ふたつの顔をもつ!『大統領の執事の涙』映画に学ぶ英語 

ドラマ
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ひとは働くようになると仕事用のかお、プライベートでの顔と使えわけて生きていくことを学んでいくというのが自然だと思いますが、これに人種だったり差別だったりが関わってくると「ふたつの顔を持つ」ことは絶対に必要なワザと言えるでしょう。

『大統領の執事の涙』は、白人が支配する奴隷のこどもとして暮らしていた黒人の主人公セシルが大人になり大統領の執事として働くまでになったストーリーを通して英語フレーズを紹介します。

映画としては、キューバ危機やベトナム戦争など歴史上の出来事やアメリカ社会が抱える黒人差別や公民権運動がセシルや彼の家族にどう影響し彼らがどう生きてきたかが見どころです。

(C)2013, Butler Films, LLC. All Rights Reserved.
出典:amazon.co.jp

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大統領の執事の涙 あらすじ

綿花畑で作業する黒人奴隷のセシル・ゲインズ(フォレスト・ウィテカー)は家族とともに畑仕事に明け暮れていた。

作業だけの毎日はとてもキツイ仕事だったが、それでも家族とともに過ごせるセシルは幸せに暮らしていた。

しかし、ある日のことセシルの母親が白人の雇い主に乱暴され、目のまえで父も銃殺されたことでセシルはどん底の気持ちに追いやられる。

その様子があまりに酷いと思ったのか、女主人アナベス(ヴァネッサ・レッドグレーブ)はセシルにハウスニガー(屋敷の使用人)としての仕事を与えてくれる。

屋敷にはいったセシルは仕事のやり方をアナベスから教えてもらいながら他の使用人同様ハウスニガーとしての働きだした。

時が経ちセシルも大きくなるにつれ、屋敷の外に出てひとりで生きていくことを選ぶ。

しかし現実はとても厳しく、セシルは貧しさと空腹のあまりホテルに忍びこんでケーキを盗み食いするというありさまだった。

幸運だったのはホテルの給仕メイナード(クラレンス・ウィリアムズ三世)が発見者だったことである。じり貧のセシルをホテルの給仕見習いとして使い、バトラー(給仕)としてのイロハを叩きこんでくれた。

こうしてメキメキとバトラーとしての腕をみがき上達していくうちに、高級ホテルで働けるチャンスが舞い降りてくる。

アナベスやメイナードから教わったことを実践しながら、ホテルでの働きぶりを買われてセシルはついにはホワイトハウスで執事の仕事をすることになった。

ホワイトハウスでのセシルは政治の世界はじぶんとは関係ないもので白人との信頼関係は彼らに使えることで築き上げていった。そして、セシルは妻とこども二人という幸せな家庭をもてるまでになった。

しかし、ときの流れは黒人差別に反対する動き、人権を得ようとする活動が広がっていく。

白人との距離を平和的に築いてきたセシルとは逆に長男は黒人の公民権運動にのめり込み、次男は国のためにとベトナム戦争に志願する。

セシルはだんだんと気持ちが離れていってしまう家族のことを思いながらも、なかなか気持ちを通わせることができず悩んでしまう。

ある日、最後に仕えた大統領から給仕ではなくゲストとして妻とホワイトハウスに招かれたセシルは今までの自分の人生とゲストとしての扱いに違うものを感じ、30年間ホワイトハウスで執事として勤めあげた自分にある決断をするのだった。

『大統領の執事の涙』映画に学ぶ英語

Lee Daniels' The Butler (2013)
Vanessa Redgrave and Michael Rainey Jr. in The Butler (2013)

The Room Should Feel Empty

セシルは両親がひどい目にあい悲しんでいるところに女主人アナベスから屋敷の使用人になるよう言われた。

アナベスは、そのままでは人間が壊れてしまうとわかっていたのか、セシルに仕事を覚えさせて忙しくすることで悲しんでいる場合ではないという気持ちにさせてくれている。

ここでは、屋敷ではじぶんの存在を消しなさいと教えるシーンでの英語フレーズです。

アナベスはセシルをしつけるために仕事中は息をとめるくらいじゃないとだめだと言っています。

I don’t even want to hear you breathe.  給仕するときは息を殺す

そしてこう続けます。

The room should feel empty when you’re in it. 部屋の空気になりなさい

The room should feel empty 

このフレーズは、部屋は空っぽに感じるくらいであるべきという意味で “feel empty”使っています。

ニュアンスとしては、空っぽ=息しているのも感じられない=部屋の空気

We Got Two Faces ふたつの顔をもて

大統領の執事の涙 (2013)
Clarence Williams III and Aml Ameen in The Butler (2013)

次はセシルがメナードから受けたアドバイスです。

メナードは高級ホテルから給仕としてスカウトされました。しかし、年齢が行っていたメナードは今さら新しい場所で仕事するのも億劫だし、それより今いる仕事場に満足していたのです。

そこでメナードはホテルにセシルを推薦してくれました。

ありがたい話ではあるけれど、セシルは一抹の不安もあります。

そのときメナードは言います。

Maynard: Cecil, we got two faces: ours, and the ones that we got to show the white folks. Now, to get up in the world, you have to make them feel non-threatened. Use that, them fancy words that I’ve taught you. White folks up north, they like some uppity coloreds. Yeah.

