子供のころに観たときは退屈だったり、わかりにくかったシーンも大人になると凄く興味深いものになったという経験はありませんか。
今回紹介する映画『ジュラシック・パーク』は、派手なアクションや恐竜のシーンとは別にテクノロジーは、まちがった使いかたをすると大変な目に遭うということを考えさせられるシーンがあります。
このシーンに込められたメッセージは、大人になってようやくわかるのではないでしょうか。
『ジュラシック・パーク』では、ビジネスにするうえでよく出てくる単語や英会話が出てきます。
ストーリーを追いながらそれらを見てみましょう。

Company Credit: Universal Pictures, UIP
出典:IMDb
『ジュラシック・パーク』あらすじ

とある島に建設中のテーマパークで人身事故が起きてしまいます。事故によってテーマパークの安全性を疑った保険会社は施設オープンには専門家による現地調査と安全に関するお墨付きが必要と通達し、審査結果によっては事業が進められない可能性が出てきました。
テーマパークのオーナーであるジョン・ハモンドは保険会社からの勧告と投資家へのイメージを損なわないように世界的な権威をもち、予てから資金援助をしていた 恐竜の白骨の採取を行う学者のアランと古植物学者エリー に現地への調査をしてほしいとハモンド本人が申し入れます。
テーマパークの中身が何かわからないものの2人は3年分の資金援助の話に感激し、ハモンドの弁護士ロナルドが連れてきた数学者マルコム博士と共に現地調査への動向を了解します。
現地に到着しアランたちは驚愕します。彼らが目撃したのはジュラシック・パークという本物の生きている恐竜たちがいるテーマパークだったのです。
生きた巨大恐竜を目の当たりにした博士たちは驚きと感激で一杯な気持ちでしたが、どのようにして恐竜復活が可能になったのか、それが自然界に与える影響は、人間と共存できるのかなど直ぐには答えが出せない問題ばかりだと理解します。
一方、ハモンドは夢や理想を語るばかりで 博士たちの心配や意見を聞いても、何かしら理屈をつけて実際には彼らの意見を受けいれようとしませんでした。
しかし、様ざまな要因が重なりあい、やがてアラン、エリー、マルコムの心配が的中する時がきます…。

『ジュラシック・パーク』ビジネスシーンで使う英語のセリフ
Deal With~

テーマパーク建設中に起きた作業員の事故をめぐって遺族からは高額な訴訟を起こされ、保険会社は専門家からのお墨付きがなければ建設させないとばかりに問題が多発します。
テーマパークオーナー、ハモンド社長の弁護士は現場の作業員たちに問題が山積みだと言うのに現場にいない社長に対してボヤいているシーンです。
現地スタッフから社長は娘の離婚問題で朝からいないと言われため息交じりにボヤきます。
I understand, but we need to deal with the situation now.
わかってるさ。しかし、いま片づけないといけない問題があるだろ。
引用:UIP
◎英語メモ:
deal with ~に対処する
situation 状況、問題
なにか問題があったときに向き合わなければならないときに使うフレーズです。トランプ大統領が国際問題、経済問題を語るときによく使っています。

Compensate You By~

ハモンド社長は保険会社や投資家から事業に対する印象を悪くしないように専門家に調査を依頼します。
人を見る目は間違いないと自負するハモンドは世界的権威の持ち主であるアランとエリーの前に突然現れて申し入れされたので話が急すぎて戸惑っています。
当然、それを見越していたハモンドは2人の研究を邪魔してしまうことの埋め合わせとして今後3年分の資金援助をすると申し入れます。
I’d compensate you by fully funding your dig…for a further three years.
この先3年間、君らの発掘に資金援助することで埋め合わせさせてもらうよ。
引用:UIP
◎英語メモ:
compensate 償う、埋め合わせる
compensate you by~ あなたに~することで埋め合わせする
Make A Fortune

どんなテーマパークなのかを知らされずアランたちでしたが、そこで彼らは目にしたのは生きている本物の恐竜でした。ハモンドは「ようこそジュラシック・パークへ」と初めてどんなテーマパークなのかを明かすシーンです。
ここで、腰が抜けてるアランたちを目に弁護士ロナルドは事業の成功は間違いないとばかりにいうセリフがあります。
We’re gonna make a fortune with this place.
こりゃ、金になるぞ!
引用:UIP
◎英語メモ:
make a fortune 財産をつくる
富をなすいままでに見たこともない凄い光景を目にして弁護士ロナルドは「このテーマパークならひと財産作れる。」という感じで口にしたセリフです。

