親子の名コンビぶりが楽しい!『ペーパームーン』名作に学ぶ英会話

コメディ

なにかにつけてすぐ喧嘩になってしまうけれど、 心のなかではとても必要だと思っているし好きなのに素直につたえられない…そんな気持ちがよく描かれている名作『ペーパームーン』を紹介します。

紙でつくった三日月(ペーパームーン)のようなニセモノの親子関係なのに、旅を続けていくうちに本当の親子以上の気持ちが生まれていくコメディ映画です。

貧しいながらもたくましく生き抜いていく親子のやりとりが観ていてほのぼのしてくるシーンに登場する英会話フレーズを紹介します。

映画を楽しみたい人にはもちろん、映画で英語を学びたいと思うひとにも最適な作品です。

ペーパームーン1973 ポスター

(c) Paramount Pictures

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引用:MIHOシネマ

『ペーパームーン』映画のセリフや名言に学ぶ英語フレーズ

かけ引き上手なアディ I Want My 200 Dollars

モーゼはアディの母親の件でアディをダシにして事故をおこした相手に示談にしようともちかけます。相手は自分は関係ないと言い張りますが、モーゼは適当ないいがかりをつけて示談金を手にします。

まんまと示談金を手にいれたモーゼは用済みになったアディを追いはらい一件落着といこうとしましたが、そのことを見抜いていたアディに追いこまれます。

アディはモーゼにアゴの感じが自分と似ているからモーゼは自分のパパだと言います。

なにを言ってるんだと相手にしないモーゼにアディが先制攻撃。

If you ain’t my pa, I want my two hundred dollars.

パパじゃないって言うなら200ドルはワタシのものよ。

◎英語メモ

ain’t~ (発音はエイン~トという感じ)  正しくは “aren’t~” で “are not~”を省略したスラング

Nehi And Eat Coney Island

Paper Moon (1973)
Tatum O'Neal and Ryan O'Neal in Paper Moon (1973)

何を言ってるんだと慌てるモーゼ。あくせくと言い訳しながらアディに「ジュースとホットドッグを食べなさい」っと何回もくり返して誤魔化そうとします。

Now drink Nehi and eat Coney Island

さっさとジュースを飲んでホットドッグでも食べてろ。

◎英語メモ

Nehi ニーハイというブランドのフルーツジュース 
   後にRCコーラというブランド名に変更

Coney Island ホットドッグの名称でニューヨークにあるネイサンズという店から有名になり、アメリカ中西部では、その発祥の地であるコニーアイランドがホットドッグの代名詞となる。

マクドナルドというとハンバーガーをイメージしやすいように、コニーアイランドといえばホットドッグ🌭というくらい有名です。

このシーンでのモーゼはまさかアディを利用して得た示談金を使いこんで新車を買ったことをアディに追及されて慌ててふためいているところが笑えます。

アディのツッコミにモーゼは使いこみは認めつつも、示談金は自分にも権利があると主張します。

みずしらずの自分がアディに示談金の交渉、汽車やミズーリ州にいるアディの叔母へ電報の手配までしたのだから手数料をとって当然だと苦しまぎれにアディに言いかえしますが、またしてもアディに反撃されます。

アディ:

If you don’t give me my two hundred dollars I’m gonna tell a policeman how you got it and he’ll make you give it to me because it’s mine.  

200ドルくれないのなら警察につきだすわよ。それはわたしのお金なんだからね。

モーゼ: But I don’t have it!  もうないよ。

アディ: Then get it! なら稼ぎなさいよ。

とうとう値を上げたモーゼは先に予約した汽車をキャンセルして、ミズーリ州への電報も到着が遅れると変更し、アディとふたり車で旅をすることになるのです。

世界大恐慌にも負けない前向きな歌 Keep Your Sunny Side Up

旅をするにつれ、モーゼはところどころで小銭を稼いでいきます。その手法は新聞の訃報をもとに亡くなった家の未亡人にインチキな聖書を売りつけるといったもの。

「子供は車に隠れてろ」とモーゼに言われ最初こそ大人しくしていたアディですが、のみこみの早いアディはモーゼの詐欺手法を見ているうちにそのやり方を覚えていきます。

そして、モーゼが詐欺をしているときにバレそうになるとアディが子供である自分の立場を利用してうまくノリ超えてしまうという場面が増えてきます。

1929年にアメリカで起きた株価暴落による世界大恐慌で誰もがたいへんな時代だというのにアディは貧しそうな家族にはタダで聖書をあげ、裕福な家庭からはモーゼの売値8ドルよりも3倍の高値で売りつけたりしています。

