映画のよさはひとえに仮想体験ができることではないでしょうか。
現実には考えられないような場面に連れていってくれるし、そこでどう考えればいいか想像力をかり立ててくれます。
『ロスト・バケーション』は、サメに襲われた主人公が追いつめられたなかで仲間がいるという心強さやピンチを抜けだすため闘うことを心に決めるさまが描かれていています。
友だちだからこそ言えるようなセリフやピンチでも冷静に相手をみているセリフなどを通して使える英語フレーズを紹介します。

出典:ソニー・ピクチャーズ公式
『ロスト・バケーション』あらすじ
亡き母が教えてくれた秘密のビーチ。医学生のナンシー(ブレイク・ライブリー)は休暇を利用し、ついにそのビーチを訪れる。母に先立たれた父と幼い妹の世話、医師となる為の勉強漬けの日々から解放されるナンシー。そんな彼女の最高の休暇は、一匹の巨大な人喰いザメによって、一転恐怖に支配されることになるー。脚を負傷し、大量に出血しながらも、無我夢中で近くの孤立した岩場に泳ぎ着いたナンシーは、自分が絶望的状況に追い込まれたことを知る。生存へのリミットが刻一刻と迫る中、彼女が選んだ究極の決断とは―。(引用:公式HP)
『ロスト・バケーション』カモメからの感謝

That’s A Terrible Way To Say Thank You
ナンシーはサメに襲われ小さなスペースしかない岩場にたどり着きます。前日知り合った地元サーファーや見知らぬ男が現われるがあえなくサメの犠牲になってしまいます。
もはやこれまでと思いきや、医大生としてのスキルをフルにつかいサメに噛まれてバックリと開いた太ももを自分のネックレスで縫合しはじめます・・・メチャクチャ痛そうな場面です。
また、ナンシーはひとりではありませんでした。岩場にはやはりサメに襲われて飛べなくなったカモメもひと足先に避難していたのです。
カモメは肩を脱臼していて飛べなくなっていました。ここでもナンシーは医学生としてのスキルを発揮して脱臼を治してあげます。カモメは羽を引っぱられたときの痛みからナンシーの指に噛みつきます。
せっかく治療してあげたのになによ!とばかりナンシーが言うセリフです。
That’s a terrible way to say thank you. ずいぶん乱暴なありがとうね。
引用:ロスト・バケーション
◎英語メモ:
that’s a terrible way to ~ ひどいやり方だね
terrible 酷いという意味
to に続く動詞をかえれば「ひどい~だ」という具合に使い勝手のいい英語フレーズです。
例:
That’s a terrible way to cook a miso soup. ひどい味噌汁の作り方だな。
That’s a terrible way to understand. ひどい解釈のしかたですね。
ピンチに立ち向かう決意

I’ve Got You
このままでは生きて帰れないかも…。それほど大変なことになっていながらも生きる強い意志がそうさせるのかナンシーはパニックになりながらも冷静にサメの行動をみているシーンです。
ときが進めば潮が満ちてきてナンシーは岩場にもいられなくなりサメの餌食になってしまう。
イチかバチか30メートルほど先に浮いているブイにたどり着きたいところ。ナンシーはサメがどう自分のそばを旋回するのかストップウォッチで計るのでした。
30秒ほどで旋回しているサメの行動パターンをつかんだナンシーがいうセリフ。
I’ve got you. 動きが読めたわ。
引用:ロスト・バケーション
◎英語メモ:
I’ve Got You 「あなたを得た」ではありますが、これだと意味が分かりませんよね。 ここではサメの行動パターンをつかんだという意味で「動きが読めたわ」となっています。
”to get you” は相手のことが「理解できた」「わかった」という英語フレーズ。
I’m Gonna Fight
いよいよ潮が満ちてきて待ったなしの状況に追いこまれたナンシーがサメの犠牲になったサーファーが身につけていたミニビデオをつかって家族に向けてメッセージを残すシーン。
ナンシーは自分が置かれている状況をしっかりと理解したうえでどうすべきかを語りはじめます。
But I want you to know I’m gonna fight. I am… でも闘ってみせる。
Just like she taught us. You are right. ママが闘ったように。パパは正しい
引用:ロスト・バケーション
母親を救えなかったことや医学生としての自分の未来を見いだせないままだったナンシーですが、サメとの対決が彼女を大きく成長させていることが描かれています。
◎英語メモ:
I’m gonna fight. 話し言葉でいつも出てくる言いまわし。本来は I’m going to fight.
『ロスト・バケーション』は実話?

映画情報サイトIMDbによると、トリビアとして主演のブレイク・ライブリーは実生活でサメに遭遇したことがあったそうです。
Blake Lively revealed in an interview that she is terrified of sharks in real life and that she never saw JAWS (1975).
ブレイク・ライブリーは実際にサメに遭遇したことがあったとインタビューに答えています。
それもあって彼女は決して映画「ジョーズ」は観なかったそうです。
引用:IMDb
『ジョーズ』に出てくるサメも恐ろしかったですが、『ロスト・バケーション』はサメの大きさといい、不気味さといいリアリティがあって圧倒されます。
まとめ
『ロスト・バケーション』サメに襲われ、助けを望めないなか心のより所になったカモメとのシーンやサメの襲撃に立ち向かう決意をあらわす主人公ナンシーのセリフを通して使える英語フレーズを紹介しました。
原題はThe Shallows(浅瀬)というタイトルで、岸は近くに見えるのに辿り着くことは不可能であり、どうやって生き残るかが観ているほうからしても緊張の連続です。
また、サメに襲われてからのナンシーは独りゴトを言うしかない状況でスティーブンと名づけたカモメの話し相手がいたことはどれだけ心強かったことか。
ストーリー前半でのナンシーは、どこか独りよがりで勝手なところがあるように見えます。けれど後半は結果はどうであれ生き抜くと決めたひとりの人間としての成長が描かれています。
人間、追い込まれると本来もっているチカラを発揮できるとつたわってきます。
そういう意味ではナンシーが人間としての成長できたのは、実はサメとスティーブンのおかげと言えるかも知れませんね…。