007/ゴールドフィンガー 英語に学ぶノリのいいジョーク

アクション

映画で英語を覚えようとしたものの、結局聞きとれずにやめてしまうなんてことも…。

コツとしては好きなシーンの英語にフォーカスして覚えていくとモチベーションもキープできるし、徐々に英語力もあがってきます。

今回は、映画『007/ゴールドフィンガー』をつかって英語学習をしてみましょう。

007シリーズの決めゼリフやノリのいい英語のジョークがあって楽しみながら英語が学べる映画としておススメです。

007/ゴールドフィンガー あらすじ

Goldfinger (1964)
Sean Connery at an event for Goldfinger (1964)

世界中でゴールドを保有する富豪オーリック・ゴールドフィンガー(ゲルト・フレーベ)。アメリカのフォートノックスにもゴールドが貯蔵されている。

ゴールドフィンガーはグランドスラムという計画を企んでいた。

それは核エネルギーをつかって世界中のゴールドを汚染させ世界経済を陥れようとすること。

イギリス秘密情報部MI-6のジェームス・ボンド(ショーン・コネリー)は、世界を救うべくゴールドフィンガーに近づくが、手下のオッドジョブ(ハロルド坂田)やプッシー・ガロア(オナー・ブラックマン)につかまってしまう。

しかし、プッシーを味方につけたボンドはグランドスラム計画阻止のきっかけを掴んでいく。

決めゼリフやノリのいいジョーク

007シリーズでジェームス・ボンドが話す英語は次の特徴があります。

  • 敵の動きを暗示するようなひっかけ英語
  • 敵を倒したときの捨てゼリフ
  • 緊急事態でも余裕あるノリのいいジョーク

まず映画の冒頭、ボンドがメキシコの革命家レミレスの工場を爆破したときのセリフを見てみましょう。

任務完了のあとアメリカに逃げるボンド。その前にメキシコで会ったエキゾチックな美女と楽しいひと時を過ごしてからと彼女の部屋に行きます。

しかし、その美女はラミレスの手下でボンドは部屋で待ち伏せしていたもう一人の手下に殺されそうになります。でも、そこはさすがボンド!たちまち二人を倒し、さっそうと部屋を去ります。

敵を倒したときの捨てゼリフがこれ↓

Positively Shocking

Goldfinger (1964)
Sean Connery, Alf Joint, and Nadja Regin in Goldfinger (1964)

Shocking! Positively shocking!

怖ろしい!まったく怖ろしいね!

引用:IMDb

◎英語メモ:

Positively まったく 

「まったく油断できないね」というニュアンスで「怖ろしい」を強調しています。

Good Hands

メキシコでの任務を終えたボンドはマイアミで休暇を満喫していた。

そこにCIAエージェントが新たな任務をボンドにつたえに現われる。

ここでのセリフは、ボンドを見つけたCIAエージェントが「相変わらずだな」というもの。

I thought I’d find you’re in good hands.

相変わらずだな

引用:IMDb

◎英語メモ:

“be in good hands”は「何も心配ない」「安泰だ」という意味があり、イギリス秘密情報部からの危険がともなう仕事もボンドならやれると思っていたからこそ出るセリフと言えます。

それに、ボンドはセクシーでグラマラスな美女にマッサージされて休暇を満喫しているところをみてボンドはいつだって美女とヨロシクやっていると納得しているから「相変わらずだな」と訳すのが一番シックリくるのでしょう。

Sounds Like ~

Goldfinger (1964)
Sean Connery and Bernard Lee in Goldfinger (1964)

ボンドの新たな任務はゴールドフィンガーという男を監視する任務でしたが、名前が化粧品メーカーみたいだなという他愛ないセリフです。

「~みたいだな」は雑談のなかでよく出るフレーズです。

日常会話でよくつかう英語フレーズで、友だちと会話するときなど少しクールでジョークめいたニュアンスもあり会話がなめらかになります。

Auric Goldfinger. Sounds like a French nail varnish.

オーリック・ゴールドフィンガーだって…フランスのマニュキュアみたいな名前だな。

引用:IMDb

I Must Be Dreaming

ボンドガール、プッシー・ガロアと出会うシーンでのセリフもなかなかユニークです。

ボンドはゴールドフィンガーの一味に捕まってしまい、もはやこれまでと思ったのに目が覚めたら美女が目のまえに立っていた…。

その美女とはプッシーガロア…ゴールドフィンガーのプライベートパイロットだったのです。

悪党の一味とはいえ、ボンドは彼女の美しさに幸せそうに言ったセリフ ↓

I must be dreaming.

夢でもみてるにちがいない

引用:IMDb

てっきり自分は死んだと思っていたのに目のまえに美女がいる。

「夢でもみてるにちがいない」

どこかトボけたセリフが逆に大人っぽいジョークに聞こえます。

Shaken And Not To Stirred

A martini, shaken, not stirred.

