映画(洋画)を観ているとセリフがカッコよく聞こえることがありませんか?
それはセリフそのものが心に響くからということもありますが、実は英語のもつイントネーション(抑揚)からカッコよく流暢に感じることも多々あります。
英会話を学ぶにあたり、たった一語でもイントネーションのカッコよさからすべてを締めくくってくれる英会話フレーズがあると便利ですよね。
そこで、今回はロビイストとして活躍するニック・ネイラーが主人公の「サンキュー・スモーキング」を紹介します。 テンポ感が絶妙な英会話を聞くことができるコメディ映画です。

Company Credit: Fox Searchlight Pictures
出典:IMDb
映画「サンキュー・スモーキング」あらすじ
タバコ研究アカデミーのPRマンをするニック・ネイラーは、厳しさを増すタバコへの攻撃をかわすため連日マスコミの矢面に立って戦い続ける業界の顔。中でも、パッケージにドクロマークを、と息巻くフィニスター上院議員は目下最大の懸案事項。そんなある日、ニックは映画を使ってタバコのイメージアップを図る“スモーキング・ハリウッド作戦”の指揮を任される。一人息子のジョーイを連れ、ロサンジェルスへと渡ったニックは、さっそくハリウッドの大物エージェントと面会、タバコPRのための映画の企画を話し合う……。 (出典:20世紀Fox)
1語で伝わるテンポ感が絶妙!

相手の言っている事に自分ももっともだと思うということを表現するときに使うフレーズとして
Exactly!!
というワンフレーズはシンプルながら流暢に聞こえるので使い勝手が良いです。
If your parents told you that chocolate was dangerous, would you just take their word for it? もし君たちのお父さん、お母さんがチョコレートは危険なものだと言ったら、それをそのまま真に受けるかい。
No. (クラス全員で)ノー!
Exactly!! その通り!!
英会話フレーズ解説
使い方としては、誰かとの会話中に相手が自分の思っている事をぴたりと言い当てたときのリアクションとして使うと会話にリズム感が増して話が更に盛り上がったりします。
フレーズを使った例文
“Exactly!”を使った例を挙げてみましょう。
- 例文①:
When you do writing, do it in the morning because your mind will be fresh then.
書きものするなら朝がいいよ。気持ちがすっきりしてるから。
Exactly.
友だちのちょっとした一言から閃きを得たときにも使えるフレーズです。
- 例文②:
Did you say you want this color of car before?
あなた以前にこの色の車が欲しいって言ってなかった。
Yes, exactly. Thank you for reminding me.
そう、その通り。思い出させてくれてありがとう。
父兄参観シーン字幕
最後に父兄参観シーンでの英会話を書きまとめました。 シーンをくり返し観ることはリスニングに磨きを掛けるうえで役立ちますので、ぜひ全体を通してみて雰囲気をつかみながらリピートして観てください。
担任教師:
Mr. Naylor? ネイラーさん?
担任教師:
It’s your turn. お宅の出番ですよ。
ニック: Ah. はい。
担任教師:
Joey is such a bright young man. ジョーイはとても明るい子なのですが。
担任教師:
We all look forward to his coming out of his shell a little. もう少し自分の殻から抜け出すことを期待しているんですよ。
担任教師:
He’s a bit shy. 彼は少し内気ですね。
ニック:
Yeah, he gets that from his mother. そうなんですよ。そこは母親譲りでね。
ニック: Hey, Joey. ヘイ、ジョーイ。
ジョーイ:Please don’t ruin my childhood. 頼むから僕に恥をかかせないでよ。
ニック:Come on, Joey. Trust me. よせよジョーイ。まかせとけって。
ニック:How many of you want to be lawyers when you grow up?
(クラスに向かって)この中で将来弁護士になりたい人は何人いますか?
ニック:Right. なるほど。
ニック:How about…movie stars? では、ムービースターになりたい人は?
ニック:How about lobbyists? それじゃあロビイストになりたい人は?
男子生徒:
What’s that? なにそれ?
