リスニングを鍛える!映画『ロミオとジュリエット』(1968)

ロミオとジュリエット バルコニー ロマンス

リスニングは英語を使いこなすうえで必要なスキルのひとつですが、これがなかなか大変…

とはいえ、中学校で習う英語を理解できれば、会話も何度もくり返し聞くことでフレーズが耳に馴染んできて徐々にリスニングも上達してきます。

今回は名画『ロミオとジュリエット』に出演したキャスト(レオナード・ホワイティングとオリヴィア・ハッセー)のロングインタビューから比較的聞き取りやすい英会話フレーズを幾つか紹介します。

romio and juliet 1968

Company Credits: BHE Films
Distributor: Paramount Pictures (the U.S.)
出典:IMDb

ロミオとジュリエット あらすじ

シェイクスピア原作の映画化。イタリア、ルネッサンス期の1450年頃、春まだ浅きヴェロナの町。美しい町にもかかわらず、ヴェロナでは代々争いが絶えないことがあった。それは二代名門として知られるモンタギュー家とキャプレット家の対立である。

ある日、舞踏会で出会ったロミオとジュリエットは、一目で魅かれ合うがお互いがモンタギューとキャプレットの者であることを知り希望を失う。しかしバルコニーで恋の苦悩を訴えているジュリエットを見かけたロミオは愛を確信し、修道僧ロレンスの元で二人は結婚を誓い合う。

翌日結婚式を挙げての帰り道、口論を止めようとしたロミオは親友が殺されたことに逆上し、相手を刺してしまう・・・。事態はふたたびモンタギューとキャプレット両家の争いへとなってしまい、ふたりの恋も引き裂かれてしまう。

ジュリエットに助けを求められた修道僧ロレンスは、なんとかロミオと夫婦に戻れるようひとつの計画を立てるが…

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キャスト・インタビュー:レオナード・ホワイティングとオリヴィア・ハッセー

Romeo and Juliet (1968)
Olivia Hussey, Franco Zeffirelli, and Leonard Whiting in Romeo and Juliet (1968)

ロミオとジュリエットの撮影が終了し、ローマからイギリスに戻ってきたレオナード・ホワイティングとオリヴィア・ハッセー。BFI(British Film Institute)のアーカイブ動画にふたりの

がアップロードされていました。

このインタビューを通して、ふたりの映画についての思いなどが語られています。では、幾つか英会話フレーズを紹介します。

ロミオとジュリエット出演について

監督 フランコ・ゼフィレッリ

インタビュアー:

How did you enjoying making this particular film, working for Mr. Zeffirelli?

今回、映画を作るにあたってゼフィレッリ監督との仕事はどうでした。

オリヴィア:

Very well.  Hard work though.

撮影は結構きつかったけれど、すごくうまく行きました。

撮影での苦労話 

Romeo and Juliet (1968)
Olivia Hussey and Leonard Whiting in Romeo and Juliet (1968)

撮影中は何度となく撮り直しする場面もあったそうです。インタビューでは撮り直ししたときのエピソードなどを聞いています。

インタビュアー:

Can you remember the most number of takes you had to do on the scene?
撮り直しが一番多かった時というのは何回くらいありましたか。

レオナード:

24…it wasn’t my fault.  The lights kept on me things…
24回かな…でも僕が悪いわけじゃないよ。 ライトがずっと照らさりとかしていて…

オリヴィア:

Haha…excuses.
アハハハ、言い訳してる ^^

撮影で心配だったシーンについて

Romeo and Juliet (1968)
Olivia Hussey in Romeo and Juliet (1968)

「ロミオとジュリエット」は公開当時、見どころのひとつとして話題になったのがレオナードとオリヴィアの一糸まとわぬ姿で演技するシーンでした。インタビュアーは、二人にとってそのシーンが映画にどう影響を与えたのかを聞いています。

インタビュアー:

One of papers reported you had a nude scene together after the marriage.

Did that bother you at all?

新聞によると、ロミオとジュリエットが結婚したあとにふたりとも一糸まとわぬシーンがありますがどう思ってますか。

オリヴィア:

Oh God!  I was dreading it from the auditions.  I was dreading that scene but they did it gradually thought and nobody was allowed to watch. 

まあ。裸で演技をするシーンはオーディション受けるときから心配だったし、実際の撮影でもずっと不安に感じていました。でも、撮影はゆったりと行われていったし、あのシーンではだれも見れないように気を使ってくれました。

インタビュアー:

Do you have any feelings about it? Do you think the scene is improved by being played in the nude?

ベッドでの撮影がどう影響したと思いますか。あのシーンがあることで映画が引立ったと思いますか。

オリヴィア:

Yes, because it doesn’t look dirty looks.

ええ、いやらしい感じはしないでしょ。

インタビュアー:

In other words, whatever inhibitions you hit either of you might have had about it initially,  you think the end result was worth doing that way.

 

inhibitions

inhibitionの複数形

禁止、抑制(名詞)

映画では 汚れた役

言い換えると、最初どちらかがイメージの悪い演技をしてしまったとしても、結果的には、それが価値のあるものとなったということですよね。

レオナードとオリヴィア

mm-hmm-hmm

ええ。

二人の仲は?

