洋画タイトルには日本人がイメージしやすいようにオリジナルの英語タイトルとくらべて意味や訳そのものが違う場合があります。
たとえば
「恋人たちの予感/When Harry Met Sally…」
などオリジナルタイトルと邦題ではだいぶ表現がちがいませんか?
映画『隣のヒットマン』もそのひとつです…英語タイトルは「 “The Whole Nine Yards” 9ヤードすべて」ですが映画の内容がイメージしやすいようにタイトルが意訳されています。
今回は、英語の原題と邦題のちがいや解説など『隣のヒットマン』から映画のタイトルやセリフに学ぶ英語フレーズを紹介します。
映画は、ひとのいい歯医者がある日となりに越してきたプロの殺し屋にかかわったことでトラブルに巻き込まれるストーリー。
クライム・コメディだけあって事態は深刻なのにどこかマヌケで笑えるシーンがあって楽しい映画です。
本記事をよむと次のことがわかります。
- 映画の英語タイトルを意訳するときのアイデア
- ホンネは不満だけど現実を受けいれてる気持ちをあらわすひと言
- ケチャップに対するアメリカ人的なこだわり
- 客観的なことを伝えたいときにつかえるフレーズ
- 本当に大切なことを伝えたいときにつかえるフレーズ
オリジナルタイトルが意図するストーリー展開など細々したポイントを知ったうえで映画を観ると、より楽しく映画をみれるのではないでしょうか。
では、見ていきましょう。
The Whole Nine Yards『隣のヒットマン』あらすじ
引用:MIHOシネマ
The Whole Nine Yards『隣のヒットマン』タイトルやセリフに学ぶ英語
The Whole Nine Yards
映画の英語タイトル “The Whole Nine Yards”
直訳すると「9ヤードすべて」ですが、それだけだと何を言いたいのかわかりませんよね。
実はこのフレーズ、アメリカではセールストークで聞けるほど広くつかわれている言い回しで「一切合切、考えられるモノすべて、全部まとめて」という意味です。
つかい方ですが、たとえばあなたが英会話スクールでどんなことが学べるのか聞きに行ったとします。
すると、英会話スクールの窓口はペラペラと営業トークをしてきます。
We have wonderful classes. We a teacher like this, we have a teacher like that and the whole nine yards.
うちの授業はすばらしくて、こんな先生もいるし、あんな先生もいる。
あなたが望むものはすべてありますよ。
語源やコトバの由来を調べてみるとさまざまあるのですが、どれも仮説めいていてハッキリしたところはありませんでした。
第二次大戦中にマシンガンにつかう装弾ベルトが9ヤードあって敵を攻撃するときベルトの弾をつかいきる勢いで相手を倒せという話もあり、これなどは「あらゆるものすべて」という点でイメージしやすいと言えます。
「すべて」を表すのに The Whole Nine Yards をつかうと日本人からすると聞きなれたいフレーズだけに意味が定着しづらいかもしれえませんね。
でも、馴染みのないフレーズだけに覚えておくと英会話のなかで突然そのフレーズが出たとしても困らなくてすむはずです(^^♪
映画のなかで The Whole Nine Yards は、タイトルだけでセリフには出てきません。
けれど、ストーリーの流れには沿っていて
「主人公は、人生いろいろと大変だけど、なんだかんだと自分が望むものを手にいれている。」
という視点から「The Whole Nine Yards すべてのもの」という発想がでてきたのでしょう。
Afraid So
映画のシーンにもありますが日常英会話でよく出てくる 「afraid / 恐れて」をつかったフレーズをみてみましょう。
気のいい歯医者オズが隣に越してきた殺し屋ジミー・ザ・チューリップ・チュデスキと世間話をしているシーンです。
You’re a dentist?
アンタ、歯医者なのかい?
Oz:
Afraid so.
