最近は監督として知られているクリント・イーストウッド。働きざかりだった40代後半のころの監督・出演作品『ガントレット The Gauntlet』を紹介します。
見どころは、これでもかというくらい迫力ある銃撃アクションです。共演者のソンドラ・ロックもいい味出していて、この頃ふたりは恋仲でもあったそうです。だからなのか、ふたりの演技もとても自然で息が合っています。
『ガントレット』とはどんな意味なのでしょう。学校では習わない英単語かもしれません。本記事ではタイトル英語の解説します。また、日常会話で使える英語のフレーズもピックアップしました。
英語学習にも役立ちますし、豆知識にもなるとおもうので、ぜひ映画を観ながら覚えてみてください。
映画『ガントレット』あらすじ
フェニックス市の警官ショックリー(クリント・イーストウッド)は新しくボスになった警視長官ブレークロック(ウィリアム・プリンス)から命令を受ける。
ショックリーは刑事になりたての頃、いつか大きな事件を解決して大手柄をあげてやる!そんな野心ある刑事だったが手柄はすべて同僚にもっていかれ、今ではさえない二流の刑事になりさがっていた。
ショックリーが受けた命令とはラスベガスからある裁判の重要証人である娼婦ガス・マリー(ソンドラ・ロック)を護送するということだった。
ラスベガスに到着後、売春の罪で刑務所に収監されていたマリーをフェニックスまで護送すると話すが、マリーは「外に出ればあたしもあんたも殺されるわ!」と刑務所を出ようとしない。
おまけにラスベガスのカジノでは何者かが「マリーはベガスから生きて出られない」という賭けネタに掛け金がどんどん上がっていった。
これには訳があって、ショックリーのボスであるブレークロックは警視長官という高い地位にありながら実はマフィアとつながっていてマリーの証言は長官の立場を追い込む邪魔な存在であった。
そうとは知らずショックリーはマリーとフェニックスへ向かう途中にマフィアばかりか仲間である警官からも射撃の標的にされてしまうのだった。
どうしてこんな目に遭うのか?マリーの訴えはただの狂言だと思っていたショックリーだが次第に事のからくりに気がつきはじめる。
道中、かずかずの危機をくぐりぬけ、ショックリーはフェニックス署内で唯一の仲間であるジョセフソン刑事に自分がどういうルートで証人マリーを連れてフェニックスへと戻るのかボスであるブレークロックに伝えさせる。
ショックリーはブレークロックに「自分をマリーの護送に指名したのはまちがいだった!」とわからせてやるためにも自分の意地をかけてフェニックスへと向かうのであった。
分厚い鉄板で装甲車のように改造したバスに乗りこみフェニックスへと向かうショックリーとマリー。果たしてふたりの運命はいかに…!?
『ガントレット The Gauntlet』英語の意味は?
銃撃シーンが凄まじい迫力の映画のタイトル『ガントレット The Gauntlet』…カタカナだけだと響きからいって「ガン=銃」に関連した意味があるのかと思ったら違いました。
辞書で調べてみると「中世の騎士が闘うときに使っていた鎧のこて」だったり、フェンシングでつける「長い手袋」と出てきます。
また、もうひとつ意味があって、「罪人を処罰するときに処罰する人間が並列にならんで、その間を走らされる罪人を両サイドからムチ打ちをする」とも出ています。
映画『ガントレット The Gauntlet』を観るとショックリーとマレーの乗ったバスを大勢の警官たちが両サイドから何万発も発砲してきます。
なるほどそれで『ガントレット The Gauntlet』というタイトルなのかと理解できます。
ピックアップ英語フレーズ
Nag, Nag, Nag!
映画のワンシーンでマレーとショックリーが交わすセリフのひとつです。
ガス・マレー: Ben Shockley don’t you die on me Open those F***ing eyes
ベン、こんなとこでくたばらないで目を開けなさいよ。
ベン・ショックリー: Nag, nag, nag!
やかましいな
(c) Warner Bros. A Malpaso Company Film
◎英語メモ
nag がみがみ言う、しつこく聞いてくる
聞いてる方からしたら何ともうっとうしく感じているという気持ちを表すときに使える英語です。
例えばコートを買いに友だちと行って、自分はグリーンのコートが欲しいとおもって見ているのに、それは似合わないとか、あってないなどと言ってきたとします。
そんなときに使えるのが nag という単語。
例文:
Stop nagging at me what color I choose for a spring coat. I like this green color.
何色のコートを買おうとわたしの自由でしょ。わたしはこのグリーンがいいんだから。
まとめ
壮絶な銃撃のシーンがみどころのガンアクションが楽しめる映画『ガントレット』を紹介しました。
「Nag, Nag, Nag」といった短いながらも使える英語フレーズもあります。ぜひチェックしてみてください。
公開されてから40年以上経つ『ガントレット』ですが、映画会社もかなり宣伝に力を入れていたようで当時は写真のように銃撃で撃たれまくった本物のバスが映画館の入り口付近に飾られていました。
ハチの巣状態のバスは見た目も派手で、ちょっとしたアトラクションになっていました。