映画『チャーリーとチョコレート工場』では、心のどこかに置いてきてしまった正直な気持ちを教えてくれる少年と少しかわったチョコレート工場長のものがたり。
映画をとおして、セリフから日常でつかえる英語はもちろん、あまり聞いたことがない言い回しやスラングなども学べます。
大きな成功を得る一方で失うものも割とあるという話はよく聞きます。
くやしかったり悲しかったりといった気持ちが成功へむかうチカラなる反面、気持ちがスッキリしないまま成功を手にいれても結局あとで寂しくなるだけ…。
映画は、成功を手にいれながらも気持ちのどこかにポッカリと穴が空いた気持ちのヒトが観ると何かしらの答えを見つけられるストーリーです。

出典:IMDb
チャーリーとチョコレート工場 あらすじ

チャーリーとチョコレート工場 セリフに学ぶ英語

閉鎖されひと気がないのにチョコレートは作りつづけられているチョコレート工場がありました。
ある日工場のオーナーがある発表をします。それはチョコに入っているゴールデンチケットを見つけた5人の子供たちを工場に招待してさらに5人のうちの1人には特別な賞をくれるというのです。
貧しいながらも楽しくやっているバケット家のチャーリー少年もこのニュースに興奮しています。
Balderdash
チケットが当たるのを夢こがれるチャーリーをみて家族は「お前にもチャンスがあるよ。」と盛りあげてくれます。それを聞いてますます夢が膨らむチャーリー。
けれど、わざわざ悲観的なことをいう家族ジョージもいたりします。
そのときのジョージの一言↓
Balderdash. バカ言うな。
balderdash ・・・「たわごと」という意味。
映画での使いどころは、みんなで前向きな話をしているのにその話の腰を折るというニュアンスです。
Dummy
このセリフを言ったのは、またしてもチャーリーの母方のおじいさんジョージです。
ただし、こんどはチャーリーの背中を押しています。
運よくゴールデンチケットを手にいれたチャーリーですが、チケットを売ってくれと周りにせがまれます。貧しい家計を救うためとチケットを売ろうとするチャーリーを引き留めるシーンからのセリフ。
Only a dummy would give this up for something as common as money.
カネなんてそこらじゅうあるのにチケットを売るなんてバカのすることだ。
愚か者を表すときは “dummy” がうってつけと言っていいでしょう。似たような単語では “stupid”があります。
Prizeと”Sur”prise 似たような音をつかって語呂合わせ

英語はよく使われる表現方法があります。それは似たような響きの単語をならべて言いたいことを強調する表現です。
ここでは、ウィリー・ウォンカがチョコレート工場に招待された5人の中から1人だけに送られる「最高の賞はおどろきのあまりビックリする!」というセリフ
The best kind of prize is a *sur*prise!
賞=プライズ 驚く=サー・プライズ
「賞」と「驚く」を同じような響きである「プライズ」に引っ掛けて強調しています。
I Don’t Care

ウィリー・ウォンカは家族の話になると口ごもったり子供に懐かれるのがあまり好きでないみたい。
招待した子供のひとりバイオレット・ボーレガートに抱きつかれ自己紹介されてもそっけない返事で相手にしようとしません。
バイオレット・ボーレガート
Mr. Wonka, I’m Violet Beauregarde.
ウォンカさん、わたしはバイオレット・ボーレガートです。
Oh. I don’t care.
へえ、そうかい。
引用:IMDb
I don’t care. 「気にしない」という意味ですが、ここでは「あっ、そう」というニュアンスで相手に関心がないところを表しています。このフレーズはヒトに限らずモノや事がらに対しても使えます。
例えば次のような感じ↓
I got a bad grade this semester but I don’t care.
今学期は成績悪かったけど知ったことじゃないさ。
Confidence Is Key

自分こそが賞を獲るのにふさわしい人間だわ!と自信満々に自己アピールするバイオレット。
なんとも生意気な子だなと冷ややかに見ながらも彼女の言うことも一理あると認めるウィリー・ウォンカ。たしかに、何かに挑戦するときは勝つつもりで挑まないとよい結果は得られません。
そんな時じぶんに言いきかせる英語フレーズ “Confidence is key.” は是非とも覚えておきたいものです。
バイオレット・ボーレガート
Well, you should care. Because I’m the girl who’s gonna win the special prize at the end.
あら、覚えておいてね。だって最後に特別賞をうけとるのはこのワタシだから。
ウィリー・ウォンカ
Well, you do seem confident and confidence is key.
おや、自信ありげだね。自信をもつというのは大事だ。
Smarty Pants

