大きなチカラを手にいれるためには冷静さと冷酷さがなくては乗り切れない…。
政治用語が学べる映画『スーパーチューズデー~正義を売った日』は、アメリカ大統領選挙で勝つためにじぶんの立場をいかに有利にもっていくか企むシーンがわかりやすく描かれています。
アメリカ大統領選挙のなかで実際によく聞くジンクスや勝つための作戦を話しあうシーンでのセリフをとおして政治用語が学べる英語フレーズを紹介します。
『スーパーチューズデー~正義を売った日』 あらすじ
引用:MIHOシネマ
『スーパーチューズデー~正義を売った日』政治映画に学ぶ英語フレーズ
The Ides Of March 3月15日
idesとは古代ローマの暦であった3月、5月、7月、10月の15日を指しています。これら以外の1月、2月、4月、6月、8月、9月、11月、12月では13日が ides にあたる。(引用:Weblio)
アメリカ大統領選候補者にとってThe Ides of Marchはとても重みがあるフレーズです。
なぜなら、3月15日は大統領選の候補指名者を決める予備選挙になるので、ここでの勝利がその後の選挙に大きく影響します。
The Ides of March を更に調べてみると関連した政治用語として“Beware the ides of March”(3月15日を警戒せよ)があります。
これはシェイクスピアの書いた「ジュリアス・シーザー」でシーザーが暗殺される政治悲劇が元になっていて、一寸先はヤミという政治の世界を表しています。
As Goes Ohio So Goes The Nation オハイオを制する者は国を制す
As goes Ohio, so goes the Nation.
オハイオを制する者は国を制す
引用:The Ides of March
◎英語メモ:
As goes Ohio, so goes the Nation.
アメリカ大統領選におけるジンクスとして1964年以来馴染みのフレーズで、一語を強調することで大事なことを手みじかにつたえている。
「go」をくり返すことで「オハイオを制する者は国を制す」と強調している。
ここでの「go」は「(演説が)通る=受け入れられる」というニュアンスで
「オハイオでの遊説が受け入れられたら全米に勝利したも同然だ!」
という意味です。
由来はオハイオ州がアメリカの産業や人種構成が集約されていたことからきています。いまはラストベルトと言われるくらい錆びれてしまったムードが漂っている地域です。ちなみに、2016年の大統領選挙でもオハイオ州が選挙のゆくえを左右しました。
Endorsement 支持
『スーパーチューズデー』選挙戦略を話すシーンでのセリフ
オハイオ州でのモリス陣営は敵陣といい勝負をくり広げいていましたが、選挙をより有利にもっていくためにオハイオ州にこだわらずノースカロライナ州のトンプソン知事からの支持を得れば勝利は目前だと説明します。
しかし、モリスはトンプソンとは政治に対する考えがまるであわないと承諾しません。
モリス:
I can’t run from Ohio. They’d kill us
オハイオ州は落とせん
ポール:
Gov. If we loose Ohio and they get Thompson’s delegates…then they get North Carolina.
知事 オハイオを逃せば敵はトンプソンの票をさらっていきますよ…つまり、ヤツらはノースカロライナも押さえるということです
引用:The Ides of March
トンプソンが持っている切り札、つまり議員票をモリスに集めることができれば大統領選に勝利する確率はあがる!
選挙参謀ポールとしてはモリスを説得してひと山越えたいところです。
ポールはモリスの政治理念がトンプソンとあわないことは承知で現実的な話をもちかけてモリスを説得にかかります。
ポール:
Then they get the lead.
ということは 主導権を奪われる
A lead we can’t beat.
致命的なリードになります
Take his endorsement and the race is over.
(トンプソンの)知事の支持を得られたら勝負あったようなものですよ
引用:The Ides of March
◎英語メモ
定冠詞の使い分け:
Then they get the lead. ここで「冠詞 the」 を使うのはオハイオ州での主導権という特定のことを話しているため。 対して、次のセリフ A lead we can’t beat. は主導権が多岐にわたって起こるので特定できない「冠詞 a」が使われています。
The Big Leagues 大統領選
スティーブンはモリス選挙陣営でインターンのモリーと仲良くなりますが、選挙にダメージを与えかねないスキャンダラスな話を彼女から聞きます。
それをもみ消そうとモリーは陣営から外されることになり、納得がいかないと思いながらもモリーはスティーブンに従うのでした。
スティーブン:
This is the big leagues.
いいか、これは大統領選だ
It’s a mean.
甘くない
When you make a mistake, you loose the right to play.
ミスしたものは脱落する
引用:The Ides of March
◎英語メモ:
the big league リーグの意味はひとつのグループ、連盟
セリフは、大統領選挙を野球の「メジャーリーグ」と語呂合わせしたようなニュアンスで例えています。少しのミスが命取りになるという意味。
Loyalty 忠誠心
映画の主人公スティーブンは若く優秀でモリスという候補者に入れ込んでいました。
選挙で接戦になればなるほど敵陣としてはスティーブンのような優秀な人材は味方につけるか追い出すか手を打たねばなりません。
政治という世界でまだ未熟なスティーブンは自分でも気がつかないうちに敵のワナにハマってしまいます。これによりスティーブンは自分の陣営からクビを言いわたされます。
なにをやるにしても言えることかもしれませんが、セリフに出てくる「Loyalty/忠誠心」は政治の政界では絶対であると選挙参謀のポールがスティーブンに説教するシーンです。
ポール:
There’s only one thing I value in this world, Steven. That’s loyalty.
この世界でわたしが唯一信じているのが忠誠心だ
And without it, You’re nothing!
君には頼れない
It’s the only currency you can count on.
忠誠心こそが唯一頼れる通貨だ
引用:The Ides of March
◎英語メモ
That’s loyalty. It’s the only currency you can count on.
セリフに出てくる信用と通貨は政界で生きのこる上での必須アイテム。政治にかかわらずひとつの団体に所属して活動するというのは「忠誠心」なしにありえないと力説しています。
まとめ
『スーパーチューズデー~正義を売った日』 政治映画に学ぶ英語フレーズを紹介しました。
政治の世界は冷静で非情なしたたかさが求められる!心身ともにボロボロになった主人公スティーブンですが最後は大きく成長します。
アメリカ国内での政治の裏側やアメリカ大統領選挙がグッと身近に感じられる映画なのでぜひチェックしてみてください。