映画をつかって楽しく英語を学びたいとは思うけど、好みがマニアックだったりアクション映画が好きなひと向けにおススメな作品はあるだろうか…。
そこで今回は映画『マトリックス』を紹介します。ワイアー・アクションという言葉を有名にした映画でアクションが見どころです。
『マトリックス』は未来に起こるかもしれない人類の危機が描かれていてストーリーも単純とはいきませんが、セリフにつかわれている英語は単語さえ学んでしまえばむつかしい表現はありません。
なかには響きのカッコいい英語フレーズもあり、緊張感でいっぱいのストーリー展開がかえって英語を覚えるきっかけになったりします。
また、すべてのセリフを読むことができる「名作映画完全セリフ集スクリーンプレイ」からシリーズのひとつとして『マトリックス』が出版されているので英語学習の教材としても役立つことでしょう。
本記事では『マトリックス』をとおして映画のセリフに学ぶ英語とその勉強法について解説していきます。
では、さっそく見ていきましょう。
『マトリックス』あらすじ
引用:MIHOシネマ
『マトリックス』映画のセリフや名言に学ぶ英語フレーズ
The One
the one は特定のモノ、ヒトを表すときにつかう言葉ですが、『マトリックス』では「救世主」を指しています。映画の字幕では「救世主」をメインの日本語訳にしながら救世主を思わせる表現をつかってバリエーションをもたせてますね。
まずひとつ目は映画の冒頭にあるセリフ。主人公のネオこそが本物、つまり救世主だと言っていますね。
Morpheus believes he is the one.
モーフィアスは”本物だ”と
引用:IMDb
つぎのシーンは、コンピューターハッカーであるネオが伝説の人物を崇めていたモーフィアスと出会ったときのセリフです。モーフィアスの言葉はネオが「選ばれし者」つまり「救世主」だと告げられたシーン。
You are the One, Neo. You see, you may have spent the last few years looking for me, but I have spent my entire life looking for you.
君は”選ばれし者”だ、ネオ 君はわたしを捜していたようだが わたしは君を生涯 捜し続けてきた
引用:IMDb
このシーンでのセリフは字幕は「自分で」となっていて the one のつかい方がネオ自身のことを強調していると言ったほうが良いでしょう。「あなたこそが~だ。」とこれぞ決定版というニュアンスを強めるときにつかえるフレーズです。
I’m trying to free your mind, Neo. But I can only show you the door. You’re the one that has to walk through it.
入口までは案内した 扉は自分で開け
引用:IMDb
Last Chance
相手に念を押すときのお約束的なフレーズです。『マトリックス』ではモーフィアスがネオに赤か青のピルどちらかを選べと言っていますよね。ただし、よく考えてから行動しろよと念を押しています。
This is your last chance. After this, there is no turning back. You take the blue pill – the story ends, you wake up in your bed and believe whatever you want to believe. You take the red pill – you stay in Wonderland and I show you how deep the rabbit-hole goes.
やめるなら今だ 後ではもう遅い 青を飲めばここで終わる ベッドで目が覚め あとはお好きに 赤を飲めば このまま不思議の国の 正体をのぞかせてやろう
引用:IMDb
◎英語メモ
Wonderland 童話「不思議の国のアリス / Alice in Wonderland」を指している。
the rabbit-hole 「不思議の国のアリス」に出てくるウサギが忙しそうに入っていく穴のこと。
アリスがウサギを追いかけているうちに不思議の国に迷い込んでしまう物語りは知らないひとはいないという前提でモーフィアスはたとえ話につかっている。
Far From It
ネオは自分が機械に支配されていた現実を知ります。現実世界に目覚めたことを機械に気づかれネオは廃棄されてしまうのでした。そして機械と戦いつづけているモーフィアスたちはネオを救い、看護しているシーンでのセリフです。
Neo:
Am I Dead?
死んだのか?
Far from it.
いや 新しい誕生だ
引用:IMDb
◎英語メモ
Far from it. 直訳すると「そこからは遠い」となります…。
ここで出てくる it は死を意味しています。「死から遠いところにいる」つまり、ネオが機械の支配から逃れたというニュアンスで「いや 新しい誕生だ」とシーンにぴったりな日本語字幕になっているわけです。
ちなみに「Far from it. 」と似たような表現として 「Not far enough. まだ到達できていない。」というのがあります。
映画『インターステラー』のセリフに出てくるのでコチラもチェックしてみてください。
What Is Real?
