今回は映画『アダムスファミリー1&2』を通して、こどもからビジネスマンがつかう人気の英話フレーズを紹介します。シュールながらも家族愛が感じられる英会話にはあたたかみを感じます。
つくり上げられた社会のルールや一般常識になじめない人たちもいます。けれども彼らはだれかに迷惑をかけるわけでもなく自分たちなりに楽しくやっている。
アダムスファミリーを観ていると「楽しい人生をおくるとはどういうことだろう?」と考えさせられます。
『アダムスファミリー1&2』からは英会話にかかせない「間の取りかた」が学べます。相手が話していることにちょうどいいテンポで返事をするアダムスファミリー特に父親のゴメスと娘のウェンズデーのセリフをみていきましょう。
『アダムスファミリー』映画のセリフや名言に学ぶ英語フレーズ
こどもからビジネスマンまでよくつかう英語フレーズ
Do We Have A Deal?
アダムスファミリーは巨万の富をもつ大富豪でしたが、顧問弁護士とその仲間たちの悪だくみによって財産を奪われてしまいます。文無しになってしまった一家は安宿で暮らすことに…。
すこしでも家計のプラスになればと長女ウェンズデー(クリスティーナ・リッチ)と長男パグズリー(ジミー・ワークマン)は宿のちかくで自家製レモネードを売りだします。
しばらくすると、ガールスカウトがやってきて自分のクッキーとレモネードを物々交換しようと話しかけてきました。
ウェンズデーたちをどこか見下したような言いかたでレモネードについて聞いてくるガールスカウト。
ガールスカウト:
Is this made from a real lemon? それって本当のレモンで作ったの?
ウェンズデー:
Yes. そうよ。
ガールスカウト:
I only like all-natural foods and beverages, organic grown, with no preservatives. Are you sure they’re real lemons?
わたしは添加物が入っていないオーガニック系の食べ物とか飲みものしか好みじゃないの。それって間違いなく本物のレモンから作ったんでしょうね?
パグズリー:
Yes. そうだよ。
レモネードの話しのあとにガールスカウトはウェンズデーとパグズリーにつぎのような話をもちかけます。
ガールスカウト:
Well, I tell you what. I’ll buy a cup if you buy my delicious Girl Scout cookies.Do we have a deal?
引用:IMDb
それじゃこうしない?!わたしのデリシャスなガールスカウト・クッキーをひと箱買ってくれたら私もレモネード一杯いだだくわ。
レモネードとクッキーをめぐり、おとな顔負けなビジネス・プレゼンテーションをしているみたいですね(^^♪
◎英語メモ
セリフに出てくる「Deal のD」のように
ダァ・ディ・ドゥ・デェ・ドォ
など濁ったひびきの濁音は単語としても発音しやすい傾向があります。
deal は「決めごとや取り引き」という意味でトランプ前大統領が好んでつかっていましたね。
また、deal は「政策」という意味もあって1930年代に、やはりアメリカの大統領だったルーズベルト氏は「ニューディール政策/New Deal」を打ちだして経済政策の柱にしました。
余談になりますが、”Do we have a deal?” のつかえる範囲は広いですよ。
アメリカに留学していたころの話になりますが、北から南にむかうバスに乗っていたときにバスのなかで起きたことです。
バスに乗っていた親子がいて急にこどもが泣き出してしまいました。
グズついてなかなか泣きやまず、バス内はイラついた雰囲気でいっぱい。
すると、見知らぬオジサンがこどもにカラフルな飴をみせて「これでもう泣かないよね、約束する?」といったかんじでうまい具合にことが収まりました。
そのときの会話はこうでした。
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Hey little girl, what’s the matter with you?
おや、お嬢ちゃんどうしたの。
You look whole lot better when you smile.
笑ってるほうがずっとステキだよ。
I can give you this if you smile at me.
(カラフルな飴をみせながら)笑ってくれたらこれをあげるよぉ~。
Do we have a deal?
どうだい?(ここで泣きじゃくっていたこどもが笑いました)
Here we go, I told “you look whole lot better when you smile.”
