人生うまく行かないことが続いたりすると腐りたくなるときもありますよね。
それは生きている以上さけて通れない感情だと思います。
映画『やっぱり契約破棄していいですか!?』は、殺伐としたダークなムードで絶望感がよく描かれている一方、ニヤリと笑えるうえに希望をも感じさせてくれるブラックコメディです。
劇中ピックアップした英語フレーズは日常会話でつかう簡単なフレーズながら、とてもシュールで笑える言いまわしがあるので紹介します。
また、映画は舞台がロンドンということもありイギリス英語(ブリティッシュ・アクセント)がどんなふうに発音されるのかも勉強になります。
『やっぱり契約破棄していいですか!?』あらすじ
青年ウィリアム(アナイリン・バーナード)は小説家をめざすものの誰からも振り向いてもらえず、孤独や絶望感から7回も自らの命を絶とうとしました。ところが7回ともすべて失敗に終わります。
なにをやっても上手くいかないウィリアムですが、橋から飛び落ちて死のうとしたある日殺し屋と称する老人レスリー(トム・ウィルキンソン)に名刺を渡され一週間以内に殺してもらう契約を結ぶことになりました。
ようやく自由の身になれると肩の荷を下ろすウィリアム。すると、出版社から連絡が入り彼の本を出したいというオファーでした。
連絡をしてきたのはキュートな女性編集者エリー(フレイア・メイヴァー)。ひと目惚れしたウィリアムは人生への希望を感じるのでした。しかし、殺しを引き受けたレスリーにとっては納得できない話です。
しかもレスリーにも事情があって暗殺のノルマを達成しなければ英国暗殺者協会?から引退勧告をうけてしまう状況に追い込まれていたのです。
かくして「契約破棄」をめぐって逃げるウィリアムと追うレスリーのふたりは互いの人生を懸けた一週間を必死に追いかけあうのでした。
カタログまである返金保証つきの変わったお仕事
青年ウィリアムは真っ暗な橋の上で名刺をくれた殺し屋レスリーに自分の暗殺を依頼する。レスリーは「なんで死にたいんだ?」とまるでカウンセラーのように質問するとウィリアムはこう答えた。
「あなたは自分が生きる意味とはなにか?生きる価値とは何かって考えたことある?」と聞きました。
レスリーは「そんなこと俺はしょっちゅうある。」と答えます…ここでウィリアムは少し癒されたような顔をします。実はウィリアムは自分ひとりで事を深刻に考え過ぎていたのです。暗殺者とはいえ、自分の話を聞いてくれたことが嬉しかったようです。
暗殺者とはただの銃を持った殺人鬼なんかとはワケが違う!プロフェッショナルな仕事なんだと誇らしげに語りながら「死に方」が選べるカタログをウィリアムに見せながら打ち合わせは進んでいきます。
ウィリアムはお金もないので苦痛をともなわずあっという間に事が済む「Quick & Painless」という比較的安い死に方を選びます。
真剣に殺しの打ちあわせをしているのにカタログがあったり、返金保証があったりと会話の流れが車でも買うような進行具合が笑えます。
美人編集者エリーと出会い「生きる意味」を見いだすウィリアム
レスリーとの暗殺契約も結ばれ、ようやく人生を終わることができると妙な安心しているウィリアムでしたがそこに1本の電話が鳴ります。
受話器をとると相手はウィリアムの小説を出版したいので打ち合わせをしたいという編集者エリーからの電話でした。
ウィリアムは急いでレスリーを探し、まだやることがあるからその間は仕事をしないでほしいと頼みこみます。レスリーは納得するそぶりは見せつつも、その時点で暗殺の計画はできあがっていました。
その後エリーとおち合ったウィリアムは「不満で孤独な人たちにあなたの本はウケるわ。」と言われ、ウィリアムは生まれて初めて自分のことを理解してくれるひとにめぐり会えたのです。
人生を捨てかけていたウィリアムでしたが、エリーに会うなりウィリアムは生きることへの意味を見いだしていくのでした。
『やっぱり契約破棄していいですか』映画のセリフや名言に学ぶ英語フレーズ
Your Money Back
死に方も決まり契約書もむすばれて双方満足気です。このときレスリーが殺しの保証書ならぬものをウィリアムに渡して規約を説明します。
If you are not dead in a week, you get your money back.
