英語学習はスポーツをマスターしていくプロセスが似ています。
すなわち、学んだ技をくり返し練習することです。
いま、英語を勉強しているけど早く上達したい!
どうしたら英語の上達スピードをアップさせられるだろう?
そんなとき映画を英語学習に加えてみてください。
本記事では、映画のセリフや名言をとおして英語力をアップできるスポーツ映画を紹介。
スポーツ映画の多くはひらめきや思いきった考えで成果をあげるための反復練習をする姿を見ることができます。
本記事を読むと次のことがわかります。
- 前向きに進むためのモチベーションに役立つセリフや名言が学べる
- 映画を通して楽しく英語を勉強できる方法がわかる
クール・ランニング
あらすじ
ジャマイカでは、ソウルオリンピック競技の陸上代表選手を決めるレースが行われていた。
金メダルの期待をしょっていたデリース・ノバック(レオン・ロビンソン)。
予想どおりの走りを見せていたデリースだが、べつのレーン走者ジュニア(ロール・D・ルイス)が転んでしまう。
すると、もうひとりの走者ユル・ブレナー(マリク・ヨバ)巻きこまれ三人ともどもビリになってしまう結果に。
父も金メダリストだったデリースはメダルを諦められない。
そのとき、かつてボブスレーの金メダリストだったアービング・プリッツァー(ジョン・キャンディー)というアメリカ人がジャマイカにいるとを知る。
「よし、陸上がダメならボブスレーで金メダルを獲ろう!」
デリースは親友のサンカ・コフィ(ダグ・E・ダグ)を誘い、アービングにコーチを頼むのだった。
そして、ジュニア、ユルも入れた四人のチームはカルガリー冬季オリンピックをめざすのだった。
しかし、雪のないジャマイカ、どこか訳アリのコーチ、団結力のない四人と問題がいっぱい…。
クール・ランニング セリフや名言に学ぶ英語フレーズ
A Gold Medal Is A Wonderful Thing
このシーンは、勝負におけるプレッシャーに間違った気持ちを持ったことに後悔するコーチのセリフがあります。
コーチのアービングは金メダルをふたつ持っていた。
「一度でも勝利を味わうと勝ちつづけなければならない。」
しかし、そのうちのひとつは違反行為でメダルをはく奪されていたことがわかります。
デリースはアービングになぜ違反をしてまでと聞くと次のように答えたのでした。
Derice, a gold medal is a wonderful thing.
デリース 金メダルは最高だ
But if you’re not enough without one, you’ll never be enough with one.
だけどな メダルが相応しい人間にならなきゃ メダルを獲ったって半人前のままだ
引用:IMDb
◎英語メモ
セリフに出てくる one は a gold medal を指している。
Let Me Tell You What I See
威厳ある父親というのはときに子どもからみたら怖すぎる存在に。
気弱なジュニアをチームメイトのユルがみずからをふるい立たせる言葉を連呼させるシーン。
Yul Brenner: Look in the mirror, and tell me what you see!
鏡を見てみろ おまえに何が見える?
Junior Bevill: I see Junior.
ジュニアだけど。
Yul Brenner: You see Junior? Well, let me tell you what I see. I see pride! I see power!
ジュニアだと 俺には何が見えるか教えてやる プライドだ!それにパワー!
I see a bad-ass mother who don’t take no crap off of nobody!
だれかにコケにされたら 黙っちゃいないたくましい男だ!
引用:IMDb
◎英語メモ
Let me tell you what I see. わたしにはどう見えるか言ってあげる。
日常会話によくでるフレーズで、誰かに質問したあとにじぶん自身はどう思うかをつたえるときに使えます。
Cool Running!
Feel the rhythm! Feel the rhyme! Get on up, its bobsled time! Cool Runnings!
リズムを感じろ! 一発ぶっ放せ! クール・ランニング!
引用:IMDb
映画のハイライトでもあるシーンでじぶん達をふるい立たせ団結するためのセリフです。
コーチからボブスレーの技術を教わったあと
じぶん達で目いっぱい楽しんで競技にチャレンジしよう!
という気持ちが込められています。
映画タイトルでもある Cool Running の意味を教えてくれるシーンもあってそこではこう言っています↓
Cool runnings means “Peace be the journey”.