(飴をわたして)はいどうぞ、ほら笑ってるほうがステキだって言ったろ。
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こうして無事バスは静けさを取りもどしました。優しそうにこどもに語りかける姿がいまでも記憶に残っています。
おなじ言い回しをつかって皮肉をいう英語フレーズ
Are They Made From Real ~ ?
クッキーがどうしてデリシャスなのかは言わずに小生意気な提案してくるガールスカウトにウェンズデーがシュールな質問でやり返します。
ウェンズデー:
Are they made from real Girl Scouts?
引用:IMDb
それって本物のガールスカウトで出来てるの?
質問に答えられず、悔しそうにさっていくガールスカウト。
◎英語メモ
ニュアンスのポイントですが、ガールスカウトはレモネードの成分は添加物がはいっていないことが条件にあげています。
これに対してウェンズデーが
「あなたのクッキーは添加物が入ってないの?」
と、クッキーの成分とガールスカウトを重ねあわせて質問しているところです。
つまり「それってホンモノなの?」というのがおたがいの聞いている質問の本質です。
ガールスカウトをクッキーの成分として皮肉ることで生意気なガールスカウトを追いはらったウェンズデーのセリフがなんともおもしろい(^^♪
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たとえば何かの売りこみや疑わしいうわさ話をきいたとき
Are they made from real girl scouts?というフレーズをもうすこし短くして
Are they real? それってホンモノなの?
と、使われてみてはいかがでしょう。
表現はシュールながら愛情たっぷりな英会話フレーズ
Probation
『アダムスファミリー2』でのワンシーン。
アダムスファミリーのフェスタは実業家であり大富豪。独身であるフェスタの資産と保険金をうばおうと企む乳母デビーの策略によりウェンズデーとパグズリーはサマーキャンプへと追いやられてしまいます。
さて、サマー・キャンプ・チペワにやってきたアダムスファミリー。
キャンプ・チペワの必要いじょうにテンションの高いそして大げさな明るさにアダムスファミリーは空気があわない様子です。
そこにガールスカウト役で登場した女の子がアマンダ・バックマンとして自己紹介してきます。
アマンダはウェンズデーにどうして葬式に行くような恰好しているのかと聞くと
「誰かが死ぬのを待ってるの」
と答えたり初対面から合わない2人。
そこにアマンダの両親も現れウェンズデーとパグズリーの両親に挨拶します。
この子にあって、この親あり。そんな言葉がぴったりあいそうな感じがするアマンダの両親は学校の豪華な施設の話しばかりしています。
キャンプでどんな教育を受けるのかということにはさほど関心がない様子。
また、アマンダのパパはアマンダが飛び級で進学できたほど優秀な娘であるとおしつけ気味にウェンズデーとパグズリーの前で話しています。
ところで、お宅の息子さんはどうですか?
と上から目線で言われ、その返事としてパパのセリフに父親としての愛情が感じられ最高です。
Probation.(息子は)保護観察です!
引用:IMDb
ここで堂々と「保護観察です!」と息子を抱きよせて言うシーンは父親としての愛情と誇りを感じられてほのぼのさせられますね。
保護観察になっているこどもなど世間一般では冷たいまなざしで見られることが常識になっています。
ところが、なんであれ自分の子供はとても可愛い!
他人の目を気にすることなく、むしろ誇らしげにいうところに愛情を感じるわけです。
『アダムスファミリー2』を観るならUNEXTまとめ
『アダムスファミリー1&2』では、映画のセリフや名言に学ぶ英語フレーズを紹介しました。
アダムスファミリーはすこし変わった家族だけれど、愛情はたっぷりあって子供たちもシュールなセンスを育みながら無表情にたのしく毎日を過ごしていて、そっとしておいてあげたくなるステキなファミリーです。
こどもながらに、DealやProbationなど大人びた単語が出てくるところもシュールでなぜかしら愉快な気持ちにさせてくれる不思議な魅力をもっています。
みためはホラーのような雰囲気ですが家族でも楽しめるよい映画です。また、英会話の雰囲気をつかむ教材としてもつかえる作品です。ぜひチェックしてみてください。