アルコール依存症パイロットの語る自由とは?『フライト』映画に学ぶ英語

ドラマ

健康でいるためには、適度な睡眠、おいしい食事、良好な人間関係など楽しく生きる要素がかかせません。

なんにせよ、自分なりの正直な健康法を見つけることが大切です。

仕事もうまく業務をこなせたとしても心に抱えている問題がいつまでも邪魔していたりしたら本当に健康とは言えません…映画『フライト』ではそんな気持ちとどう向きあうかのひとつの答えがあります。 

今回は、映画『フライト』を通して英会話フレーズを紹介します。

フライト 劇場ポスター

(c) Paramount Pictures

『フライト』プロット

Flight Official Trailer #1 (2012) – Denzel Washington Movie HD

旅客機のパイロット、ウィトカー機長(デンゼル・ワシントン)は旅客機を飛ばすのは3日で10往復するという労働環境としては不健全な日々を送っていた。

人の命をあずかるパイロットというストレスからなのかウィトカはアルコールやドラッグにどっぷり依存していた。フロリダ州オーランドからアトランタ行きのフライトがある日もCAでもある愛人 トリーナ(ナディーン・ヴェラスケス)と一緒の部屋で起き、コカインを吸って出勤するというありさまであった。

何ごともなかったように旅客機を飛ばすウィトカー機長。副操縦士に操縦をかわるとまた酒を飲み、寝不足から居眠りをしてしまう。

着陸が近づいてきたとき、飛行中に原因不明のトラブルに見舞われ、高度3万フィートから急降下を始める。機内は騒然となり墜落寸前までいったがウィトカーはとっさの判断で奇跡的な緊急着陸に成功。

トリーナを含む6人の犠牲者が出たがウィトカーは多くの人命を救い、一夜にして国民的英雄となる。しかし、自身も事故で気絶しウィトカーは入院先で受けた検査で血液中からアルコールとドラッグが検出されたことから、過失致死の疑いをかけられる……。

アルコール依存に苦しむウィトカー機長

Drinking My Whole Life

少数の犠牲者ですんだ事故とはいえ、誰かが責任を負わなければならない。

パイロットの過失責任がないことを立証しようと 、ウィトカーの友人でパイロット組合の幹事をしているチャーリー(ブルース・グリーンウッド)は、航空事故に長けている弁護士ラング(ドン・チードル)を雇い無実への筋書きを作っていきます。

チャーリー:

Remember, if they ask you anything about your drinking, it’s totally acceptable to say “I don’t recall”. もし何か飲んでいたかと聞かれても「覚えていません」と答えろよ。

ウィトカーは自分がアルコール中毒でそのことが事故とは関係ないことはわかっていても、事故調査の過程でウソをつくことが自分を追いつめていました。自分の人生がウソで固まっていると自覚していたからです。

ウィトカー機長:

Hey, don’t tell me how to lie about my drinking, okay? I know how to lie about my drinking. I’ve been lying about my drinking my whole life. おい、おれに飲酒のことで指図するなよ、わかったか。おれはサケのことでずっとウソを言い続けてきたんだ。生きてきた間ずっとな。

ウィトカーの依存症はかなり重症で抜け出そうと必死になるほど再び酒とコカインに手を出してしまいます。そんな矢先、ウィトカーの助けになってくれる女性ニコール(ケリー・レイリー)が現れます。

ニコールも母親を亡くしたショックで薬物依存になり、クスリの過剰摂取で気を失いウィトカーと同じ病院に運ばれ、病室を抜け出してこっそりタバコを吸っていたところ出くわしたのでした。

ふたりは依存症から抜け出すという似た境遇ということもありつき合い始めます。

しかし、ニコールはつき合ううちにウィトカーの依存症は自分以上に助けが必要だと気づきます。

事故や依存症から逃げる話をするウィトカーに「あなたは助けが必要よ」とうったえるニコール。

自分が悪いことはわかっていても素直になれないウィトカーは開き直ってしまいます。

ウィトカー:

I choose to drink! And I blame myself! I am happy to! And you know why? Because I choose to drink! I got an ex-wife and a son I never talk to! And you know why? Because I choose to drink!   好きで飲んでるんだ!ダメだって思っても!楽しいよ! なぜかわかるか? 好きで飲んでるからだ 女房と別れせがれは話もしない。どうしてかって? おれが酒を選んだからだ!

結局、ウィトカーは聞く耳を持たず喧嘩になりニコールは彼の元を去ってしまいます。

ニコールに去られ見方がいなくなってしまったウィトカーですが、飛行機事故をめぐる公聴会が近づいてきます。ここでもウィトカーを救おうと友人や弁護士はさまざまな手を打ち、打ち合わせ通りにウィトカーが証言することでウィトカーは身の潔白が証明できます。

しかし、なくなったスチュワーデス(愛人)の話がでたときウィトカーは自分に正直にならないと生涯ビクビクして生きていくことになると思い。事実を証言します。

人生ではじめての自由

For The First Time In My Life, I’m Free

事実を証言したウィトカー機長…当然ながら責任から逃れることはできません。何とかしてウィトカーを助けようとしてくれた周りの人たちの話を聞かなかった、もしくは聞けなかったことでみんな去ってしまいました。

しかし、失うものも多かったウィトカーですが、同時に得たものもありました。

つまり、この先は誰にもウソをつかなくていい、自分に正直に生きていけるという「自由」を手に入れたのです。

ウィトカーは責任を果たすために刑務所にいました。そこでかれは仲間に自分のそれまでのストーリーを話します。

It was as if I had reached my lifelong limit of lies.  I could not tell one more lie.  まるで生涯のウソをつき切ったみたいだった。 それ以上ウソをつけなかった。

Maybe I’m a sucker.  Because if I’ve told you one more lie, I could have walked away from all that mess. Kept my wing and kept my whole sense of pride.   たぶんバカだったのかも。 あともう一つウソをついたらこんなハメに陥らなくて済んだんだ。ニセの誇りをあげて空をとんでいた。

◎英語メモ

walk away from~ 立ち去る

More importantly I could have avoided being locked up here with all you nice folks last 13 months.  なにより、みんなとここにいることもなかった。 ステキなみんなと13か月もね。

But I’m here.  And I’d be here for at least next four or five years.  And that’s fair.

fair 正当

だが俺はここにいる。そして少なくともあと4、5年はいることになるだろう。当然だ

I betrayed public trust.   俺は国民の信頼を裏切ったんだ。

◎英語メモ

betrayed betray 「裏切る」の過去形

国の信頼、恋人や家族の信頼、仲間の信頼とあらゆる信頼を裏切ってしまったと話すウィトカーですが、正直な気持ちを話すことでウソで固めてきた人生から解放されたのでした。

For the first time in my life, I’m free. 人生ではじめて自由になった。

まとめ

『フライト』は全編にわたって緊迫感と気が重くなる映画ですが、アルコール依存に苦しむパイロットが生きる要素をとり戻し、返ってきてくれる仲間や家族がいることが救いです。

アルコールやドラッグばかりでなく、なにかの中毒から立ち直ることは相当な困難があることは映画を観ていてもすごく伝わってきます。

公聴会でウィトカー機長がどう受け答えしたのかは映画を観ていただくとして、健康にとって大切なことのひとつは自分に正直でいることだということが描かれています。

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