一週間たっても君が生きていたら金は返すよ。
引用:IMDb
返金保証というとテレビショッピングでよく聞くフレーズですね。誇らしげに不敵な笑みをみせるレスリーがダークな裏社会で常識的な規約をかたるシーンにどこか温かみのある笑いをもたらしています。
Once-In-A-Life-Time
シュールに笑えるシーンがあります。
エリーと打ち合わせをしていると彼女のボス、ブライアンが現れて3人で話し合うシーン。
ウィリアムは自分が書いた小説が本になるということに半信半疑な様子でしたがブライアンは興奮気味に言います。
This is an great opportunity, mate. Once-in-a-life-time!
凄いチャンスじゃないか君。 一生に一度あるかないかだぞ!
引用:Dead In A Week
けれどブライアンはウィリアムをもてはやす一方で仕事はエリーに丸投げしているので小説の中身は知らないし興味も大してありません。
「ほんとに7回も死のうとしたのかい。」と少し小ばかにしたような態度でなれなれしく話しかけてきます。
おまけに「今どきの奴ってのはだれもが惨めな人生をさらけ出して自分の存在を世間に認めてもらおうっていう輩が多い。」っと、ウィリアムのことも下に見たような感じで迫ってきます。
「俺がそんな奴だったら自分で頭をブチ抜いてるね。」といった瞬間、何かが割れるような音がしたあとブライアンの頭が半分なくなっていました。
そう、ブライアンは暗殺されてしまったのです。
本来なら悲劇的なシーンなのにセリフと頭蓋骨がわれる音やタイミングが絶妙すぎてなんどみても笑えます。
ところでこのOnce-in-a-life-time!というフレーズは映画『バンクジョブ』でも聞くことができます。意味はおなじで、このフレーズがどう使われるのかネイティブの話し方が学べます。
Have A Good Death
ウィリアムは即座にレスリーがどこからか狙撃してきたことに気がつきます。手をふりながらやめてくれと合図するウィリアムですがレスリーはお構いなしに言います。
Have a good death. 達者でな!
引用:IMDb
Have a good day. よい一日を。
この日常英語フレーズを変形させたシニカルな表現で真顔でセリフを決めるレスリーがプロの殺し屋としての雰囲気を表しています。
請け負った仕事はキチンとこなす。プロ意識の強いレスリーでしたが歳のせいか腕が鈍っていて2回とも違う相手を狙撃してしまいます。
Live For (Life)
どうにか狙撃を切り抜けたウィリアムとエリー。しかし、どこまでも追ってくるレスリー。いつまでも逃げたていても何も解決しない。追い込まれたウィリアムは遂にレスリーと向かいあい自分からわきでる本当の気持ちをぶつけます。
I wanted to die because I have nothing to live for. 僕は死にたかったんだ。なぜなら生きる意味を見つけられないから。
And that’s what I was trying to find. But now I’ve found it. 生きるっていくことを探してきたけど、やっと見つけられたよ。
引用:IMDb
◎英語メモ
Live for 「~がとても大事」というフレーズはウィリアムがいつも抱いている「生きる意味とは?」のLifeが隠れています。
つまり、I have nothing to live for (life)(人生において大切なもの)というくだりです。次のフレーズにある now I’ve found it. の「it」もLifeを指しています。
自分が生きている意味なんて何もないんじゃないかとばかり思っていたウィリアムが初めて「生きたい!」と強く思えるときを迎えた瞬間です。
しかし、仕事を完了させないとノルマに到達できず英国暗殺者協会からクビになってしまう。どうしてもウィリアムを始末しないと仕事が終われないレスリーにエリーがある提案をします…。
まとめ
『やっぱり契約破棄していいですか』では、映画のセリフや名言に学ぶ英語フレーズを紹介しました。
売れない小説家と落ちぶれてしまった引退間際の殺し屋・・・立場は違えど実は抱えている問題はふたりとも似たりよったりというところが面白い映画です。
人生なにが起こるかわからない。少々辛いことがあっても考えすぎるな。くよくよせずに精いっぱい生きろよ!というメッセージが伝わってきます。
続きはぜひ動画配信にて楽しんでください。