しかし、アディのしっかりぶりも可愛げがあってどこかニクめません。

モーゼよりもアディのほうがよっぽど商売の才能があるというところも面白いところです。

アディのスマートさや度胸のよさが功をせいしてふたりの稼ぎは305ドル16セントと増えていきます。気をよくしたのかアディはラジオから流れる曲にあわせて楽しそうに口ずさみます。

keep your sunny side up, up♪  明るい顔を上に向けて

hide the side that gets blue♪  暗いことは隠しておこう

いっぽうのモーゼは儲かってきているとはいえアディのペースで進んでいくことが面白くありません。アディがほほ笑みかけても不機嫌そうです。

車を走らせていくと、道中でエンコしている車と貧しそうな家族の前を通り過ぎます。ふびんに思ったアディは「あの家族に少しお金をわけてあげよう」といいますがモーゼはそんな必要ないと突っぱねます。

アディ: 

They’re poorly. かわいそうじゃない。

モーゼ: 

The whole country is poorly I told you before.

国中が貧しいんだぞ。

アディ: 

But Franky said to take care for people.  

大統領(フランクリン・ルーズベルト)が助けあえっていったじゃない。

モーゼ: 

I don’t care about Frank Roosevelt. しるか。

アディ: 

He says it. でも、大統領は言ってるわ。

モーゼ: 

That so? He’s taking care of himself.

じゃ、大統領の暮らしぶりはどうだ?

You think he don’t eat off silver trays? He could eat off table tops like the rest of us. He don’t.

食事は銀のトレーだ。 しかもそれを直にテーブルに置いたりしない。

You know why? Because that would make him look common.

なんでかわかるか?みすぼらしく見えるからだ。

Besides, he ain’t running this. I am.

こんな商売だってしてない。立場がちがうんだ勝手なこと言うな。

◎英語メモ

he don’t eat off silver trays?  正しくは he doesn’t eat off silver trays? 三人称単数が出てきた場合は”does”を使うのですが、モーゼの使い方は略式でスラング的な話し方をしています。

アディ: 

$200 belongs to me, don’t forget.

200ドルはわたしのよ 忘れないで。

モーゼ: 

You want it? Put my share in my pocket and I’ll take you to a train station.

You like that?

いるなら金をわけて駅まで送ってやるぞ。

せっかく稼いでもおたがい貧しさに対する気持ちにはズレがあるようで、アディとモーゼは毎回喧嘩になってしまいます。

温かい気持ちにさせてくれるセリフ You Still Owe Me 200 Dollars

アディとモーゼは口喧嘩はしましたが、こと詐欺を働くときはお互いのコンビネーションがとてもうまく行っていました。

そして憎まれ口ばかり叩いていますが、アディは内心ではモーゼが自分のパパだったら良いなと思っていたのです。

旅も終わりがきます。ミズーリ州の叔母の家に到着したアディはついにモーゼと別れの時がきました。

叔母の家はアディが憧れていたものがすべてそろっていました。暖かいお湯が入ったお風呂、本物のピアノがあるおうちです。けれど、アディはせっかく迎え入れてくれた叔母の家を飛び出してしまいます。

何か欲しいものを簡単に手に入れてしまうよりも、そこに苦労しながらも向かっている方が幸せなのかもしれません。

To Moze From Addie

Paper Moon (1973)
Tatum O'Neal in Paper Moon (1973)

アディとわかれたモーゼはトラックを止めて写真を眺めていました。その写真にはアディが作りもののペーパームーンに座って記念撮影した写真で「アディからモーゼへ」と添えがきがしてあります。

すると、送り届けたはずのアディがモーゼを追いかけて走ってきます。

モーゼ:

I told you, I don’t want you ridin’ with me no more. 

もうお前とはこりごりだって言っただろう。

アディ:

You still owe me two hundred dollars. 

まだ200ドル返してもらってないわ。

「まだ200ドル返してもらってない」

またしてもモーゼに噛みつくアディ…このセリフはたえず映画に登場します。

ケンカばかりのふたりですが、そうこうしているうちにブレーキの効かないポンコツなトラックが走り出してしまい、ふたりは慌ててトラックに乗りこみます。

これはふたりの人生が振り出しにもどり、どこまでも続くことを連想させてくれるハッピーエンディングと言えるでしょう。

まとめ

Paper Moon (1973)
Tatum O'Neal and Ryan O'Neal in Paper Moon (1973)

『ペーパームーン』では、映画のセリフや名言に学ぶ英語フレーズを紹介しました。

ニセの親子とはいえ、貧しいながらもたくましく生き抜いていくふたりには映画を観終わるとなんともほのぼのしたよい気持ちにさせてくれます。

アディとモーゼは実生活ではホンモノの親子ということもあり、息のぴったりした演技がみれます。

モーゼが本当のパパであってほしいと心の中で信じているアディの姿が観ているもののハートをしっかりと捉えています。なんともよい気分にさせてくれる名作です。楽しめることはもちろん、英語の勉強にも役立つ作品なのでぜひ観てください。