親子の名コンビぶりが楽しい!『ペーパームーン』名作に学ぶ英会話

コメディ

なにかにつけてすぐ喧嘩になってしまうけれど、 こころの中ではとても必要だし好きなのに素直に表せない …そんな気持ちがよく描かれている名作『ペーパームーン』を紹介します。

紙でつくった三日月(ペーパームーン)のようなニセモノの親子関係なのに、旅を続けていくうちに本当の親子以上の気持ちが生まれていくほのぼのとしたコメディ映画です。

今回は、貧しいながらもたくましく生き抜いていく親子のやりとりが観ていてほのぼのしてくるシーンから英会話フレーズを紹介します。

ペーパームーン1973 ポスター

(c) Paramount Pictures

『ペーパームーン』プロット

時代は1930年代のアメリカ。世界恐慌も8年目に入ったが、いまだ人々の暮らしは貧しく不況にあえいでいた。

ある日のこと、インチキな聖書を売りつけて生計を立てていたケチな詐欺師モーゼ・プレイ(ライアン・オニール)は自動車事故で亡くなった知り合いの女性の葬儀にかけつける。

モーゼは神父とほかの参列者から孤児になってしまったアディ(テイタム・オニール)をミズーリ州にいる叔母のところに届けてほしいと頼まれしぶしぶと引き受ける。

モーゼはまず詐欺で磨いたトークで交通事故を起こした運転手の兄からまんまと200ドルの示談金をちょうだいする。

するとその金で自分が使っている車のタイヤを買い替え、アディも汽車にのせて送迎代を安くおさえようとしていた。

ところが、示談金のやりとりを外から聞いていたアディは200ドルは自分のお金だと騒ぎます。もう使ってしまったと開き直るモーゼに、それなら稼いで返せとアディは迫ります。

こうして初めはお荷物扱いされていたアディでしたが、いつのまにやらモーゼのほうが振り回されていく始末。かくしてミズーリ州までの道のりを 二人はお互いに協力しあいながら進んでいくのでした。

ピックアップ英会話フレーズ

I Want My 200 Dollars

200 Dollars – Paper Moon (1/8) Movie CLIP (1973) HD

モーゼはアディの母親の件で示談金を貰ったので、もう用済みとばかりアディを汽車にのせて一件落着といこうとしましたが、そのことを見抜いていたアディに追い込まれます。

アディはモーゼにアゴの感じが自分と似ている。モーゼは自分のパパだと言います。なにを言ってるんだと相手にしないモーゼにアディが先制攻撃。

If you ain’t my pa, I want my two hundred dollars. パパじゃないっていうなら、200ドルはわたしのものよ。

◎英語メモ

ain’t~ (発音はエイン~トという感じ)  正しくは “aren’t~” で “are not~”を省略したスラング

何を言ってるんだと慌てるモーゼ。あくせくと言い訳しながらアディに「ジュースとホットドッグを食べなさい」っと何回もくり返して誤魔化そうとします。

Now drink Nehi and eat Coney Island.さっさとジュースを飲んでホットドッグでも食べてろ。

◎英語メモ

Nehi ニーハイというブランドのフルーツジュース 後にRCコーラというブランド名になる

Coney Island ホットドッグの名称。ニューヨークにあるネイサンズという店から有名になり、アメリカ中西部では、その発祥の地であるコニーアイランドという場所がホットドッグの代名詞になっている。

ハンバーガーといえばマクドナルドというイメージと似ています。

このシーンでのモーゼはまさかアディを利用して得た示談金を使い込んだことをアディに追及されて慌ててふためいているところが笑えます。

思わぬ事態にモーゼは使い込みを認めつつも、示談金は自分にも権利があると主張します。

みずしらずの自分がアディに示談金の交渉、汽車やミズーリ州にいる叔母へ電報の手配までしたのだから手数料をとって当然だと苦しまぎれにアディに言いかえしますが、またしてもアディに反撃されます。

アディ:

If you don’t give me my two hundred dollars I’m gonna tell a policeman how you got it and he’ll make you give it to me because it’s mine.  200ドルくれないのなら警察につきだすわよ。それはわたしのお金なんだからね。

モーゼ: But I don’t have it!  もうないよ。

アディ: Then get it! なら稼ぎなさいよ。

とうとう値を上げたモーゼは先に予約した汽車をキャンセルして、ミズーリ州への電報も到着が遅れると変更し、アディとふたり車で旅をすることになるのです。

Keep Your Sunny Side Up/Hide The Side That Gets Blue

旅をするにつれ、モーゼはところどころで小銭を稼いでいきます。その手法は新聞の訃報をもとに亡くなった家の未亡人にインチキな聖書を売りつけるといったもの。

子供は車に隠れてろといわれたアディですが、飲みこみの早いアディはモーゼの詐欺手法をちゃっかり見てやりかたを盗んでいました。

そして、モーゼが詐欺をしているときにバレそうになるとアディが子供である自分の立場を利用してうまく乗り超えてしまうという場面が増えてきます。

貧しい時代をよく理解しているアディは貧しそうな家族にはタダで聖書をあげてしまい、裕福な家庭からはモーゼの売値8ドルよりも3倍の高値で売りつけたりしています。

Paper Moon (4/8) Movie CLIP – Calling the Shots (1973) HD

モーゼよりもアディのほうがよっぽど商売の才能があるなというところも面白いところです。

アディの賢さや度胸の良さが功をせいして二人の稼ぎは305ドル16セントと増えていきます。気をよくしたのかアディはラジオから流れる曲にあわせて楽しそうに口ずさみます。