Romeo and Juliet (1968)
Olivia Hussey and Leonard Whiting in Romeo and Juliet (1968)

レオナードとオリヴィアは撮影に入る前はお互いのことを知らなかったそうです。撮影中、ふたりのコンビはどうだったのかをインタビュアーが聞いています。

インタビュアー:

How did you get along?  I mean, you didn’t know each other before you’re meant to do the film.  How did you get along initially? 

撮影中、ふたりは仲良くやっていたのですか。というのは、映画を撮影するまでふたりはお互いのことを知らなかったんですよね。第一印象はどうでしたか。

レオナード:

Pretty badly. 
ひどいもんだったよ。

オリヴィア:

Hahaha…stop it!
ハハハ…やめてよ!

レオナード:

No, no very well.  Did we?
違う、違う。とても仲良くやってました。ね?

オリヴィア:

Umm.
ええ。

1960年代ならではのゆとり?

Romeo and Juliet (1968)
Olivia Hussey and Leonard Whiting in Romeo and Juliet (1968)

オリヴィアはインタビューの最中タバコを吸っています。当時オリヴィアは15歳でしたし、映画の成功でアイドル的な存在でもあったはずです。

インタビュアー:

Um personal question Olivia.  I noticed that you’re at 15 and it’s pretty young to be smoking cigarettes.

これは個人的な質問ですが、オリヴィア、あなたは15歳ですよね。その若さでタバコを吸うんですか。

オリヴィア:

Mm-hmm.   ええ。

インタビュアー:

When did you start? いつから。

オリヴィア:

It’s about 14. 14歳位からです。 

インタビュアー:

14…while you’re doing the Private Miss Jean Brodie?
14歳…「ミス・ブロディの青春」を舞台でやっていたころから?

オリヴィア:

Yes.  Well, just before then actually.
ええ。いやっ、もう実はちょっと前からかな。

インタビュアー:

That is pretty young.  There aren’t many girls at 15 whom I know that smoked cigarettes publicly.
そんな若いころから。15歳で公にタバコを吸っている女の子なんてそんなにいませんよ。

オリヴィア:

There are. いますよ。

インタビュアー:

What do your parents feel about that?  ご両親はなんと言ってるんですか。

オリヴィア:

Well, my mother says if she’ll tell me to stop, I’ll dip behind her back anyway. 
まあ、母はわたしに「タバコはやめなさいと言ってもこっそり吸ってるでしょ」って言ってます。

解説:

未成年のオリヴィアがインタビューの最中にどうどうとタバコを吸いながら応対するとは現代では考えられない光景ですよね。

一方で、オリビアの方はというと、さして悪びれるわけでもなくスパスパとタバコを吸いながらインタビューをこなしているところが不思議な感じです。

しかし、これは当時の映画業界の影響なのかもしれません。1950年代から80年代中盤まではスクリーンをみるとタバコを吸ってるシーンが沢山あります。

『ロミオとジュリエット』は1968年はタバコをすっても普通だった時代だったのでしょうか。いやいや、オリビアはあとでたっぷり怒られたに違いありません。

この先(3年先)はどうなりたい?

いろいろと話しこんできましたが、インタビューはふたりの今後について尋ねています。

インタビュアー:

What would you like to be your future for the next three years? 
次の3年であなた方はどうなりたいですか?

レオナード:

Oh look, look at this in three years, time is so completely different from what we want probably.
今こうしたいと思っても恐らく時が経つにつれ変わってしまいますよ。

インタビュアー:

Well, that’s fair enough but I mean what would you really like?  You must have some idea what’d like to do.  How you’d like your career to develop?

ええ、それはもっともな答えだけど、3年でどうなりたいですか。いまの仕事をどう広げていきたい?

レオナード:

Umm…theatre.  I’d like to do something good on stage and do another film. 

舞台劇をやりたいです。ステージ上で映える演技をしたいし、映画にも出演したいです。

インタビュアー:

Do you wanna see yourself developing into more mature roles?
オリヴィア、あなたが18歳になることにはもっと大人びた感じの役を演じたいですか。

オリヴィア:

I would like to… ええ。

リスニングのワンポイント

English Learner

ロングインタビューから比較的聞き取りやすいパーツをピックアップしました。

赤字で記したような難しい表現も1語ありますが、ほとんどは中学で習う英語で理解できる英会話です。

リスニングのワンポイントとしては、自分で聞きとれそうなフレーズがあれば、そのパートだけをくり返し練習してみてください。音で覚えてから意味を覚えて体に定着させると言った具合です。

まとめ

映画『ロミオとジュリエット』(1968)では出演したレオナード・ホワイティングとオリビア・ハッセーがインタビューを受けている動画 は50年以上も前のインタビューですが、服や髪形に古臭さはあるものの、ふたりの美男美女ぶりからはまったく古臭さは感じられないのではないでしょうか。

インタビューの最中、14歳からたばこを吸い始めたと語るオリビア・ハッセー。そのオリビアが持っていたオレンジジュースを飲み干すレオナード。昔の芸能界は大らかだったという話は聞いたことがありますが、この辺にもその大らかさ?が出ているようです。

最後にフイルムが焼けていく感じでインタビューが終わるところは、遠いむかしの若いふたりのスターによる話が聞けてよかったというタイムマシーンにでも乗って帰ってきたような気持ちにさせてくれます。