クール・ランニングの意味は「いい旅を」ってことさ。
引用:IMDb
マネーボウル
あらすじ
野球チーム、オークランド・アスレチックスは主力選手を続けて引き抜かれてしまい、リーグ戦で勝利することは極めて困難な状況に追いやられる。
しかし、球団のジェネラルマネージャーのビリー・ビーン(ブラッド・ピット)が限られた予算のなかで球団を立て直していくという物語り。
劇中、ビリーはイエール大出の青年ピーター(ジョナ・ヒル)を仲間に迎え、サイバーメトリックスという統計学を駆使した選手のスカウトや試合運びで連続20勝という快挙をなしとごげる。
経験や直感だけに頼っていた野球界に新しい戦術を示したかのように見えましたが、球界で長いことやってきたスカウトマンたちや監督からは理解されず反発されるばかり…。
マネーボウル セリフや名言に学ぶ英語フレーズ
Baseball Thinking Is Medieval
引き抜かれて空いてしまったポジションを埋めるため、ビリーは選手獲得と資金繰りにため別の球団に打診します。
話はあっさり断られてしまったビリーですがピーターというそれまでの野球界にはいなかったタイプの人間から興味深い話を聞いて彼を仲間に迎える決断をします。
ピーターの話は「野球界は古臭い」つまり、球団は強い選手に大金を払ってばかりでは強いチームを作れていない。
Baseball thinking is medieval. They are asking all the wrong questions.
野球界は古臭い 求めるものを間違えている
引用:IMDb
◎英語メモ
medieval 中世
野球界の考え方は、中世の人間が言っているようなことと変わりないとオーバーな表現をつかって「古臭い」というニュアンスをだしています。
Your Goal Should Be To Buy Wins
ピーターの言い分はカネをかけて強い選手ばかり集めても勝利するとは限らない。
勝利する確率をあげるためにカネを使うべきだという理屈です。
ピーターの話を聞くうちに長年の勘や経験だけでなくデータを分析して勝利を勝ちとることの大切さと希望がビリーのなかでひらめく瞬間です。
People who run ball clubs, they think in terms of buying players. Your goal shouldn’t be to buy players, your goal should be to buy wins. And in order to buy wins, you need to buy runs.
球団のオーナーたちはカネで選手を買おうと思っている だけど本当は選手ではなく「勝利」を買うべきだ それには得点をとることが必要なんです
ピーターの言い回しは英語学習するうえで自分の目標をたてる例文として使えそうです。
参考までに、この言い回しをつかって作文してみました ^^
例文:
My goal shouldn’t be to buy exercise goods, my goal should be to buy a shaped body.
わたしが道具を買うのは引き締まった身体を手にいれたいからです。
I Want It To Mean Something
映画『マネーボウル』で学べる英語フレーズとして、最後に紹介するのは
“I want it to mean something.”
心の底から何かをなし遂げたいという気持ちを表すのにピッタリな英語フレーズです。
これはアスレチックスがリーグ戦で20連勝したときにビリーがピーターに言うセリフ。
ビリーはたとえ20連勝しても最後で負けたら優勝できない。
優勝できなければ20連勝などすぐ忘れられてしまうと勝負の厳しさを知っています。
しかし、限られた予算の中でチームと資金繰りをやり繰りしながら優勝できたら誰もが忘れない画期的なことをなし遂げたと見なされる。それこそがビリーが望むことです。
But if we win, on our budget, with this team… we’ll have changed the game. And that’s what I want. I want it to mean something.
もし俺たちが勝てば、この予算で、このチームで…俺たちは凄いことをなし遂げたとなるだろう。それこそが俺が欲しいものだ。俺は何か意味のあることをやりたいんだ。
タイタンズを忘れない
あらすじ
実話を基にしたつくられた映画です。ときは1971年のアメリカ。ヴァージニア州の州立高校にハーマン・ブーン(デンゼル・ワシントン)という黒人がフットボールチームのコーチに就任します。
チームは白人と黒人の混合チームでしたが、人種差別はまだ色濃く残っていてチームとしてまとまるどころか対立ばかりでした。
しかし、ブーンコーチのスパルタ指導をもとにフットボールというスポーツを通じてチームはお互いに仲間としての絆も生まれ物語りが進むにつれて人種差別の壁を越えた奇跡に感動させられるドラマです。
タイタンズを忘れない セリフや名言に学ぶ英語フレーズ
You’ll Respect Each Other
互いに「嫌いだから」とケンカばかりして歩み寄らなければ人間としても成長できない。
ブーンコーチはチームが一丸となって前進するよう皆の心に響くセリフを言い放ちます。
I don’t care if you like each other or not, but you’ll respect each other.
お前らがお互い好きか嫌いかなんてどうだっていい。だがな、みんなお互いに自分たちのことを尊重するんだ。
引用:IMDb
この一言によって、チームはお互いに歩み寄るようになります。
心からお互いのことを尊重することを学んだチームは最後には州大会で優勝します。
友情はもはや壊れることのない永遠のものになっていくのでした。
We Make It Work Every Day
心の成長を言いあらわす気持ちが描かれているのが次のセリフ。
People say that it can’t work, black and white. Here, we make it work every day. We still have our disagreements, of course, but before we reach for hate, always, always, we remember the Titans.