マルティーニを、ステアでなくシェイクしてくれ。

引用:IMDb

007シリーズの決めゼリフ!ボンドがカクテルをオーダーするときの決めゼリフ

ボンドはお酒のうんちくも相当なもの。摂氏3度ほどで飲むのがベストとドンペリの飲み方についてもその知識を披露しています。

面白いのは、映画が公開された1964年はすでに世界中で大ブレークしていたザ・ビートルズの音楽を批評するようなセリフまであります。

1960年代の大人たちからしたらビートルズは騒音でしかなかったみたいですね・・・。

My dear girl, there are some things that just aren’t done, such as drinking Dom Perignon ’53 above the temperature of 38 degrees Fahrenheit.

ぼくの愛しの君 世の中にはやってはいけない事ってあるんだよ

つまり 1953年製のドンペリは華氏38度(摂氏3度)でなきゃダメってことさ

That’s just as bad as listening to the Beatles without earmuffs!

それ(摂氏3度)以上で飲んだりしたら 耳栓なしでビートルズを聴くくらいヒドイものさ!

引用:IMDb

A Close Shave

You like a close shave, don’t you?

深剃りがお好きなのね?

引用:IMDb

スイスでゴールドフィンガーの一味に捕まり、アメリカの連れていかれる飛行機のなかでガロアがボンドに言ったセリフです。

◎英語メモ

”A Close Shave”はひげを剃るときの”深剃り”を意味しています。

ガロアが意図することは「深剃り=危険なこと」
ボンドの仕事はいつもリスクでいっぱいという皮肉を込めている。

So Am I

Goldfinger (1964)
Sean Connery in Goldfinger (1964)

I’m completely defenseless…

完全に丸腰よ。

so am I. 僕もさ。

引用:IMDb

わたしも!といった具合に相手の意見に同調するとき、言いまわしも相手のことばを使うとより親近感がわきます。

ここではゴールドフィンガーがガロアにボンドを片付けるまえに奴のお相手をしてやれという命令に従ってボンドと出かけようとしているシーンです。

口調はフレンドリーですが、おたがい腹の探りあいをしているのがうまく描かれています。

いろっぽいパープル系の服をきて親しげに近づくガロアを皮肉るように

「そんな格好でどこに武器を隠しているのかな」

とボンドはたしなめます。

「わたしは仕事以外じゃ武器なんてもたないわよ」ととぼけるガロア。

ボンドとガロアの会話はシンプルながらも日常英会話によく出てくるフレーズです。

◎英語メモ:

相手の言い方にあわせる感じで同調するとき、相手のはなした言葉づかいをつかって返事をするとより身近に感じます。

ここではbe動詞をつかって”I’m completely defenseless.”と言っているので言われた方も“So am I.”とおなじ動詞をつかって返しています。

so+be+主語というように動詞をひっくり返して「同じ気持ちさ」と同調をあらわしています。

簡単に作れるしフレーズで相手との会話のリズムにも弾みがつきます。

例文:

I am so hungry. Let’s go someplace to eat. すごいお腹すいた。どこか食べに行こうよ。

So am I. Yes, let’s. ほんと腹減った。そうだね食べに行こう。

Playing His Golden Harp

golden harp

ガロア:What happened? Where’s Goldfinger?

なにが起きたの。ゴールドフィンガーはどこ。

ボンド:Playing his golden harp.

やつはあの世行きさ。

引用:IMDb

事件が解決しホワイトハウスに向かうべく飛行機にのったボンドを機内で待ちうけていたのはゴールドフィンガーだった。

銃を向けてきたゴールドフィンガーともみ合っているうちに墜落の危機におちいるシーン。

ジェームス・ボンドは、ここでも面白い言いまわしをしています。

◎英語メモ

英語は例えをつかうことがよくあります。

絵画などをみると、天使が”Golden Harp”(金の琴)を弾いています。

つまり、ゴールドフィンガーは”Golden Harp”を弾いてる(あの世に行ったよ)という意味。

飛行機が墜落しそうだというのに「やつはあの世行きさ」とガロアに真顔でかたるボンドが大人の余裕をみせている場面です。

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イギリスの金が大量に国外に流出しているとの情報を得て、ボンドは犯人らしき億万長者ゴールドフィンガーに近づく。ゴールドフィンガーの目的は、アメリカ中の金塊を放射能で汚染し、自分の所有する金を10倍の価格で売ることだったのだ。ボンドは荒っぽいやり方で見張り役のブロンド美女プシーを味方につけ、ゴールドフィンガーの計画を阻止す...

まとめ

007シリーズの人気作品『ゴールドフィンガー』から英語フレーズを紹介しました。

ユニークな言いまわしの英語フレーズがたくさん使われていて楽しみながら英語の勉強ができます。

映画で気に入ったシーンがあれば、まずはそこに集中して「音」をおぼえる感覚で英語を学んでみましょう。