Work Things Out

アランたちは牛が何かの檻に運ばれるところを目にする。ヴェロキラプトルという恐竜の餌付けを査察することになったアランたちは牛が檻に降ろされるや、姿は見えないが凄まじく獰猛な何かが牛に襲い掛かっている様子だけが伝わってくる。
ハモンド社長はヴェロキラプトルの管理は万全だと主張するが、アランはヴェロキラプトルは全滅させるべきだという恐竜監視官のマルドゥーン にラプトルについて質問してみる。
聞けば、その凶暴さ、学習能力の高さは非常に危険で人間では管理できないというほどのもの。
When she looks at you, you can see she’s working things out.
あいつが君をみるとき、油断できない目をしている。
引用:UIP
◎英語メモ:
work 代名詞 out ~を上手くやる、何とかする
マルドゥーンが言わんとするのは、ラプトルがこちらを見ているのは何かを企んでいるという事を伝えようとしてworking things outを使っています。
Knew What You Had~

マルコム博士はテクノロジーの進化で突然恐竜を復活させることは危険であり、よく調べ研究してきたものでもない「生命」と言うものに対してテクノロジーを使って簡単に手に入れられたとしても、その使い方を誤れば自身を破壊してしまうと警告します。
Before you even knew what you had, you patented it, and packaged it and slapped it on a plastic lunch box, and now you’re selling it.
ことの重大さも考えずに特許を取っててっとり早くパッケージ化して売り出そうとしてる。
引用:UIP
“now you’re selling it”以外は過去形の使っているフレーズですが、ハモンドたちが既にやってきたことは自分たちではコントロールできようもないことなのに、その事を理解できていないまま商品化して売り出そうとしてる…それで過去形と現在形をあわせて使っています。
What To Expect

アラン博士も遥か遠い昔に生存していた生物(恐竜)とある日突然共存しろと言われてもどう答えていいのかわからないと意見を述べます。
How can we possibly have the slightest idea what to expect?
何が起こるかわかるものはいません。
引用:UIP
what to expect は何か新しい事(例えば、新学期や社員総会など)に向き合うにあたって不安な気持ちを表わすときに非常によく出てくる英会話フレーズです。
例:

Hey, you start your new life tomorrow. Are you OK?
ねえ、明日から新しい生活が始まるね。大丈夫。

Well, to tell the truth, I never know what to expect.
そうね、実を言うと、どうなるのか分からないわ。

Creation Is An Act Of Sheer Will

次は、事業家らしいフレーズでビジネスの場面でも出てきそうな英会話フレーズです。
Creation is an act of sheer will.
創造は意思が生み出す
引用:UIP
◎英語メモ:
sheer まったくの
sheer willは「まったくの意思」???
このフレーズは日本語に訳しづらい感じですが、本気で何かを造りたいという気持ち(意思)が物事を動かすというニュアンスで使われています。
After Careful Consideration~

事業に対して熱く夢や理想を語っていたハモンド社長でいたが、アランやマルコムが主張していたとおり、テクノロジーの進化で簡単に手に入れてしまった「生命」への代償は高くついたというシーン。
度重なる惨事を皮肉るようにアランがハモンドにジュラシック・パークの審査結果を伝えます。
After careful consideration, I’ve decided not to endorse your park.
このパークを承認することはお断りします。
引用:UIP
◎英語メモ:
after careful consideration よく検討した結果
endorse 承認する、是認する
オーディションや入社試験で履歴書を送ったときに返事の冒頭でよく使われる英会話フレーズです。
このシーンでは「よくよく検討してみましたが、こんな危ないテーマパークは承認できません。」と皮肉っぽくていねいにアドバイスしています。

まとめ
今回はビジネスシーンで比較的よく出てくる英会話フレーズを紹介しました。
映画の公開当時、あまりにリアリティのある恐竜たちは大変な話題になりました。『ジュラシック・パーク』はモンスターパニックとして最高の作品ですが、テクノロジーの進化と生命への過信がよく描かれています。
また、大きな夢や理想に向かうことは正しいとされながらも、時として大きな間違いを起こしてしまうという事も教えてくれます。
映画『ジュラシック・パーク』は人間の成長にあわせて、楽しめるシーンが変わっていくような世代ごとに楽しめるシーンが満載な作品です。