ほんとうの友情とはどんなものでしょう?
どんなものと言っても、相手に対して感じる価値とか気持ちに親しみをもてるかどうかとか、いるだけで気持ちを落ちつかせてくれたりなどあるかと思います。
実写版の映画『アラジン』では、友情を感じさせてくれるシーンやセリフがあります。今回は映画『アラジン』を通してジーニーのセリフを軸に友情を表わす英会話フレーズを紹介します。

(c) Walt Disney Pictures
出典:IMDb
実写版 『アラジン』 あらすじ
貧しいながらも自分の居場所を探そうと毎日を送る青年アラジン(メナ・マスード)は砂漠の王国アグラバーで暮らしていました。生きるために盗みや嘘をくり返しながら日々を送っていたアラジンは市場で若い女性が何やらトラブルに巻き込まれているところに出くわします。
成り行きで助けたその女性はアグラバー王国の王女ジャスミン(ナオミ・スコット)でした。けれど、ジャスミンは自分は王女の侍女だとアラジンに嘘をいい王宮に戻っていきました。
実のところ、ジャスミンは民の暮らしぶりを自らが感じ、自分が王になって皆の暮らしを良くしたい、自分にはそれが出来ると意欲を高めていきました。
しかし、王国には法律があり女性は国王になることはできません。しかも国務大臣であるジャファー(マーワン・ケンザリー)が王の座を狙っていました。
アラジンはジャスミンを助けたときに返していなかった彼女のブレスレットをもって王宮に忍び込み、2人は再会します。アラジンの巧みな忍び込みを見ていたジャファーは王国に君臨するために絶対必要な魔法のランプをアラジンに取りに行かせることを思いつきます。
魔法のランプはある洞窟の中にあり、そこは心の清らかなもの「ダイヤの原石」だけが入ることができます。洞窟に入れる素養をもっていたアラジンですが、ジャファーの策略に遭ってランプを取ったのに洞窟に閉じ込められてしまいます。
ランプは手元にあるのに洞窟からは出られそうにないアラジン。そんな時、偶然こすったランプから青くて巨大な煙が出てきます!
青い煙はジーニーと名のり、アラジンに願いを3つ叶えてくれると言います。
変わり映えしない毎日から脱け出したいアラジン、自立心旺盛で国をもっと良くしたいと願うジャスミン、一万年のランプ暮らしから解き放たれ本当の自由を得たいと思っているジーニー。
3人はそれぞれの願いや希望を叶えるためのジャーニーが始まった。
俺ほど頼れるやつもいないぜ!Friend Like Me
© Disney Enterprises, Inc.
洞窟の中で途方に暮れるアラジンと子分のサル。偶然さわったランプからは青い煙がでてきて。低音のきいたボイスで語りはじめます。
O great one who summons me / I stand by my oath: loyalty to wishes three!
ワタシを呼び出した偉大なる御主人さま/我はここに誓いを立てまする:3つの望みを叶えましょうぞ!
◎英単語メモ:
summon | 召喚する、呼び出す |
oath | 誓い |
堂々と勇ましく現れた摩人ジーニー。でも、目の前にいるのはさえない感じの青年とサル・・・
その様子を見るなり威厳ある態度から急に馴れ馴れしいかんじでアラジンに話しかけてきます。
目の前の出来事にびっくりしているアラジンに今どういう事が起きているのか摩人ジーニーがフレンドリーに話してくれます。
I’m talking to a smoking blue giant?
ぼくはでっかくて青い煙の巨人と話してるの?
No! I am not a giant, I am a genie.
違う!ワタシは巨人ではない、ジーニーである。
それでも何だかその場の状況を理解できていないアラジンに、ジーニーは自分が何者で主人であるアラジンにどんなことが出来るか今度は歌で説明してくれます。
願いごとを申し入れるアラジン

ジーニーにおかげで洞窟から脱出できたアラジンはあらためて「3つのお願い」について語らいます。3つしかないとなると、何をお願いすればいいんだろう…考え込むアラジンはふと素朴な疑問をジーニーにぶつけてみます。
What would you wish for?
君なら何を望むの?
するとジーニーもちょっと考えて答えます。
Mmm. No one’s ever asked me that before. It’s an easy one, though. I’d wish to be free.
ふ~む、そんなこと聞かれたことなかったな。でも簡単だ。自由になりたい。
To not have to say
Can I help you?
What would you like?
Welcome to the lamp. May I take your order, please?
Freedom. I wish to be… to be human.
だってそうなれば。
ご用件は?とか何にしましょうか?とかランプへようこそとかご注文は?とか言わなくて済むだろ。
自由。実のところ人間になりたいのさ。
なるほど、と思いつつアラジンは続けます。
Why don’t you just set yourself free?
それなら自分に魔法をかければいいじゃないか。
しかし、ジーニーは自分に魔法をかけることはできない、それが出来るのはランプの主だけとアラジンに話します。
Only way a genie gets to be free is if the owner of the lamp uses one of his wishes to set him free
ジーニーが自由になるにはランプの主が願いごとをつかって解放してくれるときだけ自由になることが出来る。
うわべではなく本当の自分を!

