「これは善いおこないなのか。」「これをしたらただでは済まさない。」という道徳や覚悟を決めた気持ちを英語でどう言えばよいかについて身近に学べる教材はないだろうか。
そんなときは映画のセリフや名言から英語を学ぶことがおススメです。
今回は『ゴッドファーザー』をとおして映画のセリフや名言に学ぶ英語フレーズを紹介します。
『ゴッドファーザー』に出てくるセリフからは次のことが学べます。
- マフィアのボス、ドン・コルレオーネの麻薬にたいする道徳的な考え
- 家族を愛する気持ちや息子になにか起きたときの覚悟を知らしめる言いまわし
マフィア同士の抗争シーンが多い『ゴッドファーザー』は英語学習向けでないと言えばその通りですが、シーンを限定してセリフを学ぶことで英語フレーズが記憶に定着しやすいというメリットがあります。
本記事で紹介するシーンやセリフは通常のビジネスシーンにも出てきそうな英語フレーズや道徳的な考えがあるので、さっそく見ていきましょう。
『ゴッドファーザー』あらすじ
友情と信頼を求めるビトー・コルレオーネ。彼の元には様ざまな人が助けを求めてやってくる。助けを求められれば、相手が立場の弱い、貧しいものであっても親身になって相談に乗ってくれて、問題を解決してくれる。
ビトー・コルレオーネが報酬として望むのは、彼に対し「ドン・コルレオーネまたはゴッドファーザー」という敬意を払った呼び名で呼ぶことだけである。
そしてドン・コルレオーネが声をかけたときはすぐに駆けつけ、恩を返してくれればそれでよいというものであった。
ある日のこと、麻薬による儲け話をもってきたソロッツォという男がコルレオーネ・ファミリーに近づいてきた。
麻薬に手をつけることは儲けの額が大きいビジネスだとしても危険な取引になるとドン・コルレオーネはソロッツォの話を断ったのだった。
その後、コルレオーネ・ファミリーは巨大なマフィア同士の対立、抗争に巻き込まれていく。
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麻薬取引は危険なビジネス
Drugs Is A Dirty Business
このセリフは、ソロッツォがコルレオーネ・ファミリーに麻薬ビジネスの話を持ちかけたシーンからピックアップ。
ソロッツォの企みは、すでに味方につけているタッタリア・ファミリーに加えてコルレオーネ・ファミリーも協力してくれたら相当な稼ぎが得られるし報酬もタップリ払うとコルレオーネ・ファミリーにビジネス提携を申しいれますがドン・コルレオーネは麻薬に関していい顔をしません。
ドン・コルレオーネの考えるビジネス論とはどのようなものなのでしょう。以下のセリフを見てみましょう。
It’s true I have a lot of friends in politics but they wouldn’t be friendly long. |
確かにわたしは政界にたくさんの友人がいる。しかし、ドラッグに関わっていると知ったら彼らはいなくなってしまうだろう。 |
if I was involved in drugs instead of gambling which they regards as a harmless vice, but drugs is a dirty business. |
賭博なら目をつむってくれるが、ドラッグとなると悪どい商売として見なされるし、見て見ぬふりとはいかない。 |
It doesn’t make any difference to me what a man does for a living. But your business is a little dangerous.
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君がどんな仕事をしていうようがわたしには関係ない事だが、君の商売は少し危険だ。 |
a harmless vice |
害のない悪事 |
It doesn’t make any difference |
どちらでもいい |
道理がとおっているゴッドファーザー ドン・コルレオーネ
Drug Business Will Destroy Us
ここでのセリフは、ドン・コルレオーネが招集を呼びかけて集まった5大ファミリーによるマフィアの幹部会でのシーンからのピックアップ。長男を失い、これ以上の抗争はもう止めにしようと意見するドン・コルレオーネ。
ドン・コルレオーネの意見に対して幹部会で議長役のバルジーニが「そもそもドン・コルレオーネが儲けを独り占めにしているから抗争が起きたのだ」と主張します。
ここに出てくるセリフは、マフィアが麻薬をあつかえば結局はじぶんの身を滅ぼしてしまうとドン・コルレオーネの考えをのべるシーンです。
「儲かるからといっても危険なビジネスに手をだすべきではない」と主張するドン・コルレオーネ。悪の社会からのしあがった人物ではありますが、きちんと筋の通った話で幹部会を納得させようとします。
I believe this drug business will destroy us in the years to come. |
麻薬ビジネスを続ければ我々は自らの身を滅ぼすだろう。 |
I mean, it’s not like gambling or liquor or even women, which is something most people want but is forbidden by the church. |
言いたいのは、賭博や酒、女といったものは教会では禁止されていることではあるが、ドラッグは別ものだ。 |
Even the police that have helped us in the past with gambling and other things are gonna refuse to help us when it comes to narcotics. |
賭博なら警察も大目に見てくれたこともある。だが、麻薬となると彼らも黙ってはいないだろう。 |
And I believed that then. And I believe that now. |
それが当時わたしが思っていた事だし、今もそうだと信じている。 |
forbidden |
禁止された forbid の過去分詞 |
narcotics |
薬物、ドラッグ narcotic の複数形 |
これだけは許さない(覚悟を決めた気持ち)
I Do Not Forgive
幹部会でドン・コルレオーネがあらぬ疑いをかけられて海外に逃亡した三男マイケルについて語るシーンです。
「マイケルをアメリカに戻してやりたい」と気持ちをのべると同時に「せがれに何かあったらだだでは済まさない」と幹部会を押さえつけるように高圧的なセリフを放ちます。
では、どんなセリフか見てみましょう。
But I’m a superstitious man. |
だが、わたしは迷信深い男だ。
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If an unlucky accident should befall him, if he should be shot by a police officer, or if he should hang himself in his jail cell, or if he’s struck by a bolt of lightning,
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もし、せがれに偶然不慮の事故が起きたとか、警官に撃たれたとか、ムショで首をつった、または雷に打たれたといったことが起きたら |
then I’m going to blame some of the people in this room.
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その時は、それはここにいる誰かが企んだことだと見なす。 |
And that I do not forgive. But that aside, let me say that I swear on the souls of my grandchildren, that I will not be the one to break the peace we’ve made here today. |
その場合は絶対に許さない。 しかし、それ以外の場合は、孫の魂の代まで今日ここに平和を乱すことは一切しないと誓う。 |
superstitious |
迷信深い |
befall |
降りかかる |
セリフに関して、英語フレーズそのものは案外サラッとした言いまわしです。むしろ、このセリフを日本語吹き替えで聞いたときの方がドン・コルレオーネの言いかたに凄味が利いていてグッと心に刺さるものがありました。
まとめ
『ゴッドファーザー』映画のセリフや名言に学ぶ英語フレーズを紹介しました。
ドン・コルレオーネのドラッグに対する嫌悪感、信念そして家族をおもう親心には悪の世界にいながらもスジの通った人間味ある気持ちが映画の見どころのひとつと言えます。
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