keep your sunny side up, up♪ 明るい顔を上に向けて

hide the side that gets blue♪  暗いことは隠しておこう

いっぽうのモーゼは儲かってきているとはいえアディのペースで進んでいくことがいまいち面白くありません。アディが微笑みかけても不機嫌そうです。

車を走らせていくと、道中でエンコしている車と貧しそうな家族の前を通り過ぎます。ふびんに思ったアディはあの家族に少しお金を分けてあげようといいますがモーゼはそんな必要ないと突っぱねます。

アディ: They’re poorly. かわいそうじゃない。

モーゼ: The whole country is poorly I told you before. 国中が貧しいんだぞ。

アディ: But Franky said to take care for people.  大統領(フランクリン・ルーズベルト)が助けあえっていったじゃない。

モーゼ: I don’t care about Frank Roosevelt. しるか。

アディ: He says it. でも、大統領は言ってるわ。

モーゼ: That so? He’s taking care of himself. じゃ、大統領の暮らしぶりはどうだ?

You think he don’t eat off silver trays? He could eat off table tops like the rest of us. He don’t. 食事は銀のトレーだ。 しかもそれを直にテーブルに置いたりしない。

◎英語メモ

he don’t eat off silver trays?  正しくは he doesn’t eat off silver trays? 三人称単数が出てきた場合は”does”を使うのですが、モーゼの使い方は略式でスラング的な話し方をしています。

You know why? Because that would make him look common. なんでかわかるか?みすぼらしく見えるからだ。

Besides, he ain’t running this. I am. こんな商売だってしてない。立場がちがうんだ勝手なこと言うな。

アディ: $200 belongs to me, don’t forget. 200ドルはわたしのよ 忘れないで。

モーゼ: You want it? Put my share in my pocket and I’ll take you to a train station. You like that? いるなら金をわけて駅まで送ってやるぞ。

せっかく稼いでもお互い貧しさに対する気持ちにはズレがあるようで、毎回喧嘩になってしまいます。

You Still Owe Me 200 Dollars

Paper Moon (8/8) Movie CLIP – Together Again (1973) HD

アディとモーゼは口喧嘩はしましたが、こと詐欺を働くときはお互いのコンビネーションがとてもうまく行っていました。

そして憎まれ口ばかり叩いていますが、アディは内心ではモーゼが自分のパパだったら良いなと思っていたのです。

旅も終わりがきます。ミズーリ州の叔母の家に到着したアディはついにモーゼと別れの時がきました。

叔母の家はアディが憧れていたものがすべてそろっていました。暖かいお湯が入ったお風呂、本物のピアノがあるおうちです。けれど、アディはせっかく迎え入れてくれた叔母の家を飛び出してしまいます。

何か欲しいものを簡単に手に入れてしまうよりも、そこに苦労しながらも向かっている方が幸せなのかもしれません。

アディとわかれたモーゼはトラックを止めて写真を眺めていました。その写真にはアディが作りもののペーパームーンに座って記念撮影した写真で「アディからモーゼへ」と添えがきがしてあります。

すると、送り届けたはずのアディがモーゼを追いかけて走ってきます。

モーゼ:I told you, I don’t want you ridin’ with me no more. もうお前とはこりごりだって言っただろう。

アディ:You still owe me two hundred dollars. まだ200ドル返してもらってないわ。

最初のシーンからずっと出てきているフレーズでアディが「まだ200ドル返してもらってない」と言い、またしてもモーゼと対峙ます。

そうこうしてるうちにブレーキの効かないポンコツなトラックが走り出してしまい、二人は慌ててトラックに乗り込みます。これは二人の人生がふりだしに戻り、どこまでも続くことを連想させてくれます。

まとめ

貧しいながらもたくましく生き抜いていく親子のやりとりが観ていてほのぼのできる『ペーパームーン』を通して英会話フレーズを紹介しました。

モーゼが本当のパパであってほしいと心の中で信じているアディの姿が観ているものの気持ちをしっかりと掴んでいます。

『ペーパームーン』で流れる曲の歌詞♪

Say it’s only paper moon  それはただの紙の月

Sailing over a cardboard sea ボール紙の海に浮かんでる

But it wouldn’t be make-believe if you believed in me 

でも、もしあなたが信じてくれたら本物のお月さま

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