じぶんが何でも知ってるような口ぶりをする相手のことを“Smarty Pants”と呼ぶシーンがあります。
“smart”は「かしこい」「頭がいい」という意味があります。そのまま訳すと「かしこいパンツ」となり、何だそれって感じですよね。
これはネイティブが使うスラングで「賢いというのはわかるけれど、うっとうしい奴」を指すときに使うスラングです。
映画のシーンでも、ウィリー・ウォンカが発明したガラスのエレベーターに乗ったマイク・ティーヴィーがウィリー・ウォンカに意見ばかりしてウンザリしています。
マイク・ティーヴィー
There can’t be this many floors. こんなにフロアがあるわけないよ。
ウィリー・ウォンカ
How do you know, Mr. Smarty Pants? なんでわかるんだい、知ったかぶりの坊や
No Offence と None Taken
- “No offence 悪気はないよ”
- “None taken. 気にしてないさ”
セットで覚えておくと便利な英語フレーズです。
映画で使われているシーンをみると、チョコレート工場に招待された子供たちはチャーリー以外はみんな身勝手がすぎて一人また一人と見学ツアーから脱落していきました。
最後に残ったチャーリーはウィリー・ウォンカから特別賞として工場をまるごと継承できるという話をもらいます。
感激するチャーリー。でも、ひとつ問題がおきます。それはチャーリーが工場を継ぐのであれば家族は置いていかなくてはならないということでした。
ウィリー・ウォンカ
Are you ready to leave all this behind and come live with me at factory?
すべてを捨ててボクと一緒に工場にいく用意はできてるかい。
チャーリー
Sure. Of course. I mean, it’s all right if my family come to?
ええ。もちろんです。というか、家族と一緒でもいいですか。
ウィリー・ウォンカ
Oh, my dear boy, of course they can’t. You can’t run a chocolate factory with a family hanging over you like an old, dead goose. No offence.
なんだって、もちろんダメだよ。よぼよぼの年寄りなんてつれていっても足手まといになるだけだぞ。あ、悪く言うつもりはないよ。
ジョージ
None taken, jerk.
いや悪くいってるだろ、バカ野郎め。
Put One’s Finger On

チャーリーから家族といっしょに行けないなら工場を継ぐことも断ると言われショックを受けるウィリー・ウォンカ。ウォンカはひとりで大成功したのにどうしてあれこれ指図してくる家族といっしょに来たいのか見当もつかないという感じです。
そのせいでウォンカは頭が混乱してチョコやキャンディに集中できなくなってしまい工場をうまく運営できなくなっていきます。
このときウィリー・ウォンカのセリフは “put one’s finger on it /原因をつきとめる”という言い回しをつかって自分が混乱している気持ちをあらわしています。
I can’t put my finger on it.
どうしてそうなったのかわからないんだ。
We Were Brainstorming
ウィリー・ウォンカは、ながらく疎遠だった父とわかりあえて心のどこかにあったわだかまりがとれます。そして、何かにつまずいたときこそ家族の助けが大切だと気づきました。
チャーリーも家族とともに工場でウォンカと仕事ができることになりすべて良い方向に向かっていきます。
ウィリー・ウォンカとチャーリーはお互いよいパートナーになり、いろいろなアイデアを出し合える友達のようになります。
ここで出てくるセリフはビジネスでもよく使われる英語で “brainstorm” とは、さまざまなアイデアを交換しあうという意味です。
チャーリー
Sorry we’re late. We were brainstorming.
ごめん、会議してたんだ
Life Was Never Sweeter

The Bucket family learns that life was never sweeter.
とびきり甘い人生を送ったとさ
映画の字幕では「とびきり甘い人生を送ったとさ」とあります。映画をしめくくるステキなセリフですよね。
ウィリー・ウォンカはチャーリーの助けもあり、父とのわだかまりも解消できて「家族」こそが本当に大切だと悟ることができました。
“life was never sweeter” のあとには”without family”とか”anything else”と「家族」のことが意図されています。
「バケット家は”家族”がいなかったら人生はより良いものにならなかったと学んだのです。」となり、これが「とびきり甘い人生を送ったとさ」と意訳されています。
まとめ
『チャーリーとチョコレート工場』では、日常で使える英語から少しかわった言い回しが学べるセリフをとおして英語フレーズを紹介しました。
映画は親子愛がテーマになっていて、おっかなびっくりするシーンはもありますが小さな子供から大人まで楽しめます。
ぜひ、一度観てください。そして、映画のなかから気に入った英語フレーズを見つけてください♪