セシル、ふたつの顔を持て 本当の顔と白人にみせる顔だ 出世したけりゃ白人を怯えさせないことだ 教えてやった上品な言葉で話せ 北部の白人は気のきいた黒人が好きだ

引用:IMDb

◎英語メモ:

fancy words 上品なことば、カッコいい言葉

uppity 気のきいた、スカした

白人が支配する世界では黒人は、白人にみせる顔と本当の自分の顔を使いわけろというアドバイスでした。つまり、白人客とうまく行かないようなときも従順に謙虚な気持ちと態度で使えろよという意味です。

セシルはその教えに従って給仕としての立場を通していくのです。

I’m The New Butler 新任のバトラーです

ホテルで順調に仕事をこなすセシルに一本の電話が入ります。白人からの連絡はなにか悪いことの知らせに違いないと勘ぐるセシルでした。

しかし、電話の内容はホテルでの仕事ぶりを買われ、セシルにホワイトハウスで執事をするというオファーがきたという知らせにセシルは喜びます。

セシルは黒人の上司からホワイトハウスを案内されていると白人の雇い主に出くわしたのであいさつをしました。

Cecil Gaines: I’m Cecil Gaines. I’m the new butler.

わたしはセシル・ゲインズ 新しい執事です。

引用:IMDb

しかし、セシルが挨拶しているというのに雇い主は一言の返事すらしてくれません。綿花畑であれホワイトハウスであれ、人種差別の根のふかさがうかがえます。

自分のボスに無視されるとは幸先よしとは言えないかもしれませんが、セシルの執事人生がスタートします。セシルは今まで教わったように空気のような存在として歴代の大統領に仕えていきます。

セシルが直面してきた黒人問題はもちろんのこと、”キューバ危機” ”ケネディ暗殺” ”ベトナム戦争” といった大きな出来事も最高の指導者とともに経験していきます。

因みに、セシル・ゲインズは当時仕えたアメリカ大統領は以下のとおり。

アメリカ大統領 
第34代 ドワイト・アイゼンハワー(ロビン・ウィリアムス)
第35代 ジョン・F・ケネディ(ジェームズ・マースデン)
第36代 リンドン・B・ジョンソン(リーヴ・シュレイバー)
第37代 リチャード・ニクソン(ジョン・キューザック)
第38代 ジェラルド・R・フォード(本人の映像)
第39代 ジミー・カーター(本人の映像)
第40代 ロナルド・レーガン(アラン・リックマン)
  ナンシー・レーガン(ジェーン・フォンダ) ファーストレディー

A Blind Eye 背を向ける

大統領の執事の涙 (2013)
Forest Whitaker in The Butler (2013)

セシルの人生はアメリカにおける差別や迫害など黒人が苦しんできた問題と平和的に向きあってきました。しかし、こどもたちは違って長男は差別に対して公民権運動へ参加、次男は国のためにベトナムで戦死します。

セシルの妻もこどもたちの気持ちが父親と合わなくなっていくこと、またセシルが忙しすぎて妻も孤独に悩んでいることも描かれています。

執事として頑張ってきたセシルも問題に向きあおうとするほどにうまく関係が行かなくなり家族としてピンチな状態が続いています。

アメリカに尽くしてきたはずなのに次男の死によってセシルの気持ちも少しづつ変わっていきます。

アメリカはよその国のことを批判しているようで自分こそもっとひどい問題から目をそらしているではないかという気持ちがよく描かれています。

Cecil Gaines: America has always turned a blind eye to what we done to our own. We look out to the world and judge. We hear about the concentration camps but these camps went on for two hundred years right here in America.

アメリカ人は自国の歴史の暗部にずっと背を向けてきた 海外の歴史にはあれやこれやいう 強制収容所がいい例だ アメリカでは大きな人種隔離が200年も続いていたのだ

引用:IMDb

◎英語メモ:

turn a blind eye 目を伏せる (それが何かを特定していないことから冠詞は” a”を使っている)

the concentration camps  ナチス強制収容所  (特定のものをさしており” the”をつけている)

Amazon.co.jp: 大統領の執事の涙(字幕版)を観る | Prime Video
綿花畑の奴隷として生まれたセシル・ゲインズ(フォレスト・ウィテカー)は、見習いからホテルのボーイとなり、遂には、ホワイトハウスの執事にスカウトされる。キューバ危機、ケネディ暗殺、ベトナム戦争、アメリカが大きく揺れ動いていた時代。セシルは、歴史が動く瞬間を、最前で

まとめ

『大統領の執事の涙』は、アメリカ社会の抱えてきた人種問題を世界最高の権力者といえるアメリカ大統領たち7人に仕え、主人公セシルが自身や家族のとどう向きあってきたが映画でした。

人種問題というつらい状況のなかで、それをのり切るために何を肝に銘じておくか?

この点で勉強になる英語フレーズを紹介しました。

来週は第46代の大統領が選ばれますが、人種問題はまだまだ解決には時間がかかることになりそうですね。

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