ひとは言う。黒人と白人はうまく行かないって。ここじゃ、俺たちは毎日それをなし遂げている。もちろん、意見のあわないこともあるさ。でも、それが憎しみになる前に、いつだって、いつだって俺たちはタイタンズを忘れない。
引用:IMDb
映画で英語を学ぶメリットは、気になったとか印象に残ったというシーンとセリフをセットで観ているので英語フレーズも記憶に残りやすいし、くり返し練習するときにも役立ちます。
ベストキッド
あらすじ
ベストキッド セリフや名言に学ぶ英語フレーズ
Wax On…Wax Off
転校先の高校で新しい生活がはじまり、好きな女の子とも仲良くなろうとしたのにイジメに遭ったりとうまくいかず、毎日にうんざりする主人公ダニエル(ラルフ・マッチョ)。
自分をイジメから助けてくれたミヤギ(パット・モリタ)というカラテの達人にその極意を学ぶシーン。
ミヤギはダニエルにカラテの技を教えてくれるのかと思いきや、毎日クルマ磨き、壁塗りといったカラテとは関係なさそうな単調な動きばかり。
ダニエルは、あまりに単調なので退屈すぎて投げ出したくなるのですが、その単調な動作をなんどもくり返しているうちに自分でも知らず知らずのうちにカラテの基礎を身につけています。
反復練習の大切さを教えてくれます。
ミヤギ:
Wax on… wax off. Wax on… wax off.
(手を回しながら)ワックスオン…ワックスオフ。ワックスオン…ワックスオフ。
ダニエル:
Is that all…?
それだけ…?
Never had karate training like this before; sure wish I knew how it worked.
そんなカラテの練習なんて前に受けたことなかったよ。どうなってるのか知りたいね。
ミヤギ:
You find out, Daniel-san; just give time. And no forget breathe! In through nose, out through mouth; very important.
じきにわかる、ダニエルさん。それには時間がかかる。呼吸することを忘れずに!鼻から吸って~口から吐いて、すごく大事。
引用:IMDb
Look Forward To
ミヤギのカラテレッスンは手をぐるぐる回して車を磨くことだったとはダニエルも拍子抜けします。
それでもミヤギのように強くなりたいと思っているダニエルは、その教えに従って練習してみようという気になります。
ここでのダニエルとミヤギの会話は ” look forward to~”という慣用句をつかった日常でよくつかわれる英語フレーズが出てきます。
ダニエル:
At least I got something to look forward to.
少なくとも何かしら期待できそう。
ミヤギ:
Always *much* look forward to. Come; less chit-chat, more wax, more breathe…! Very good, Daniel-san.
いつも「すごくたくさん」期待できます。それじゃ、おしゃべりは少なく、ワックスがけをもっとたくさん、もっと息もして…!大変けっこう、ダニエルさん。
引用:IMDb
『ベスト・キッド』でのセリフ、カラテを習うことと英語を勉強することがとても似ているシーンです。
どちらも簡単には身につかない、時間のかかることで単調とおもえる作業をなんどもくり返して練習しなければなりません。
もうひとつ映画から大切なことが学べます。それはダニエルは文句を言いながらもミヤギを信じて練習に打ち込んでいるところです。
ひとつのノウハウを覚えるのにあちこちと浮気せず手本となる先生を信じて練習に集中しているところも学びの基本といえるでしょう。
ワイルドキャッツ
あらすじ
高校で陸上競技のコーチをしていたモリー(ゴールデンホーン)は、フットボールのことについては誰よりも詳しく右に出るものはいなかった。
モリーの望みはフットボールコーチになることだったが、ついにそのチャンスがやってくる!
しかし、熱意をもってコーチをしたいと思うモリーが引き受けたチームはやる気のない落ちこぼればかり。
おまけにモリーの前の夫もフットボールのコーチなど子供たちはどうするんだと猛反対。
問題だらけの前途に、果たしてモリーはチームと家庭をまとめることができるのだろうか。
ワイルドキャッツ セリフや名言に学ぶ英語フレーズ
I Call The Shots
スポーツコメディらしいコミカルなタッチながらもバラバラだった気持ちをひとつにまとめていく女性主人公のセリフから熱意が感じられる。
主人公モリーをフットボールコーチとして迎えてくれた高校は選手と言っても落ちこぼれの生徒ばかり。
女のコーチなんて認められないねとモリーをバカにしてかかっています。
コーチなんてさっさと辞めて出ていってほしいと生意気な態度の生徒に対してモリーは勝負を挑みます。
ここで何かを交渉するときに使える英語フレーズを見てみましょう。
モリー:
You really wanna get rid of me?
