頼みごとをされたときに、内心、できるかなぁ…と思いつつも
できるよ!
と英語で答えたいとき何て言ったらいいだろう?
そこで今回は、トム・ハンクスが初めて監督した青春映画”That Thing You Do”(邦題:すべてをあなたに)を通して「できる」を表わす英語フレーズ
“I can handle it.”
を紹介します。

Company Credit: 20th Century Fox
出典:IMDb
『すべてをあなたに』あらすじ
若者がロックンロールに熱中していた1964年のアメリカ。父親の電気屋を手伝うガイ・パターソン(トム・エヴェレット・スコット)はジャズとドラムが大好きな青年。
ある日、コンテストに出演するバンド、ワンダーズのドラマーが骨折して出られなくなり代役をたのまれる。
ワンダーズの持ち歌 “That Thing You Do” を演奏するガイ。もともとスローテンポの曲だったものを勝手にアップテンポにアレンジして演奏してしまう。
リーダーは「おい、もっとスピード落とせよ!」と注意してもガイはノリノリでドラムを叩きっぱなし。でも、これが大うけで観客はおおよろこび。バンドはコンテストでみごと優勝。
そして、バンドは次第に話題になっていき、ついに音楽業界のプロ!ミスター・ホワイト(トム・ハンクス)プロデュースによるデビューが現実に!
ミスター・ホワイトと共にバンドはツアーに出て次々に人気をあげていき、全米ネットワークのテレビ番組に出演も決まりいよいよアメリカ中で人気を確実なものにしようとしていた。
しかし、成功が大きくなるにつれてメンバーそれぞれの気持ちがズレはじめ…。
ベースプレイヤーのカッコいいソロと英語フレーズ

Handle=操作する
バンドは成功し、いよいよ全米中がみるテレビ番組に出演しようとしていた。
しかし、軍に入隊することを夢見ていたベーシストはみんなで泊まっていたホテルで会った軍人たちと意気投合してしまい、そのまま遊びに行ってしまう。
いつまでも戻ってこないベーシストに見かねたプロデューサーのミスター・ホワイトはウルフマンという代役を連れてきます。
ワンダーズのメンバーはミスター・ホワイトにウルフマンの仕事ぶりを聞きますが、彼はワンダーズの曲が弾けるのかと質問をします。
するとウルフマンは答えます。
I think I can handle it, Junior
問題ないよ、ジュニア。
少し上から目線かつ余裕でカッコいいベースソロを弾きはじめます。
ウルフマンのベーステクニックに圧倒されるワンダーズの面々。
では、動画をつかってシーンを観てみましょう。
ミスターホワイト:
I don’t know where he is, but he was joining the marines in August anyway.
ベーシスト(オリジナルメンバー)がどこに消えたか知らないが、どのみち彼は8月に海軍に入隊しただろうに。
This was gonna happen sooner or later.
だから遅かれ早かれいなくなったよ。
Guy, say hello to Wolfman, Mr. Scott Pell.
みんなこちらはウルフマンことミスター・スコット・ペルだ。
ワンダーズ:
Replacement?
代わりかい?
ミスターホワイト:
Yes.
そう。
ワンダーズ:
Who’s he played with?
誰と演ってた?
ミスターホワイト:
The Techniques… uh, Roy Maxwell and The Corsairs.
ザ・テクニックス・・・そうだ、ロイ・マッスクウェル・アンド・ザ・コースエアーズとか。
He’s your new bass player.
彼は君たちの新しいベースプレーヤーだ。
新しいベーシストを紹介されたものの、ワンダーズはそれまで一緒にやってきた仲間はどうする?と困惑します。そこでミスターホワイトにひと言。
ワンダーズ:
Mr. White-no offense- we’ve been together for a while.
ミスター・ホワイト 文句があるってわけじゃないけど、僕たち長いことやってきたから(新しいベースプレーヤーと言われても。)
ミスターホワイト:
There aren’t a lot of options here, Guy.
君たち…選択肢は大してないぞ。
ワンダーズのメンバーも新しいベーシストといっても、新入りにワンダーズの曲が弾けるのか懐疑的です。そこでメンバーのひとりがウルフマンの腕前はどうなんだと聞きます。
ワンダーズ:
Can he handle our tune?
僕らの曲弾けるの?
ここで本記事で紹介したい英語フレーズが登場します!
ウルフマン:
I think I can handle it, junior.
問題ないよ、ジュニア。
ベースソロ♪
ワンダーズ:
– Okay. – All right.
なるほど。 いいね。
解説①:
頼みごとをされたときに
カンタンとは言わないけれど「できる」というニュアンスを表現するには
I can do it.
よりも
I can handle it.
と言ったほうが「何とかこなせる」というニュアンスが伝わります。
handleは「操作する」という意味をもつ動詞で、代役のウルフマンがワンダーズの曲を「操作できる」つまり「曲が弾ける」という言い回しに使っています。
例文:
I’ve heard Professor Thomas’ exam is quite difficult to pass.
Are you ready for that tomorrow?
トーマス教授の試験は難しいって聞いたけど明日大丈夫か?
Yes, I can handle it.
ああ、なんとかね。
Junior=後輩の、年下の、3学年(4年制大学)
解説②:
handle it のあとにウルフマンは junior と呼びかけるように言っていますよね。この表現は先輩から後輩によく言うフレーズです。
ウルフマンの指には結婚指輪らしきものが映っているし、よく見るとワンダーズよりどこかオジサンくさい感じがします…。
僕らの曲が弾けるのかと聞かれ、少したしなめる感じで答えています。
そりゃできるさ!
と言わんばかりに junior をつけて念押ししている感じです。
例文:
Greg is junior to Bob by three years. グレッグはボブより3歳年下です。
Hey Junior, did you make up your mind about where we’re going to eat?
よう、若いの。どこに食事に行くか決めたかい?
まとめ
ストレートに「できる」というより、少し手間はかかるけど「なんとかできる」というニュアンスを表わすときに
I can handle it.
を覚えておくと使い勝手がよいです。
また、歳下の誰かと話すときに
junior
を使うと少し身近な感じを受けます。
もちろん、映画に出てきたベースプレイヤーのウルフマンように少したしなめた感じで使うときでもOK(^^♪
『すべてをあなたに』は、素朴でカラフルな感じのする1960年代のアメリカで音楽をとおして青春時代をおくった若者たちのライフスタイルをみることができます・・・なんど聴いてもノリノリになれるロックンロールが最高です。
また、音楽で成功するためのショービズ的な側面もみることができて楽しめる映画なのでぜひ観てください。