英会話を勉強していて「ネイティブの英語は早くて聞きとれない…もっと、英語が聞きとれたらいいのに。」と感じることがあるのではないでしょうか。
たしかにヒトによってですがネイティブの英語はものすごく早くて、話していることを理解するどころではないかもしれません…。
そうした方が英語のリスニングに親しむために映画のセリフや名言を聞くことがオススメです。
今回は、アニメと実写がいっしょになった映画『トムとジェリー』のセリフから英語フレーズを紹介します。
『トムとジェリー』というと大人からこどもまでどの世代にも知られているアニメですよね。
記事の後半では、実写のヒロインとして登場するケイラ役のクロエ・グレース・モレッツがどういった気持ちで映画に取りくもうと思ったのかというインタビュー・トークもとりあげました。
正直、クロエの英語はものすごく早いです。はじめはそのスピードに圧倒されるかもしれませんが、リスニングを鍛えるすばらしい教材になります。
では、さっそく見ていきましょう!

出典:IMDb
『トムとジェリー』あらすじ

引用:MIHOシネマ
『トムとジェリー』英語版の映画でセリフをつかって学ぶ英語フレーズ

『トムとジェリー』の舞台となるのはいろいろな人種、ことば、文化が混ざりあうニューヨーク・シティ。ネイティブの英語はもちろん、さまざまな英語のアクセントが聞ける!
We Will Be Ruined

ホテルのイベントマネージャーであるテレンスは、ニセの履歴書をつかってホテルで働くことになったケイラが気にいらない。
しかし、近くおこなわれる有名セレブの「世紀の結婚式」を成功させればホテルに高評価がつくのでしぶしぶ我慢します。
テレンスにとって頭痛のタネは、ネズミのジェリーにホテルをウロチョロされて悪いウワサが広まってしまうこと。
だからこそテレンスはケイラにジェリーがもたらすリスクについて言いきかせます。
Terence: Okay. I need you to understand the sensitivity of this matter.
テレンス:いいか、これから言うことの注意点をよく理解してくれよ
Kayla: Yes
ケイラ:わかりました
Terence: If a picture of this mouse is tweeted up to insta-book-face or the ticky-tock, we will be ruined.
もし、このネズミの写真がツイートされたり、インスタやらFacebookもしくはTickTockにでもあがってみろ、オレたちは終わりだぞ
引用:IMDb
◎英語メモ
we will be ruined. 直訳すると「わたしたちは破滅するだろう。」となります。
字幕セリフではストーリーの前後関係からイベントの前にネズミのジェリーがいるなどとSNSで拡散されたらホテルの評判はガタ落ち。
そして、テレンスもケイラも管理が悪いとクビになってしまうから「オレたちは終わりだぞ」となっています。
Walkie Talkies

ケイラはニューヨークで成功することを夢みて仕事につくも、いつも運わるくクビになってしまいます。そこで優秀な履歴をもつ他人になりすまして「世紀の結婚式」の準備で人手がいる高級ホテルの臨時スタッフの仕事にありつきます。
カッコいい制服とムネにちいさい無線機をつけ、仕事がもらえたことが嬉しくてたまらないケイラ。おもわず自分がテレビドラマにでも出ているつもりでテレンスからの呼びかけに応答します。けれど、ここでもテレンスに怒られてばかり。
Terence: Don’t say ‘over’, this isn’t Star Trek.
テレンス:「オーバー」なんてつかうんじゃない スター・トレックじゃないんだぞ
Kayla: [whining] That takes all the fun out of it, what’s the point of walkie talkies then?
ケイラ:(ボヤく感じで)それじゃ無線機つかった楽しみが台なしじゃない
引用:IMDb
◎英語メモ
walkie talkies 無線機 ウォーキー・トーキー
what’s the point of walkie talkies
「せっかく無線機をみにつけているのだから「スタートレック」みたいに連絡とりあわなかったら意味がないじゃない」というニュアンスでつかわれています。
Millennials

