映画でよかったシーンは動きやセリフによって印象づけられます。感動したり、ビックリしたり、怖かったりといったシーンは忘れないものです。
そこで英語を学ぶのに効果的なひとつとして映画のタイトルや名言に学ぶ英語フレーズを紹介します。
今回は紹介する映画『ドリーム』は、初心者の方から中級者の方まで映画を楽しみながら英語を学べる作品です。
まだコンピューターもなかった1960年代初頭のアメリカではじめて宇宙ロケットに人間を乗せ宇宙飛行を成功させたマーキュリー計画がストーリーの背景になっています。そして、NASAのもとで計画を支えた黒人女性3人の話が描かれています。
NASAという特殊な職場ながら、仕事と家庭のバランス、能力に関係なく性別で区別されてしまう社会、アタマにくる職場でのあつかい、そして人種問題…はたらく人なら共感できるシーンがいくつもあり興味がつきません。
映画にでてくるセリフからはネイティブがどのように英語を話すのか、シーンごとに出てくるフレーズは記憶に残りやすいし、まさに生きた英語が学べます。
映画をみた後には、ヒロインたちがどのようにして困難をのり超えたかがわかり、生きることへの元気をもらえることでしょう。
『ドリーム』あらすじ
引用:MIHOシネマ
『ドリーム』映画のタイトルや名言に学ぶ英語フレーズ
Hidden Figure
映画のオリジナル・タイトル: “Hidden Figures”
このタイトルは次のような意味があります。
- 「知られざる(秘密の)ひとたち」
- 「(いままで思いつかなかった)隠された未知の数値」
映画の邦題タイトル:『ドリーム』
オリジナル・タイトルと照らしあわせて、邦題タイトルの背景にはNASAの宇宙計画で計算係として未知の数値を追いながら宇宙飛行の実現という夢(ドリーム)に貢献した黒人女性たちの知られざる活躍があったこと。
そして人種差別や性別による偏見に関係なく仕事ができる社会への夢(ドリーム)が込められていると考えられます。
◎英語メモ
hidden
hide「隠れる」「秘密にする」の過去分詞
figure
名詞として「数字」「人物」「形」
動詞としては「思う」「予測する」「計算する」という意味
Separate And Equal Are Two Different Things
キャサリンの同僚であるドロシー・ヴォーン(オクタヴィア・スペンサー)はNASAで非白人の計算係が集まる部署で仕事をしています。
将来、コンピューターが導入されたら仕事を失うかもとプログラミングの勉強しようと図書館に行きますが非白人用の棚には探している本がありません。
子どもたちを連れて白人用の棚で探していると、厄介事はゴメンだと追い出されてしまいます。
ドロシーは差別の現実となにが正しいことなのかを子どもたちに言いきかせます。
Dorothy Vaughan: Separate and equal are two different things. Just ‘cause it’s the way, doesn’t make it right, understand?
分離と平等は別物よ いまの社会が正しいわけじゃないの わかった?
Dorothy Vaughan: If you act right – you are right. That’s for certain.
正しいことをする人が正しいのよ
引用:IMDb
To Be The First
キャサリンのもうひとりの同僚であるメアリー・ジャクソン(ジャネール・モネイ)もまた優秀な女性であり航空技術者になりたいと思っています。
そのためには白人しか入れない高校で学位をえることが必要です。
メアリーはこの差別に立ちむかうため裁判所に請願を申しいれ裁判官にじぶんの思いをつたえるのでした。
Mary Jackson: I plan on being an engineer at NASA, but I can’t do that without taking them classes at that all-white high school, and I can’t change the color of my skin.
わたしはNASAの技術者をめざしています それには白人の受講が必要 でも肌の色は変えられません
So I have no choice, but to be the first, which I can’t do without you, sir.
だから前例になるしかないのです 判事のお力が必要です
Your honor, out of all the cases you gonna hear today, which one is gonna matter hundred years from now? Which one is gonna make you the first?
判事 今日処理する案件が100年後も意義があるのは? あなたが前例になれるのは?
裁判官の裁量によりメアリーは入学許可をとりつけます。
じぶんの思いを相手に通じさせるためには前もった準備が欠かせないということを教えてくれるシーンです。
There You Have It
Al Harrison: There you have it.
これでいい
引用:IMDb
ハリソン部長が非白人用と書かれたトイレの看板をたたき壊すシーンでのセリフです。
いきさつは人種差別が関係していました。
ハリソンが仕事場をチェックするとキャサリンがいないことが多いのでどうして席を外していることが多いのか問いただすとキャサリンはいままでの不満や怒りを爆発させます。
実際、キャサリンは優秀な数学者なのにまわりからの扱いはヒドイものでした。
トイレは遠い、コーヒーポットも白人用と別けられじぶんのポットはいつも空、服装もじぶんの給料では買えないような要件ばかり。
Katherine Johnson: There are no colored bathrooms in this building, or any building outside the West Campus, which is half a mile away. Did you know that?
このビルには非白人用のトイレがありません。800メートル先の西エリアにしかない
ご存じでした?
引用:IMDb
ハリソンは非白人と書いてあるトイレの看板を叩き壊してトイレに人種は関係ない、どれでも好きなのをつかってくれとキャサリンの気持ちを汲んだことで問題がひとつ片付いたシーンです。
“There you have it.” は日常英会話でよくつかわれるフレーズです。たとえばパソコンの使いかたを教えてほしいときかれたとしましょう。
やり方を教えてあげて相手が理解できたタイミングでこのフレーズを言うと
「お望みのものは手にはいったでしょう=これでいい」
とつたえることができる決まり文句です。
You Just Have To Act Like One
キャサリンには直属の上司ポール・スタッフォード(ジム・パーソンズ)がいます。しかし、ポールは書類の重要事項はマジックで見えないようにしたり、キャサリンから会議に同席させてほしいと言われても受けつけようとしません。
何度となく言いあいになるふたりをみて本部長のハリソンは何ごとだと言ってきたタイミングでキャサリンは自分は会議に同席したいし適任であるとハリソンに言います。
ポールは民間人が国防総省の会議にでるなどありえないと受けつけません。
ハリソンはいい加減にしてくれと言わんばかりですが、ついにキャサリンの話を受けいれます。
そこでのセリフがコレ。
Al Harrison: Within these walls, who… who makes the rules?
ここでルールを決めるのはだれだ?
Katherine Johnson: You, sir. You are the boss. You just have to act like one, sir.
本部長です 責任者らしい行動を 失礼
引用:IMDb
You just have to act すぐにでも行動しなさい
キャサリンはなかなか前に進めないイラ立ちもあってハリソン部長に説教しているような言いかたをしてしまい、sir をあと付けして「失礼」とわびています。
まとめ
『ドリーム』では、映画のタイトルや名言に学ぶ英語フレーズを紹介しました。
NASAという特殊な職場でヒロインたちが仕事場や生活でうける差別や偏見という壁にどう立ち向かっていくかを観ていると、どんな職業であれ働く人なら共感できるのではないでしょうか。
映画にでてくるセリフからはネイティブがどのように英語を話すのか、シーンごとに出てくるフレーズは記憶に残りやすいし、まさに生きた英語が学べます。
ぜひ『ドリーム』をチェックして英語学習にも役立たせてください。
こちらの記事もオススメ