自分が正しいと信じて憧れていたことが単なる思い込みで実は間違ったことだとわかったとき、どうしたらいいのか途方にくれてしまいます。
けれど、間違えるからこそヒトは人生を進んでいける。
映画『ジョジョ・ラビット』では、セリフや詩を通して
人生はあたまの中で考えているだけでなく実際に体験していくものだ!
と教えてくれる英語フレーズを映画のセリフや詩をとおして紹介します。
絶望的な場面に出くわしたと思えても、そこが最後ではないという話に共感必死。
『ジョジョ・ラビット』あらすじ
引用:MIHOシネマ
『ジョジョ・ラビット』苦境の戦時下でも希望がわいてくる最後の言葉
Love Is The Strongest Thing In The World
第二次世界大戦まっただ中のドイツは表向き勝ち進んでいるように見せていたものの、もっぱら防衛にてんてこ舞いで西からはアメリカほか連合国、東からはソ連が迫ってきていた。
ながらく父のいない家庭で愛情に飢えていたジョジョ(ローマン・グリフィン・デイビス)はナチスの教えこそが自分を奮い立たせヒットラーの熱狂的なファンであった。
さらにジョジョにはアドルフ(タイカ・ワイティティ)というヒットラーの顔をしたイマジナリーフレンドが心のよりどころになっていた。
強く美しく聡明な母親ロージー(スカーレット・ヨハンソン)が、ジョジョのナチ党に対する心の入れように「愛こそが最強の力なのよ」っと愛情たっぷりに伝える。
“愛”などと目に見えないものを理解出来ないと少年ジョジョ・・・
ジョジョは戦時下におけるドイツの未来をさも物事がわかっているような口調で母親のロージーに噛みつきますが、本当は自分でしっかりと靴紐さえも結ぶこともできない10歳の少年にすぎません。
そんなジョジョのことを愛情をもって相手をしてくれる母親ロージーはジョジョの言い分を聞きつつも優しく愛について語ってくれるのでした。
やんわりと語りながらもジョジョの靴紐に細工しているあたりが笑えます。
ジョジョは靴紐がからまって転び文句を言いたげな顔をするものの、うっすらと自分の中の気持ちの変化を感じていきます。
Let Everything Happen To You
映画ではリルケというユダヤ系の詩人の書いた詩がストーリーを総括するように出てきます。
Let everything happen to you すべてを経験せよ
Beauty and terror 美も恐怖も
Just keep going 進み続けよ
No feeling is no ending 絶望が最後ではない
引用:IMDb
これは人生は実際に経験しなければ本当のところはわからない、つまり、考えているだけでは行きつけるところまで行けないと伝えようとしている言葉です。
『ジョジョ・ラビット』哀しい描写なのにどこかポップ!
映画は戦時下のストーリーながら、ところどころポップな面が登場します。
例えば、ジョジョが段ボールでできた赤いロボットの着ぐるみを着て台車をひっぱりながら街をウロチョロしているシーン。
どうしてロボットの格好でうろついているのかは映画を観ていただくとして、戦時下まっただ中でもどこか面白いポップなジョジョがとても愛らしいです。
もうひとつユニークなシーンがあります。それは屋根の小窓の形がまるで人間の瞳のような建物です。
薄気味わるいマニアックな屋根ですが、シーンとしては劇中起こるもっとも悲しい場面です。
そのシーンでは、まるで建物が人間のように一緒に悲しんでいる表情にさえ見えます。もしくは、人間の哀れさにあきれていると言ったほうがいいかも…。
まとめ
映画『ジョジョラビット』は、ナチス党に傾倒しアドルフ・ヒトラーがヒーローだった少年ジョジョの物語です。
母親やキャプテンKという大人からの愛情をうけ、ユダヤ人の少女エルサと交流していくことで10歳の少年が恋を知り自分がそれまで思い込んでいたものが間違いだったと気づくジョジョが戦時下のなかでほんわかと描かれています。