泣ける映画の定番!『パーフェクト・ワールド』に学ぶ英会話

アラスカ ドラマ

初対面にもかかわらず、お互いにどこか気の合う、相性のよい人と出会うことがありませんか。

そんなときは、他愛ない会話でも盛り上がってしまいそうです。

映画『パーフェクト・ワールド』にも、一見何の共通点もないようでいて、ストーリーを追うごとに、お互いに分かり合える間柄になっていく様がみれます。

泣ける映画として常にトップランクにいる『パーフェクト・ワールド』

映画のセリフや名言をとおして

  • おたがいの共通項を語りあう
  • おさえられていた気持ちを解放する

こういった気持ちを表すときつかえる英話フレーズを紹介します。

Production Companies
Warner Bros.
Malpaso Productions
出典:IMDb

『パーフェクト・ワールド』ストーリー(ネタバレあり)

1963年、テキサス州。ブッチ・ヘインズ(ケヴィン・コスナー)は、アラバマ刑務所から同じ囚人のテリー・ピュー(キース・サセバージャ)と脱走した。途中、8歳の少年フィリップ(T・J・ローサー)の家に押し入った2人は少年を人質に逃亡するが、ブッチはフィリップに危害を加えようとしたテリーを射殺する。すぐに厳重な警戒線が張られ、州警察署長のレッド・ガーネット(クリント・イーストウッド)が陣頭指揮に当たった。レッドはブッチが10代のころ、彼の更生のためを思って少年刑務所に送った当人だった。だが、ブッチはそれを契機に犯罪の常習犯となり、ついには脱獄するまでに至った。レッドは、そこまで追い込んだのは自分だと強い悔恨の念にかられ、是が非でも自身の手で捕らえねばと思っていた。犯罪心理学者のサリー(ローラ・ダーン)が同行することになり、彼女はレッドの独自の捜査に反発しつつも次第に彼にひかれていく。一方、一人前の男として接するブッチにフィリップは親しみと友情を覚え、彼のほうでも少年が気に入った。 父親を知らずエホバの証人の信者である母親のもとで、宗教上の厳しい戒律から年ごろの男の子の楽しみは何一つ与えられずに育ったフィリップ。少年に自分に似たものを感じたブッチは、ハロウィンやローラー・コースターなどフィリップのささやかな望みをリストに書かせ、ひとつずつ実現させる。母と自分を残して二度と帰ってこなかった父がたった1度よこしたアラスカからの絵ハガキを大事にしまっていたブッチは、「小さな相棒」を連れてかの地を目指す。車の中で眠っていた彼らにマックという男が声をかけ、一人は彼の家に泊まった。翌朝、フィリップやマックの孫と戯れるブッチは、小さな幸せを感じる。だが、ラジオで脱獄囚のニュースを聞き、危険を感じたマックが彼から引き離そうとするあまり孫を突き飛ばしてしまうのを見て逆上する。優しい表情から一変して「孫を愛していると言ってみろ」と、狂気につかれたようにマックを脅すブッチ。フィリップはそんな姿を見てたまらず、銃で彼を撃つ。その時、捜索隊が到着し、彼らを包囲した。レッドの説得に、ブッチはフィリップに別れを告げ、少年を引き渡そうとする。だが、誤認したFBI捜査官の銃弾が容赦なくブッチの胸を貫く。その手には、あの絵ハガキが握られていた。 (出典:映画.com)

『パーフェクト・ワールド』セリフや名言に学ぶ英語フレーズ

A Perfect World (1993)
Kevin Costner and T.J. Lowther in A Perfect World (1993)

無邪気な気持ちにさせてくれる英会話フレーズ

子どもでも大人でも緊張している時と言うのは何を言われても頭に入ってこないものではないでしょうか。そんな時にひと言でも気の利いたことを言われると、なぜかしら心が落ち着いて緊張がほぐれることがあります。

凶悪犯ブッチと誘拐された子供フィリップの間にも互いの緊張感がほぐれるシーンがあります。

フィリップはブッチに対して亡くなった父親を思い浮かべ、ブッチはフィリップに自分が父親にして欲しかったように、そして自分の子供に接するようにふたりの距離は徐々に縮まっていきます。

お互いの境遇を語るフレーズ

 “Me and you got a lot in common Phillip. Both of us is handsome devils, we both like RC Cola, and neither one of us has got an old man worth a damn…. Guys like us, Phillip, we got to be on our own.”