現実とは何だ? なんだか哲学的な問いかけですね。セリフ自体は難しそうなことを言っていますが “what is ~?” や “how do you ~?” など何かをたずねるときのフレーズを覚える例文として覚えておくとリスニングやスピーキングの練習につかえます。
What is real? How do you define ‘real’? If you’re talking about what you can feel, what you can smell, what you can taste and see, then ‘real’ is simply electrical signals interpreted by your brain.
現実とは何だ? 明確な区別などできん 五官で知覚できるものが現実だというなら それは脳による電気信号の解釈にすぎない
引用:IMDb
◎英語メモ
interpreted 「解釈する、通訳する」の過去形
Dodge This
映画で英語を覚えるときのメリットの一つに映画は響きのカッコいいセリフがでてきます。
女性士官のトリニティーが敵であるエージェントを倒すシーン。”Dodge this.”というセリフは、日常英会話で話されるかというと正直なところ、つかうチャンスは少ないかもしれません( 一一)
しかし、英語フレーズはたくさん知っておいてデメリットはないので英語の引き出しネタとして覚えてみてはいかがでしょう。
「よけてみな」とクールなトリニティーのセリフがシーンと相まってカッコいい!
[Pointing a gun point-blank at an agent’s head] Dodge this.
(エージェントの頭に銃口をあてて)よけてみな
引用:IMDb
A Difference Between Knowing The Path And Walking The Path
うすっぺらい知識だけで何かに取りくんでも時間だけ消耗しておわってしまうというのはリアルな社会でもありうる話ですよね。大変でも実務をこなしてこそ本当のチカラが身につくというのは人生の本質ではないでしょうか。
『マトリックス』は、人間の潜在的な能力「気づき」を描くシーンとセリフがよく出てきます。つぎのセリフは名言ともいえるフレーズ。モーフィアスは何かをマスターすることは実践がともなわない知識だけではダメだと説いています。
Neo, sooner or later you’re going to realize just as I did that there’s a difference between knowing the path and walking the path.
ネオ、君も今にわかるときがくる 道を知ることと 実際に歩くことは違う
引用:IMDb
『The Matrix / マトリックス』観るならUNEXT
『マトリックス』スクリーンプレイを使って英語学習
映画で英語学習するときおススメなのが「名作映画完全セリフ集スクリーンプレイ」です。
スクリーンプレイの特徴として、例えば『マトリックス』を観ていて聞きとれなかったセリフもこの本を読むことで何と言っていたのかがわかります。
セリフには背景解説もあり、映画のシーンを思い浮かべながら英語が学べるのところがもうひとつのメリット。
英語力があるというとリーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの4つがつかいこなせていることを言いますが、流暢につかいこなすには練習が必要ですよね。
その点、スクリーンプレイは見開き左ページに英語のセリフとフレーズの解説、右ページが日本語訳が載っているので英語力(特にリーディングとリスニング)を強化するのに最適と言えるでしょう。
具体的な学習方法としては、『マトリックス』を観おわった後に「あそこは何て言っていたんだろう?」と気になったセリフがあればスクリーンプレイでその場所を確認してセリフを何回も聞きながら読みかえしてみる。
リーディングやリスニングを上達させるには英語を理解したうえでセリフをくり返し見聞きしていくことが大切です。
また、スピーキングの練習で効果的なのは、なんども聞きかえして学んだ英単語や、英語フレーズをつかって自分で簡単なオリジナルフレーズを作ってみることです。
『マトリックス』にもカンフーのデータを頭にインプットしたネオが実践プログラムのなかでモーフィアスと実技をかさねワザに磨きをかけていくシーンがあります。
英語も非常によく似ていて、インプットした英語を実際につかってアウトプットさせると英語がからだに定着していきます。
また、フレーズが溜まってきたら腕試しに英会話スクールでスピーキングのトレーニングをしてみるのも良いでしょう。
まとめ
『マトリックス』をとおして映画のセリフに学ぶ英語フレーズの紹介をしました。
劇中に気になったシーンや聞きとれなかったセリフの確認したり単語やフレーズを勉強すにはスクリーンプレイをつかうのがおススメです。リーディングやリスニングの強化するのに役に立ちます。
楽しみながら英語学習できる映画とスクリーンプレイをぜひチェックしてください。
『マトリックス』が公開されたのは1999年なので、すでに20年以上が経ちました。余談ですが、世界はテクノロジーの発達で便利になりましたが『マトリックス』で描かれていた世界もだんだんと現実味を帯びている感じがしないでもありません。
くれぐれも映画の世界だけにしておいてほしいですね。