願いごとについて話しているうちにアラジンは市場で出会ったジャスミンの話を打ち明けて彼女ともっと話したいし好印象を与えたいので自分を王子にしてほしいと頼みます。
ジーニーはその願いごとを叶え、見た目は確かに立派な王子に変身させてくれました。
けれど、王子として暮らしてきたことがないアラジンはいざジャスミンや王族たちの前にでると薄っぺらい話しかできず相手にもされないありさまでした。
そんなときジーニーは見た目は変えてやったけど中身はそのままだ。だから、見た目よりも中身で勝負しろ!と、アラジンに発破をかけてくれます。
ジーニー:
You have to be more confident about what you have to offer.
申し入れしたいなら、したいことをもっと堂々とやらなきゃ。
ジーニーの魔法によってアラジンはアリ王子に変身することはできました。
でも、それはあくまで見た目だけで誰がみても王子の風格を放つためにはアラジン自身が心から自分は王子であるという意思をみせる必要がありました。
ジーニー:
Stop, stop, stop! I made you look like a price on the outside.
But I didn’t change anything on the inside.
よせ、よせ、よせ。俺はお前の見た目を王子にしてやったけれど中身は何も変わってない。
ジーニーはお膳立てはしてあげた。あとは自分次第だぜとアラジンに言います。
Prince Ali got you to the door.
But Aladdin has to open it.
アリ王子ってのは王宮の扉までたどり着いたわけだ。でもな、その扉を開けるのはアラジン、君自身さ。
ウソで何かを手に入れても、それで幸せにはなれない!

ジーニーのアドバイスもあってアラジンは徐々にアリ王子というニセの人物から本当の自分を出していくことでジャスミンの心を掴んでいきます。
しかし、ジャスミンが好意を寄せているのはアリ王子ではなくアラジンに対してなのに、本当のことがバレるのが怖いアラジンは言い出せないまま時が過ぎていきます。
しかし、ウソで固めて手に入れたモノはどんなに沢山あっても心を満たしてはくれません。せっかく得たものは失いたくない。その恐怖心からアラジンはアリ王子としてウソを突き通そうと決めます。
その話を聞いたジーニーは、摩人としての一万年、友人と呼べるランプの主人は一人もいなかったと失望します。
The more you gain by pretending, the less you’re actually gonna have.
ないものをあるように見せ続けても、じっさいに得られるモノってはないものだ。
In ten thousand years, I have never once, ever called a master a friend.
一万年もの間、ランプの主人に友だちっていえる人間は一人もいなかった。
I broke the rules for you. I saved your life…and for what?
俺はおまえのためにルールを破ったし、命も助けたのに・・・何だっていうんだ。
You are breaking my heart here, kid. You are breaking my heart.
おまえには失望したよ、キッド。 おまえにはがっかりだ。
人間、失いたくないものがあるときって状況によってはウソをついたままにしがち。そういう時こそ捨て身になって本当の事を言ったほうが前向きになるのに -_-
アラジンの最後の願いは?

アラジンは失っていた本当の自分をとり戻し、すべては良い方向に向かいつつある中でアラジンは最後の願いをランプに託します。
アラジン:
Last wish …to say you free. 最後の願いは…君が自由になること。
人間の姿になったジーニーは自分がどうなっているのか確かめようとアラジンに言います。
ジーニー:
Tell me something. なにか願いごと言ってみて。
アラジン:
Give me some jams. ジャムを持ってきて。
魔法をつかうポーズを取るけれど何も起こらない。すると、ジーニーは嬉しそうにアラジンに言います。
ジーニー:
Get your own jams. ジャムくらい自分で持って来い!
本当に人間になれたんだと嬉しくなってアラジンに抱きつきます。

まとめ
今回は実写映画『アラジン』から主人公のアラジンと摩人ジーニーとの友情を軸においた中から相手のことを思うからこそ言えるアドバイスだったり教えだったりの英会話フレーズを紹介しました。
陽気で明るいジーニーは、とても頼りになる相棒であり友だちといった雰囲気で一杯。本当の自分をさらけ出すことで幾らでも力になってくれるところが素晴らしいです。