ホテルの面接でケイラの履歴書はすばらしかったものの、本当はウソのかたまりだと見破ったテレンスがケイラにいうセリフです。
ここでは millennials という単語が出てきます。
Terence: I know who you are.
テレンス:お前がだれだかわかったぞ
Kayla: [frozen with fear] Who am I?
ケイラ:(凍り付いた感じで)だ、だれかしら?
Terence: You’re one of those millennials who thinks you can get whatever you want without working for it, with free shipping.
テレンス:お前らミレニアル世代は働きもしないのに、なんだってタダで手にはいるとおもってる
Kayla: [slowly recovering] Well, who doesn’t like free shipping?
ケイラ:(少しづつ開きなおる感じで)あら、それのどこがイケないの?
引用:IMDb
◎英語メモ
millennials をWikipediaで調べてみると、Yジェネレーションやミレニアル世代とあり1980年前後から2005年あたりに生まれた世代のことを指しています。
1980年生まれをとってみると、21歳になる2001年は新世紀元年(ミレニアム)といわれ、インターネットやITの環境に馴れ親しんでいる最初の世代になるわけです。
ケイラを演じているクロエ・モレッツも1997年生まれということで、まさしくミレニアル世代ですね。
因みに、ミレニアル世代の次のZ世代は近いようで微妙に違うみたいです。違いはテクノロジーにあるようで、ミレニアム世代はテクノロジーの発展と共に成長。Z世代は完成したテクノロジーと共に生きている違いがあるのだとか…。
セリフの話しにもどると、旧世代のテレンスからみるとケイラのような楽して暮らしているようにしか見えない連中を「millennials ミレニアル世代」とあきれ気味に呼びます。
This Is So Detailed

でっち上げの履歴書のおかげでまんまとホテルで働けることになったケイラ。テレンスからの指示でホテルでネズミのジェリーを捕まえるためにネコのトムを雇いいれます。
ホテルの廊下にあやしいトビラがあると知らせをうけ、ケイラはトムとチェックしに行きます。すると、すずしい顔してトビラからでてきたジェリーはケイラにカードをわたすのでした。
このシーンでのケイラのセリフは、ティーンエイジャーがつかう若者コトバです。映画と一緒にセリフを聞いてみてください。
[after Jerry hands her his tiny ID] Oh, wow! This is so detailed.
(ジェリーがケイラに小さい履歴書をわたしたところ)なによこれ! 細かいわね
引用:IMDb
◎英語メモ
This is so detailed.
字幕を読むと「細かいわね」と訳されています。
若者コトバは、so を使ってサクッと強調することが多いです。
例えば、「He is so whatever. 彼ってホントどうでもいい(存在)よね。」という具合。
whatever は「なんであれ」という意味ですが、ここでは「どうでもいい」というニュアンスを so~ をつかって2語で「どうでもいい存在」を表しています。
ですから、ジェリーのカードをみたケイラのセリフも 本当なら
Your resume has so much information.
履歴書にあれこれ書き込んでるね。
という気持ちだと思いますが so detailed と手短に感想をのべている感じです。
あくまでも仲間うちでつかう言い回しですが、思っていることをサクッと言うときに便利なフレーズなので練習してみてください。
クロエ・グレース・モレッツの語る『トムとジェリー』
ケイラ役のクロエ・グレース・モレッツは、バラエティ番組で『トムとジェリー』を知らない世代にも伝えていきたいと話ています。
クロエの英語は、途切れない口調で話すうえにスピードも速いので聞きとるのは大変ですが、名言といえる英語フレーズもあるのでクロエがどう話すか聞いてみましょう。
I really jumped at the opportunity to not only bring this piece back into the modern day but also to be able to do this live action, you know.
わたしにとって『トムとジェリー』は、ただむかしのアニメを現代にもってきましたというだけでなく、(人間による)イキイキしたところも見せられると作品だとおもいました。
Plus, the animation kind of world similar to Roger Rabbit which I grew up with as well.
わたしが小さいころ観ていた「ロジャー・ラビット」にちかい感じです。
And introduce it to young kids that have never seen “Tom and Jerry” in at all.
それで『トムとジェリー』をみたことがない若いこどもたちにも知ってもらえると思ったからです。
引用: The Drew Barrymore Show (0:48-1:07@YouTube)
◎英語メモ
this piece 「この作品」→『トムとジェリー』
Roger Rabbit ロジャー・ラビットは1980年代に人気のあった実写アニメ
クロエが小さいころによく観ていたことをインタビューでも語っています。
ロジャー・ラビットに興味があるかたはコチラ
まとめ
『トムとジェリー』から映画のセリフや名言に学ぶ英語フレーズを紹介しました。ドタバタとケンカしながら追いかけっこをするトムとジェリーは大人から子供までさまざまな世代を楽しませてくれます。
クロエ・グレース・モレッツが演じるヒロインとトムとジェリーの間でかわされる英語のセリフがとてもスムーズでアニメと実写のスキマを感じない人間味あふれる映画ではないでしょうか。
本記事では、クロエのセリフやインタビューでのコメントをいくつかとりあげました。ネイティブの話す生の英語はスピードが速くてはじめて聞いたときはサッパリわからないかもしれません。
しかし、英語はなんども聞くことでリスニングの耳が鍛えられてきて聞きとれるようになります。
家族で楽しめる映画『トムとジェリー』、ぜひチェックしてリスニングなど英語学習に役立たせてください。
『トムとジェリー』UNEXT