まあ、そんなとこだよ。
引用:IMDb
◎英語メモ
afraid は「恐れて」のほかに「残念ながら~」という意味があります。
映画のシーンでオズがチュデスキから職業を聞かれて心の中では歯医者という仕事から抜けだしたいけれど他に選択肢もないと言わんばかりの気持ちがあらわれています。
気分はノッていないけれど認めざるを得ない…そんな気持ちのときによくでるフレーズです。
Ketchup
Jimmy “The Tulip” Tudeski:
Every red-blooded American knows that the only condiment you are ever supposed to put on a hamburger is ketchup!
ジミー・ザ・チューリップ・チュデスキ
血の通ったアメリカ人ならハンバーガーといえばケチャップだ!
引用:Rotten Tomato
◎英語メモ
condiment 調味料
このシーンはアメリカ人にとっての国民的調味料はケチャップだと強調しています。日本人にとっての醤油みたいなものです。ヨーロッパやカナダではハンバーガーにケチャップよりもマヨネーズをつける習慣があるみたいですね。
映画「パルプフィクション」のワンシーンでもアメリカ人の殺し屋ふたりがヨーロッパではハンバーガーにマヨネーズをつけることに信じられないといった雑談をしています。
Under The Circumstances
殺し屋ジミー・ザ・チューリップ・チュデスキとかかわりを持ってしまったがためにトラブルに巻き込まれるオズですが、このシーンはチュデスキの妻シンシアから身の上ばなしを聞いているうちにオズはクールな美女シンシアにホレてしまいます。
じぶんのことも守れそうもないオズがいったいどうやってシンシアを守るのか?それでも、寄りそって話を聞いてくれてオズに対してシンシアが言ったセリフがなんともクールでカッコイイ。
Oz:
I swear, I am not gonna let anybody kill you.
キミの命はボクが守って見せる
Under the circumstances, I think that’s probably the most romantic thing anyone’s ever said to me.
この状況にあう ロマンチックなセリフね
引用:IMDb
◎英語メモ
under the circumstances この状況からして
トラブルが起きていることに対して冷静に状況をみつめる様子をつたえるカッコいいフレーズです。
What’s Important Is
ものごとの本質やじぶんの本当の気持ちをつたえたいときにピッタリな前置きフレーズ。
オズの妻が保険金目当てにチュデスキに暗殺の依頼をしてきたとオズに話します。チュデスキははした金の仕事などしないしオズのことが気に入ったともいいます。そしてオズの妻は悪党だとも。
たくさんの殺しをしてきたチュデスキに妻を悪党よばわりされえてオズも反論しますが、そこでチュデスキがオズに対して切なげに語るシーンがあります。
It’s not important how many people I’ve killed. What’s important is how I get along with the people who are still alive.
何人殺したかなんて問題じゃない まだ生きている人間とどうつき合うかだ
引用:IMDb
◎英語メモ
what’s important is~ 大事なのは~である
人生、仕事、恋愛など状況はさまざまであれ本質的に大事なことは~だ。とホンネをかたるうえでつかえる言い回しです。
例文:
What’s important is we must finish this task by tomorrow; otherwise, we lose our job.
大事なのは明日までにこの作業を終わらせるってことだ、さもなきゃ仕事を失うぞ。
まとめ
『The Whole Nine Yards/隣のヒットマン』から映画のタイトルやセリフに学ぶ英語フレーズを紹介しました。
本記事をとおしてつぎのことを解説しています。
- 映画の英語タイトルを意訳するときのアイデア
- ホンネは不満だけど現実を受けいれてる気持ちをあらわすひと言
- ケチャップに対するアメリカ人的なこだわり
- 客観的なことを伝えたいときにつかえるフレーズ
- 本当に大切なことを伝えたいときにつかえるフレーズ
この邦題はオリジナルタイトルのどこに視点をおいてつけたのだろう?といった疑問をといていく感じで映画をみるとより楽しく映画をみれるはずです。
クライム・コメディだけあって事態は深刻なのにどこかマヌケで笑えるシーンがあって楽しい映画だし英語学習にも役立つのでチェックしてみたください!
クライム・コメディならこちらもオススメ