どうあってもワタシに辞めろって言うのね。
生徒:
Absolutely. もちろんさ。
モリー:
Step outside. おもてに出なさい。
If I drop before anyone of you, you can tell me to go to hell.
もしワタシがアナタたちより前にバテたら出ていけって言えばいいわ。
生徒たち:Oh sure I will do. あぁ、そうするよ(一同笑う)
モリー:
But if you quit before I do, then here on out I call the shots.
でも、アンタたちが先にバテたら、そのときは私に従ってもらうからね。
引用:Wildcats
◎英語メモ
call the shots 采配をふるう
モリーのセリフ then here on out I call the shots.「今後はわたしが采配をふるう。」
言うことを聞かない生徒たちをわからせるためにモリーが生徒たちに挑戦状を叩きつけるシーンでの英語フレーズです。
どういうことかというと、トラック競争をしてモリーが勝ったらコーチとしての自分の言うことを聞くという条件です。
“call the shots” は、『ワイルドキャッツ』のように誰に決定権があるのかハッキリさせるときに使う英語フレーズでビジネスシーンでよく使われます。
Forget The Past And Concentrate On Tomorrow
はじめは女コーチなど認めないとバカにしていた生徒たちもトラック競争で負けてからモリーのことを少しづつ認めるようになり、チームも徐々にまとまり成績が伸びていきます。
落ちこぼれの集まりだったチームがひと試合ごとに勝っていき、チームの勢いを発奮させるためにモリーが生徒たちを活気づけます。
Forget the past and concentrate on tomorrow.
過去のことは忘れて明日のことに集中しなさい。
引用:Wildcats
インビクタス
あらすじ
インビクタス セリフや名言に学ぶ英語フレーズ
Just Words
南アフリカで起きていた政治問題に反抗して27年も投獄されていたネルソン・マンデラ(モーガン・フリーマン)が大統領に就くのでした。
映画はワールドカップでの優勝を目標にいかにして黒人と白人が協力しあい生きていくかを導いてくれた物語り。
ネルソン・マンデラは白人が大半を占めるラグビーチームのキャプテン、フランソワ・ピナール(マット・デイモン)を官邸に招き、投獄されていたときに励まされた詩『インビクタス』の話をします。
詩はイギリスの詩人であるウィリアムス・アーネスト・ヘミングが書いたもので「不屈」や「負けない精神」を意味したモノでした。
次のセリフは、ヘミングウェイの詩にマンデラはいかに支えられたかを語るシーンです。
Just words…but they helped me to stand all what I wanted to do was to lie down.
ただの言葉に過ぎないが、なんとか立ち上がりたいと思っていた私には救いになった詩なんだ。
引用:IMDb
この”Just words…but they helped me” 「ただの言葉にすぎない…しかし、それは救いになった。」という下りは日常会話で役立つ英語フレーズです。
“words”を別の名詞に置きかえれば簡単に気持ちを伝えられます。
たとえば
- just pictures but they helped me ただの絵だが救いになった
- just music but it helped me ただの音楽だけど支えになった
(この場合単数名詞なので、つづく主語も単数 it になります)- just smell but it helped me ただの香りだけど落ち着かせてくれた
(この場合単数名詞なので、つづく主語も単数 it になります)
- just smell but it helped me ただの香りだけど落ち着かせてくれた
- just music but it helped me ただの音楽だけど支えになった
We Need An Inspiration
ネルソン・マンデラ大統領が困難な状況から抜けだすためには「ひらめき」が必要だとキャプテンに語りかけるシーンです。
英語フレーズとしては、映画にあるように何かをディスカッションしているときに聞いているものに訴えかける言い回しでもあり、ひとり考え事をしているときに独り言としても使えます。
ちなみに、モーガン・フリーマンもマット・デイモンもアメリカの俳優であり、普段はふたりともアメリカ人ならではのアクセントが彼らの本来の話し方です。
しかし、映画では南アフリカで話される英語のアクセントで演技をしています。
We need an inspiration Francois…..because in order to build our nation, we must all exceed our own expectations
この国にも「ひらめき」がいるのだ、フランソワ!この国を建て直すためには、国民から持てる以上のチカラを引き出さねばならないのだ。
引用:IMDb
まとめ
本記事では、映画のセリフや名言をとおして英語力をアップできるスポーツ映画を紹介しました。
どの映画も諦めずに可能性を信じることが、自分の能力以上のチカラを発揮させてくれる。
そういった教えを学ぶことができます。
英語上達のコツとしては、じぶんの好きな映画をひとつ選んで、気になるセリフを何度もくり返し聞いて言えるように頑張ってみましょう。
ネイティブの発音の仕方やリズムのとりかたや言い回しなどが少しづつ身についてきます。
また、気に入った英語フレーズがあれば、そのフレーズで自分の英文を作ってみると英語がより確かなものとして身につきます。