ニック:It’s kind of like being a movie star. It’s what I do. 映画スターみたいなものだけど、私がやっている仕事です。
ニック:
I talk for a living. わたしは話をすることを仕事にしています。
男子生徒:
What do you talk about? 何について話しているの?
ニック:
I speak on behalf of cigarettes. 私は煙草について話しています。
女子生徒:
My mom used to smoke. She says that cigarettes kill. わたしのママは昔たばこを吸っていたけど、煙草は毒だって言っているわ。
ニック:
Really? Now, is your mommy a doctor? ほんとかい。ママはお医者さん?
女子生徒:
No. いいえ。
ニック:
A scientific researcher of some kind? 科学研究者か何か?
女子生徒:
No. いいえ。
ニック:
Well, she doesn’t exactly sound like a credible expert, now, does she?
そうかぁ。それじゃママの言っている事は本当かどうかわからないよね。
女子生徒:・・・
ニック:Don’t feel bad. 気にしないでね。It’s okay to listen to your mom.
ママの言うことを聞くことは良い事だよ。
ニック:
I mean, it’s good to listen to your parents… Joey. 両親の言うことはよく聞かないとね。だろ、ジョーイ。
ニック:
All I’m suggesting is that there will always be people trying to tell you what to do and what to think. 私が言いたいのは、こうしなさいとか、こう考えなさいと言おうとする人たちはどこにでもいます。
ニック:
There probably already are people doing that. Am I right? ここでだって(学校)そういう人たちがいると思うけれど、皆さんそうは思いませんか。
生徒達:
Yes. はい。
ニック:I’m here to say that when someone tries to act like some sort of an expert, You can respond, “Who says?”
ここで言いたいのは、何かしらの専門家みたいに振る舞ってくる人がいたらこう返すといいですよ。「それは誰が言ったの?」
男子生徒:
So, cigarettes are good for you? それじゃあ、煙草は良いモノなの?
担任教師:
No! 違いますよ!
ニック:
No, that’s not… That’s not what I’m getting at. 違うちがう、わたしが言っているのはそう言うことじゃない。
ニック:
My point is that you have to think for yourself. わたしが言いたいのは、みんなに自分自身で考えてほしいということです。
ニック:
You have to challenge authority. 権力のあるものに対して説明を求めるくらいじゃなきゃダメさ。
ニック:
If your parents told you that chocolate was dangerous, would you just take their word for it?
もし君たちのお父さん、お母さんがチョコレートは危険なものだと言ってきたら、それをそのまま真に受けるかい。
生徒達:
No.
ノー!!
ニック:
Exactly!!
その通り!!
ニック:
So perhaps instead of acting like sheep when it comes to cigarettes, you should find out for yourself. だから煙草は毒だと言われたからといって鵜呑みにしないで、自分で真実を見つけるべきだよ。
担任教師:
Okay, then. Thank you, Mr. Naylor, for joining us. (慌てて遮るように)はい、ここまでで結構です。ミスターネイラーさん、参加くださってありがとうございます。
いかがでしたでしょう。主人公ニックが少女にいうセリフはわかりやすく質問しながらもモノゴトの本質を伝えています。
ニックは他にも荒々しい表現をすることなくしっかりと相手の意見を打ち負かしていくシーンがあります。自分の子供ジョーイとのやり取りでさえディベートになってしまいがちで、相手の問いにどう向きあうかというところが面白おかしく学べます。
この映画はスクリプト(セリフ全文)が出版されているので、映画を観ながら「あれっ、ここは何て言ってるんだろう?」という箇所があったとき教科書的な存在になるとおもいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。大人がこうだと決めたから子供たちも単に真に受けたりせず、それはもともと誰が言ったことなのか、そしてどうしてそうなのか。
自分で考えることで言葉の持つ本当の意味を噛み締めてくださいというメッセージが映画に込められています。それにつけても、子供たちを焚きつけるときの言い回しはとてもパワフルな感じがして笑いとたくましさを感じました。