強をしたいというひとにオススメな映画です。

Company Credits: Universal Pictures, UIP
出典:IMDb
『ラブ・アクチュアリー』わが子を思うお父さんの気持ち
妻を亡くし、夫ダニエル (リーアム・ニーソン) は妻の連れ子サム(トーマス・ランナー)と親子ふたりで過ごしていた。妻の死から立ち直れないでいたダニエルだが、彼にはもうひとつ心配事がありました。
それは義理の息子であるサムの様子です。母親が居なくなったことでふさぎ込んでいるのだろうか。それとも他に何か悩みがあるのだろうか。心配のあまりダニエルはサムにワケを聞いてみたのですが…。
『ラブ・アクチュアリー』映画のセリフに学ぶ英語フレーズ
Can You Give Me Any Clues At All?
悩み事について自分から親に話す子もいれば、まったく相談してくれない子もいるでしょう。
こどもにしてみても親にはかかわって欲しくない話題もあるかもしれません。しかし、監督責任がある親としてはサポートできないか「なにかヒントがあれば教えてくれよ」とねばり強く話しかけています。
Daniel:
So what’s the problem, Sammy? Is it just Mum or is it something else? Maybe… school – are you being bullied? Or is it something worse? Can you give me any clues at all?
ダニエル:
それで何か問題でもあるのかい、サミー? ママのこと?それとも何か別の問題? たぶんだけど…学校でいじめられたとか? もっと悪いことがあった? なにかヒントがあれば教えてくれよ。
引用:IMDb
◎英語メモ
bullied bully 弱い者いじめの過去形
clues (clueの複数形)手がかり
I’m In Love

サムは小さな子どもにしてはしっかりした話し方をしています。答えを聞いても助けることはできないよとお父さんに前置きしてそのワケを語るシーンです。
Sam: You really want to know?
サム:ほんとに知りたい?
Daniel: I really want to know.
ダニエル:ああ、知りたいね。
Sam: Even though you won’t be able to do anything to help?
サム:聞いても助けられないだろうけどいい?
Daniel: Even if that’s the case, yeah.
ダニエル:ああ、それでも構わないさ。
引用:IMDb
お父さんの問いかけにサムは自分がふさぎ込んでいるワケを話します。
Sam: OK. The truth is actually… I’m in love.
引用:IMDb
サム:OK 正直、じつはボク恋してるんだ。
ダニエルは母親が亡くなったことや学校でイジメられているのではと心配してのですが、実は恋煩いだったと聞いてビックリします。
なぜって、ダニエルにしてみればサムはまだ小さなこどもでしかないのに恋に悩んでいるなんて思ってもみなかったからです。
There’s Nothing I Can Do About It

Daniel: Sorry?
ダニエル:なんだって?
Sam: I know I should be thinking about Mum all the time, and I am. But the truth is I’m in love and I was before she died, and there’s nothing I can do about it.
サム:ママのことはずっと思ってるよ。でも、本当のところママが亡くなる前から僕は恋をしているんだ。で、この気持ちはどうする事も出来ないって思ってる。
Daniel: Aren’t you a bit young to be in love?
ダニエル:(ホッとした様子で)恋してるっていっても、少し若すぎないか(笑)
Sam: No.
サム:いや。
引用:IMDb
I’m A Little Relieved

それでも、ダニエルはサムが悩んでいるワケを話してくれたことでホッとするものの、こんどはサムが悩みを打ち明けたのになぜホッとするのか不思議がります。
Daniel: Oh, OK, right. Well, I’m a little relieved.
ダニエル:そ、そうだよな。それにしても、安心したよ。
Sam: Why?
サム:なぜ?
Daniel: Well, you know – I thought it might be something worse.
ダニエル:だってさ、もっと何か深刻な悩みがあるんじゃないのかってさ。
引用:IMDb
◎英語メモ
relieve 解放する
be relieved 解放された、つまり原因がはっきりして「安心した」という意味
Total Agony

サムは、ダニエルが思っているほど子どもではなく、真剣に恋について悩んでいると率直な意見をのべています。
それをあらわす言葉として agony という聞きなれない英単語が出てきます。
agony の使い方は、サムのセリフがお手本になっています。恋をして打ち明けられないのがツライと精神的に苦しんでいる気持ちを言いあらわすのにピッタリなことばです。
子どもにとって恋愛の話なんて恥ずかしいから親には何も言いたくないと思いきや、サムはあっさりと悩みを打ち明けているところに観ているコチラもホッとさせられます。
ともあれ、事情がわかったダニエルはお父さんとしてサムの成長に助けになれるよう協力していくのでした。
Sam: Worse than the total agony of being in love?
サム:恋することより深刻なことがあるっていうの?
Daniel: Oh. No, you’re right. Yeah, total agony.
ダニエル:え、そうだよな。恋ってのは苦しいものだな。
引用:IMDb
◎英語メモ
agony (気持ちのうえで)激しい苦痛、苦しみ
欧米では agony aunt というフレーズがあり、ケンブリッジ・ディクショナリーによると、意味は「人生相談」になります。新聞や雑誌などの掲載されていた相談窓口のコーナーに主に女性が回答していたことから 「aunt 叔母」を組みあわせていました。
まとめ
『ラブアクチュアリー』では、映画のセリフに学ぶ英語フレーズを紹介しました。
ダニエルは父親として息子サムの悩み(このシーンでは恋愛)が解決できるようチカラを貸します。
親子関係がうまく育まれていると思えるのは、ダニエルはサムとなんども会話をかさねてコミュニケーションをとり続けてるところ。そして、サムにいろいろアドバイスしながらもサムを信じて見守っているところです。
『ラブ・アクチュアリー』は、家族で観る映画としては、注意しなければならないシーンもありますが、ストーリーすべてが温かい気持ちにさせてくれる名画です。ぜひチェックして英語学習にも役立たせてください。