俺たちはいろいろと共通点があるなぁ、フィリップ。ふたりともハンサムだし、RCコーラが大好き、ふたりともロクな親父がいないってところが似てるよ…俺らみたいな奴らはな、フィリップ、自分でなんとか生きていく他ないんだよ。

引用:IMDb

◎英語メモ:

in common 共通に

RC Cola (正式名はローヤル・クラウン・コーラ)コカ・コーラ、ペプシ・コーラに次ぐ第三のコーラブランド。日本での歴史も長いが既にライセンス契約は終了しており店頭で見かけることはなくなった。

an old man 直訳では「老いた男」となるが、先輩に対して皮肉った呼び方をしたり、父親を呼ぶときに使われることが多い。

気持ちを静めてくれるジョークのようなフレーズ

A Perfect World (1993)
Kevin Costner and T.J. Lowther in A Perfect World (1993)

ブッチ: 

Hey, you ever ridden in a time machine before?

フィリップ、おまえタイムマシンに乗ったことあるか。(フィリップはそんなものないと言わんばかりに首を振ります。)

ブッチ:

Well sure you have, what do you think this is?

いいや、乗ったことがあるさ。これがなんだかわかるか?

フィリップ:

A car.  車だよ。

ブッチ:

You’re looking at this thing bass-ackward, this is a twentieth century time machine. I’m the captain, your the navigator. Now out there that’s the future. Back there, well that’s the past.

If life’s moving too slow, you wanna project yourself into the future just step on the gas right here.

おまえは間違ったモノの見方をしてるぞ。これはなぁ、20世紀のタイムマシンなんだ。俺はキャプテン、おまえはナビゲーターだ。この先に見えるのは「未来」だ。それから後ろの方に見えるのは「過去」。

生きていくのがゆっくり過ぎるって感じたら、このアクセルを踏み込んで未来に向かって前進していくんだぞ。

引用:IMDb

◎英語メモ:

bass-ackward  あべこべ、間違ったみかた

例文訳文
No dude, that’s not the way it is. You plugged in computer cables all bass-ackward.ちがうよ旦那、そうじゃないって。コンピューターの配線があべこべになってるよ。

車をタイムマシンに見立てて未来と過去について語ったブッチですが、車を走らせる前に一言フィリップに言います。

ブッチ:

This is the present Phillip, enjoy it while it lasts.

ここはいま現在だフィリップ。いまあるこの時を満喫しておけよ。

引用:IMDb

present 現在
last 続く(動詞)

センテンスだけ見ると特別なことを言っているとは思えませんが、映画のワンフレーズとして重みがあります。

人生もいつまでも永遠に続くものではない。だから、生きてるうちは目いっぱい楽しんでおけよ、という教えがあるからと思います。

「いまあるこの時を謳歌しておけよ。」というフレーズは劇中のセリフに限らず、楽しくて最高の時でも辛くて我慢がいるときでも両方に使えます。

ひとり言でもいいし、誰かと話している時に共有したい話題でも使えます。

抑えられていた気持ちを解放してくれるフレーズ

A Perfect World (1993)
Kevin Costner and T.J. Lowther in A Perfect World (1993)

逃亡を続けるブッチはフィリップに今まで何が楽しかったのか話しかけます。聞くと、フィリップの家系は エホバの証人の信者 なのでクリスマスもハロウィンも祝ったこともなく、ローラコースターに乗ったり、綿あめを食べたりしたこともないと聞きます。

ブッチ:

You know, Phillip, you have a goddamned red, white and blue American right to eat cotton candy and ride roller coasters.

あのなあ、フィリップ、おまえには綿あめを食べたり、ローラコースターに乗ったりするアメリカ人としての権利があるんだぞ。

フィリップ:

 I do?  ほんと?

ブッチ:

 Hell, yes, you do!  そりゃそうさ!

引用:IMDb

アメリカにいるんだから宗派などどうでもよくて、アメリカといえば、ローラーコースターや綿あめを楽しむのは当然の権利だとブッチはフィリップを励ましています。

理屈はどうでもいいから、まずは楽しめよという雰囲気が伝わってきて悪人であるはずだったブッチがとても良い人に見えてきます。その空気を感じてフィリップもブッチに心を開いていきます。

まとめ

A Perfect World (1993)
Clint Eastwood, Laura Dern, Leo Burmester, Jennifer Griffin, Woody Watson, and Bradley Whitford in A Perfect World (1993)

映画『パーフェクト・ワールド』では、映画のセリフや名言に学ぶ英語フレーズを紹介しました。

脱獄犯と人質の少年との交流、そして男を追う警察署長の苦悩を描いた犯罪ドラマ。公開された当時、ケヴィン・コスナーとクリント・イーストウッドの初顔合わせと言うのが話題でした。

なにかに抑えられていた気持ちを解放された時の人間は元もと持ちあわせていた逞しさをとり戻すさまは共感できるひとが多いのではないでしょうか。

人の心の本質は何年たっても変わらない…そんな余韻の残る名画です。ぜひ映画を観て英語学習にも役立ててください。